2012年11月30日金曜日

フクラギの水揚げ状況(9月以降:定置網)

 今シーズンのコゾクラ・フクラギの漁模様は、シーズン前半の7~9月は非常に低調に推移したものの、10月200トン、11月160トン(速報値)と平年を上回りました(図)。今後、水揚量は減少傾向となるものの、平年を上回る傾向が継続する見込みです。

石川県主要港の水揚げ状況(11月11日~20日)

・定置網
 ソウダガツオは七尾地区主体に前年をかなり上回りました。アオリイカ・ヒラマサは前年を上回り、フクラギは前年並み、マアジ・サワラ(サゴシを含む。)は前年を下回りました。

・まき網
 ブリ・ガンド・フクラギ・マイワシはいずれも前年を下回りました。前年は秋以降にマイワシの水揚げがありましたが、今年は10月以降、まとまった水揚げはみられていません。

・底びき網・ごち網
 荒天が続き出漁隻数が前年の約6割程度にとどまり、低調な水揚げとなりました。コウバコガニは前年を上回りましたが、ズワイガニ・マダラ・ニギス・アカガレイ・アマエビはいずれも前年を下回りました。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 アンコウは前年を上回り、マダコ・ガンド・マダラ・メジマグロは前年を下回りました。

沿岸観測ブイの水温(11月22日~26日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)
11月22日~26日の平均水温は16.6℃~18.6℃で、11月中旬に比べ0.7℃低下しました。過去3年平均に比べ、内浦海域では引き続き高めで推移しています。能登町小浦沖の水温は、10月までかなり高めで推移していましたが、11月以降は順調に低下し、11月下旬は過去3年平均に比べ0.5℃程度高めとなっています。  

・港内水温(水深1.5m)
 11月22日~26日の平均水温は14.6℃~18.2℃で、11月中旬に比べ0.9℃低下しました。過去3年平均に比べ、宇出津港では高め、橋立港・石崎港では平均並みとなりました。




石川県周辺海域の表面水温図(11月30日)

表面水温は17℃台の水域が広がっており、過去5年の平均水温と比較すると、加賀・外浦海域の沖合で低め、禄剛埼沖から富山湾内で高めとなっています。

2012年11月22日木曜日

ズワイガニ・コウバコガニの水揚げ状況

 11月6日から解禁となったズワイガニ・コウバコガニは、荒天が続いたため低調な水揚げとなりました。解禁後10日間の水揚げ状況を過去5年平均と比較すると、延べ水揚げ隻数(橋立港・金沢港・蛸島港)は39%、水揚げ量はズワイガニが45%、コウバコガニが67%で、いずれも平均を下回りました(図1)。1出漁あたりの水揚げ量はズワイガニ・コウバコガニともに過去5年平均を上回りました(図2)。


石川県主要港の水揚げ状況(11月1日~10日)

・定置網

 ソウダガツオ・フクラギ・カマス・アオリイカは前年を上回りました。サワラ(サゴシを含む。)・マアジは前年並み、マサバは前年を下回りました。
・まき網
 ブリ・ガンド・フクラギは金沢港・富来港主体に前年を下回りました。
・底びき網・ごち網
 荒天が続き出漁隻数が少なかったため、ズワイガニ・コウバコガニ・アカガレイ・ニギス・アマエビなど主要魚種はいずれも低調な水揚げとなりました。
・その他(刺し網・釣り・採介藻など) 
 ウマヅラハギ(かわはぎ)・ウスメバル(やなぎばちめ)・マダコは前年を下回りました。

石川県周辺海域の表面水温図(11月22日)

表面水温は18℃台の水域が広がっており、過去5年の平均水温と比較すると、加賀・外浦海域の沖合で低め、禄剛埼沖・富山湾内で高めとなっています。




沿岸観測ブイの水温(11月14日~18日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m) 11月14日~18日の平均水温は17.9℃~19.5℃で、11月上旬に比べ1.7℃低下しました。過去3年平均に比べ、内浦海域では引き続き高めで推移しています。


・港内水温(水深1.5m) 11月14日~18日の平均水温は15.3℃~19.4℃で、11月上旬に比べ1.4℃低下しました。過去3年平均に比べ、宇出津港では高め、橋立港・石崎港では低めとなりました。


2012年11月13日火曜日

寒ぶり漁の見通し(期間:平成24年11月~翌年3月)


