2018年12月28日金曜日

石川県周辺海域の海面水温 (期間:12月16日~20日)

沿岸の海面水温 12月20日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は14~16℃台であり、過去5年平均との差は-0.5~+0.5℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は15.3~16.6℃で、12月上旬から約1.8℃低下しました。前年同時期との差は+0.5~+2.0℃、過去3年平均との差は+0.3~+2.0℃でした。

港内の水温 今期の水温は11.1~16.5℃で、前年同時期との差は-0.8~+3.4℃、過去3年平均との差は-1.0~+2.0℃でした。




珍しい魚が獲れました !

    今年、石川県で採集された珍しい魚を紹介します。

    まずは、能登町で採集されたカワハギの仲間である「ギマ」について紹介します。この魚は太平
洋側では多く見られますが、日本海側では稀にしか採集されず、水産総合センターでは初の記録となりました。皮膚の粘液が強く、背鰭、腹鰭に3本の強靭な棘があります。加えて群れで生息しているため、太平洋側の定置網では大量入網し、網や漁獲物を傷つける厄介者です。もしどこかで触る機会がありましたら、気を付けて触るようにしてください。


    次に、珠洲市で採集されたカワハギの仲間である「アミモンガラ」です。この魚は石川県では過去にも何回か採集されており、見たことがある方もいるかもしれません。ただし今回の採集された個体には一般的なアミモンガラにある特徴的な白斑が見られませんでした。そのため、最初は違う種類と考えましたが、鱗の形状や分布などからアミモンガラとわかりました。なぜ白斑がなかったのかは文献を調べてみましたが結局わかりませんでした。

       最後に、能登町で採集された「クマサカフグ」です。この魚も日本海側では稀にしか採集されず、水産総合センターで初の記録となりました。この魚の写真から分かるように、石川県で多く水揚げされる“きんぷく(シロサバフグ)”によく似ています。しかし、胸鰭の下方が白く、上方が黒い、腹部に黒点が点在し、大きな棘があることなどの特徴から容易に判別できます。さらに、この魚はきんぷくと比べてかなり大きくなることも特徴で、この個体は全長52㎝もありました。きんぷくよりも食べごたえがありそうですが、毒性は不明なため、食べないでください。加えて、条例でもこの魚の販売・加工・調理が規制されていますので、捕まえても逃がすようお願いします。

    もし、初めて見た魚、いつもと模様や形が違う魚を発見されましたら、水産総合センターまでご連絡ください。石川県では過去にも新種の魚が見つかっています。もしかしたら新種の第一発見者となれるかもしれません。
(海洋資源部 川畑達)

石川県主要港の水揚状況 (期間:12月1日~15日)

定置網 シイラ・ソウダガツオ・アオリイカ・カワハギは前年を上回り、カマスは前年並み、マアジ・サバ・サゴシ・サワラは前年を下回りました。ブリは宇出津・七尾を中心に65トン水揚げされました。11月前半から12月前半までの累計は158トンで、前年(106トン)を上回り、過去5年平均(157トン)並みでした。アオリイカは宇出津・七尾を中心に19トン水揚げされました。9月前半から12月前半までの累計は91トンで、前年(145トン)および過去5年平均(124トン)を下回りました。カマスは13トン水揚げされました。10月前半から12月前半までの累計は109トンで、前年(359トン)および過去5年平均(324トン)を下回りました。

まき網 フクラギは前年を上回りました。

底びき網・ごち網 アカガレイ・アマエビ・ニギスは前年を下回りました。ズワイガニは13トン、コウバコは8トン水揚げされました。11月前半から12月前半までの累計はズワイガニが100トン、コウバコが94トンで、ズワイガニは前年(102トン)および過去5年平均(113トン)並みで、コウバコは前年(98トン)並みで、過去5年平均(139トン)を下回りました。

 刺網・釣り・その他 ベニズワイガニは前年を上回り、マダコは前年並みでした。マダラは輪島を中心に43トン水揚げされました。11月前半から12月前半までの累計は176トンで、前年(146トン)および過去5年平均(131トン)を上回りました。

2018年12月17日月曜日

ソウシハギに注意!!

