2010年3月31日水曜日

市場調査日誌 ゴイシウマヅラハギ

(標準和名)ゴイシウマヅラハギ

平成22年1月26日、能登町の市場で確認(全長24cm)

平成22年1月26日、宇出津港の定置網で変わった模様のウマヅラハギが水揚げされて いました。
これは、「ゴイシウマヅラハギ(フグ目カワハギ科)」というカワハギの仲間です。
淡灰色の地色に黒色点がまばらについた模様が特徴です。
ゴイシウマヅラハギは、従来近縁種と混同されていましたが、1989年に別種とされ、
ゴイシウマヅラハギという新称があたえられました。
最新の図鑑でしか確認できないこともあり、あまり情報がないというのが現状です
が、本種は、南日本、東シナ海:南シナ海、インドネシア、オーストラリアの温暖な
海域に分布し、浅い砂地に生息している魚です。

石川県水産総合センター海洋資源部

2010年3月18日木曜日

市場調査日誌 寒コゾクラ

(標準和名)ブリ
平成22年3月12日 能登町魚市場で撮影
ブリは出生魚として有名で、能登ではコゾクラ(体重500g以下)、フクラギ(1kg前
後)、ガンド(2〜4kg)、ブリ(5kg以上)と呼び名が変わります。ブリは、主に2〜
6月に生まれて、100〜150日で全長30cm程度に成長します。その後、さらに成長し11
月には1kg前後のフクラギとなります。つまり、上の写真のサイズのコゾクラが漁獲
されるのは、通常8〜9月頃までということになります。シーズン当初から、「今年
は、やけに小さいのが多いね」と漁業関係者の間で話題でしたが、この時期にコゾク
ラが漁獲されるのは驚きです。
この理由として考えられるのは、成長が極端に悪いか、生まれたのが遅いか(例えば
8月生まれとか)の2つが考えられるわけですが、個人的には、後者と思っています。
耳石日周輪による成長解析を行っているので、その結果から原因を明らかにしたいと
思います。
(海洋資源部 辻 俊宏)

2010年3月12日金曜日

内浦海域海洋観測速報3月

内浦海域観測速報
平成22年3月
3月8日に定点観測を実施した。
内浦海域の各水深層の平均水温と平年比は以下の通り。
表層  10.1℃ "やや低め"
30m深 10.0℃ "やや低め"
50m深 10.1℃ "やや低め"
100m深 9.5℃ "かなり低め"
内浦海域の50m深の水温分布は、変化が少ないものの、灘浦沿岸で高め、飯田湾から
能登町赤崎沖にかけて低めであった。
七尾湾観測は北湾9.4℃、西湾8.8℃、南湾9.4℃で、いずれも"平年並み"であっ
た。
宇出津地先水温は10.0℃(3月12日現在)で、過去10ケ年平均をやや下回っている。
平成22年3月12日発行
石川県水産総合センター 海洋資源部

2010年3月4日木曜日

市場調査日誌 ヒレジロマンザイウオ

(標準和名)ヒレジロマンザイウオ
平成22年3月3日 能登町鵜川沖大型定置網(全長約50cm)で確認
3月3日「ひなまつり」の日に、ヒレジロマンザイウオが水揚げされました。本種は,
シマガツオ科に属する魚で,太平洋では頻繁に漁獲されるようですが,日本海側では
珍しく,本県では初記録となります。この時期、定置網などでたまに漁獲される、似
た魚にツルギエチオピアやシマガツオ(同じシマガツオ科)がいますが,鰭の形で区
別できます。味の方は,かなりの上物で,刺身の他、煮付け、フライ、照り焼きなど
何でもOKとのことです。この日、氷見市場で2,500円/尾で競り落とされました。(辻
 俊宏)