 本県の寒ぶり漁は11月後半より始まり、12~1月が最盛期となります。定置網における「寒ぶり」漁獲量(体重4㎏以上,11月~翌年3月)は年によって大きく変動するものの、近年は少なくとも200トン以上の比較的高い水準で推移しています(図1)。また、日本海北部海域の資源水準も「中ぶり」(4~7㎏台)を主体に高い水準を保っています。


 本県における寒ぶり漁獲量は、春期北上期(5~6月)の「ぶり」漁獲量が多いほど多く、さらに11月上旬の日本海北部(青森・秋田沖合)の水深100m層水温が低いほど、多くなる傾向が見られます。本年の春期漁獲量は269トンと平年(過去10年平均)を上回っています。また、11月上旬の日本海北部の100m層水温も平年並みからやや低めを示しています。以上のことから、今シーズンの寒ぶり漁は、「中ぶり」主体であるが、平年(527トン)を上回る600トン前後の漁獲量が期待されます。
(海洋資源部 辻俊宏)

沿岸観測ブイの水温(11月3日~7日の平均)



1  沿岸観測ブイの水温(水深10m) 11月3日~7日の平均水温は20.2℃~21.0℃で、10月下旬に比べ2.0℃低下しました。過去3年平均に比べ、内浦海域では引き続き高めで推移しています。


2  港内水温(水深1.5m) 11月3日~7日の平均水温は17.3℃~20.7℃で、10月下旬に比べ2.6℃低下しました。過去3年平均に比べ、宇出津港では高め、石崎港では低めとなりました。

「ソウシハギ」に注意!!



  11月5日に石川県沿岸でソウシハギが獲れたとの報告がありました。この魚は肝臓や消化管にパリトキシンという強い毒があり、間違って食べた場合、筋肉痛、しびれ、呼吸困難、不整脈などを起こし、死亡することもあると言われています。


  ウスバハギやウマヅラハギに似ていますが、体全体に青いまだら模様(不鮮明な場合もあります。)があり、尾びれが大きく長いため、見分けることは可能です。

今後も、石川県沿岸全域で混獲される可能性がありますので、食べたり販売したりすることがないようご注意願います。
(海洋資源部 木本昭紀)


2012年11月1日木曜日

平成24年度大型クラゲ情報 第6号-2


 水産総合センターが集計した10月19日~28日にかけての本県沿岸での出現位置を図2に示しました。底びき網では、加賀沖~猿山岬沖の水深500m付近や珠洲沖の200~500m付近で操業あたり1~5個体が入網しました。定置網では、外浦の定置網で1個体~最大10個体が入網しています。内浦側の定置網では10月17日に飯田湾で20個体が入網しましたが、それ以降の入網報告は寄せられていません。


 水産総合センターでは、白山丸による沖合域での大型クラゲ分布調査を11月上旬に実施する予定です。今後も、引き続き大型クラゲの動向にご注意ください。

 皆さまから寄せられた入網情報は、漁業情報サービスセンターで他県の情報と併せて集約されています。この結果は、携帯用ホームページで閲覧できますので、ご利用ください。

http://www.jafic.or.jp/kurage/index.html

平成24年度大型クラゲ情報 第6号-1


  10月26日に独立行政法人水産総合研究センターがとりまとめた大型クラゲの出現と予測に関する情報によれば、10月に実施した分布調査の結果、黄海から東シナ海および対馬海峡での大型クラゲの分布密度は低下していることが確認されました。日本海への大型クラゲの流入量は今後低下すると予測されています。


  漁業情報サービスセンターが10月26日現在で集計した、直近2週間の1日あたりの入網、目視数の分布を図1に示しました。出現範囲は、対馬海峡から太平洋岸の宮城県沿岸にかけての海域に及んでいます。各地の入網数は、いずれも最大20個体程度であり、まとまった出現は報告されていません。しかし、依然として対馬海峡から大型クラゲが流入していることから、今後も各地で出現が続くとみられています。

沿岸観測ブイの水温(10月21日~25日の平均)


1 沿岸観測ブイの水温(水深10m)
10月21日~25日の平均水温は22.5℃~22.8℃で、10月上旬に比べ1.4℃低下しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も引き続き高めで推移しています。

2 港内水温(水深1.5m)
10月21日~25日の平均水温は20.2℃~22.5℃で、10月上旬に比べ1.7℃低下しました。過去3年平均に比べ、橋立港では高め、石崎港では平均並みとなりました。