 ソウシハギの混獲に注意してください。この魚(写真)は内臓にパリトキシンという強い毒があり、間違って食べると筋肉痛・しびれ・呼吸困難・不整脈などを起こし、死亡に至ることもあります。カワハギ科の魚でウマヅラハギやウスバハギに似ていますが、大きく長い尾びれを持ち、体全体に青いまだら模様があるのが特徴です。今後、県内沿岸で混獲される可能性がありますので、漁業現場ではしっかり選別を行っていただき出荷しないように注意してください。

第24回 石川県青年・女性漁業者交流大会を開催しました




 平成30年12月1日(土)に、石川県水産会館5階大ホールで、石川県青年・女性漁業者交流大会を開催致しました。今回は漁業者活動発表が1課題と、特別講演が2講演あり、集まった約80名の参加者はとても真剣に聞き入っていました。
 漁業者活動発表では、石川県漁協穴水支所の齋藤義己(さいとうよしみ)さんから、「帽子屋からカキ養殖へ~Iターン漁師の挑戦~」と題して発表していただきました。平成26年5月に夫婦で東京都内から穴水町に移住された齋藤さんは、穴水町で知り合った親方に指導を受けながら、全く未経験のカキ養殖や刺網等を始め、育てたカキの売り先の開拓が困難なことからカキや自分が獲った魚などを提供するレストランをオープンさせました。レストランでカキを焼くのは珠洲の珪藻土コンロ、お椀は輪島塗を使用するなど、オール能登のこだわりで開いているそうです。それらの取り組みはSNSで情報発信するとともに、新聞・雑誌・TVでも取り上げられています。齋藤さんには来年春に東京で開催される全国青年・女性漁業者交流大会でも活動発表をしていただく予定です。
 続いて、能登町立小木小学校の加賀浩先生から、「小木小学校での里海科の活動について」と題して特別講演をしていただきました。小木小学校は、地元の県漁協小木支所・能都支所の漁業者を講師に招いたり、地域の関係機関などの協力を得ながら、全校生徒が海に親しみ、ふるさとに誇りと愛着を持つよう取り組んでおられます。この活動を通して生徒たちの海や漁業への興味関心が高まり、もっと知りたい調べたいという意欲につながっているそうです。
 最後に、フードコーディネーターの、しもおきひろこさんから、「お魚料理教室から見えてくるこれからの魚食」と題して特別講演をしていただきました。しもおきさんは最近の家庭での魚食の低迷を受け、石川県漁協やエフエム石川と協力して「親子おさかな料理教室」や「女子力アップおさかな料理教室」などを多数開催し、リピーターも出るなど好評とのことです。子どもは、魚料理では焼き魚が最も苦手なこと、料理の好き嫌いは小学校に入学する頃には決まってしまうなどの事例を紹介され、子どもの頃から魚を食べさせるには、保育園などでのお魚料理教室の開催といった地域ぐるみの連携が重要であることなど、大変興味深い内容のご講演をいただきました。

石川県周辺海域の海面水温 (期間:12月2日~6日)

沿岸の海面水温 12月6日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は16~17℃台であり、過去5年平均との差は+0.5~+1.0℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温  今期の水温は17.2~18.1℃で、11月下旬から約0.7℃低下しました。前年同時期との差は+1.1~+1.9℃、過去3年平均との差は+1.1~+1.8℃でした。

港内の水温 今期の水温は13.4~18.1℃で、前年同時期との差は+1.9~+2.9℃、過去3年平均との差は+0.0~+2.2℃でした。

スルメイカの漁況の見通し (予報期間:来年1月~3月)

スルメイカには秋生まれ群と冬生まれ群があり、冬に定置網で漁獲されるスルメイカは主に冬生まれ群です。定置網による水揚量は年変動が大きく、これには海水温が関係しています。過去16年間の1~3月の水揚量と1月の50m深水温の関係を調べたところ、能登半島北沖と秋田県西沖の平均水温が低いほど、水揚量が多い傾向がみられました。また、近年、冬生まれ群の資源量が減少しており、これにともない水揚量も減少する可能性があります。

拡張版日本海海況予測システム(日本海区水産研究所)によると、来年1月の能登・秋田県沖の50m深平均水温は過去5年平均並みになると予測されています。しかし、今年の冬生まれ群の資源量は過去5年平均を大きく下回っています。この水温と資源量に基づいて、来年1~3月の定置網による水揚量を予測したところ、315トンと見積もられました。従って、今期の定置網による水揚量は2018年(373トン)および過去5年平均(460トン)を下回ると予想されます。

石川県主要港の水揚状況 (期間:11月16日~30日)

定置網 シイラ・サワラ・サゴシは前年を上回り、フクラギ・コゾクラ・アオリイカ・カワハギは前年並み、マアジ・サバ・カマスは前年を下回りました。ブリは68トン水揚げされました。11月の合計は104トンで、前年(59トン)および過去5年平均(78トン)を上回りました。

まき網 サバ・フクラギ・コゾクラ・ガンドは前年を上回りました。

底びき網・ごち網 アカガレイ・バイガイは前年を上回り、ズワイガニ・コウバコ・アマエビ・マダラは前年並み、ニギスは前年を下回りました。
刺網・釣り・その他 ベニズワイガニは前年を上回り、マダコは前年並みでした。マダラは84トン水揚げされました。11月の合計は133トンで、前年(104トン)および過去5年平均(89トン)を上回りました。

2018年12月3日月曜日

石川県周辺海域の海面水温 (期間:11月21日~25日)


沿岸の海面水温 11月25日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は17℃台で、過去5年平均との差は±0.0~+0.5℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は18.2~18.8℃で、11月上旬から約1.8℃低下しました。過去3年平均との差は+0.5~+1.3℃でした。

港内の水温 今期の水温は15.5~18.8℃で、前年同時期との差は+1.4~+2.8℃、過去3年平均との差は+0.8~+1.5℃でした。

ズワイガニの水揚状況 (期間:11月6日~25日)

11月6日にズワイガニ漁が解禁されました。橋立港・金沢港・輪島港・蛸島港の解禁後20日間の水揚量は雄ガニ(加能ガニ):70.8トン、雌ガニ(香箱):77.1トンでした。
水揚量の前年同期比は雄ガニ:118%、雌ガニ:108%であり、雄ガニは前年をやや上回り、雌ガニは前年並みでした。同過去5年平均比は雄ガニ:96%、雌ガニ:73%であり、雄ガニは過去5年平均並みで、雌ガニは過去5年平均を下回りました。
出漁隻日当たりの水揚量の前年同期比は雄ガニ:115%、雌ガニ:105%であり、雄ガニは前年をやや上回り、雌ガニは前年並みでした。同過去5年平均比は雄ガニ:113%、雌ガニ:87%であり、雄ガニは前年をやや上回り、雌ガニは前年をやや下回りました。雄ガニに関しては、隻日あたりの水揚量は安定に推移しています。

石川県主要港の水揚状況 (期間:11月1日~15日)


定置網 サワラ・サゴシ・ブリは前年を上回り、サバは前年並み、マアジ・フクラギ・コゾクラは前年を下回りました。カマスは28トン水揚げされました。9月前半から11月前半までの累計は108トンで、前年(407トン)および過去5年平均(264トン)を下回りました。アオリイカは23トン水揚げされました。9月前半から11月前半までの累計は46トンで、前年(107トン)および過去5年平均(76トン)を下回りました。

まき網 サバ・フクラギ・コゾクラ・マアジ・ガンドは前年を上回りました。

底びき網・ごち網 コウバコ・ズワイガニ・アカガレイ・アマエビ・ニギスは前年並み、マダラは前年を下回りました。

刺網・釣り・その他 ベニズワイガニ・ヤナギバチメ・ガンドは前年を上回り、マダラ・マダコは前年並みでした。