2010年6月2日水曜日

小型いか釣り漁業の水揚げ状況(5月の速報値)

 石川県沖はスルメイカ釣りの盛漁期を迎えていますが、県内における5月1日〜2
0日までの水揚箱数は114千箱で、近年(過去5カ年平均)の53%と低調に推移
しています。
 銘柄別箱数は、20入・25入が近年の27%、30入れ以上が近年の67%で、
昨年と同様に大型の群れの来遊状況が特に低調となっています。
 期間中の延べ操業隻数は1,389隻で近年の68%、1操業当たりの水揚箱数は
83箱で近年の86%でした。
 例年であれば5月中下旬が水揚げのピークとなりますが、平成20年・21年は漁
期が遅れ6月上旬にピークがみられました。平成22年も5月は前年並みの水準で推
移しています。

調査船白山丸によるイカ釣り漁場調査結果の概要

 5月20日〜22日に日本海沖合で白山丸(167トン)によるイカ釣り漁場調査を行いま
した。今航海の平均CPUE(釣り機1台1時間当たりの漁獲尾数)は10尾で、過去5ヵ年
の同時期操業の平均CPUE(27尾)よりも低く、今のところ来遊量は過去5ヵ年平均よ
り少ないと考えられます。魚体(外套長)サイズは過去5ヵ年平均よりもやや小型で
した。

4月の漁獲量(漁海況情報169号)

○ 定置網
主要10港合計は3,333トンで、平年(過去10カ年平均)をかなり上回る漁
獲量でした。
最も多く漁獲されたのはカタクチイワシの2,786トンで、七尾地区主体に平年
をかなり上回りました。スルメイカは121トン、マサバは67トンで、いずれも平
年並みでした。サワラは91トンで平年をやや下回りました。
○ 底びき網
主要10港合計は757トンで、平年並みの漁獲量でした。
最も多く漁獲されたのはハタハタの276トンで、平年をやや上回りました。サイ
ズは60〜90グラム主体で、いずれの港でも前年を上回りました。アカガレイは1
23トンで平年をやや上回りました。ニギスは75トンで平年並みでした。
○ まき網
主要10港合計は155トンで、平年をかなり下回る漁獲量でした。
最も多く漁獲されたのはマダイの74トンで、平年をかなり上回りました。ブリは
69トンで平年をかなり上回りました。マアジは10トンで平年をかなり下回りまし
た。
○ 刺 網
主要10港合計は239トンで、平年並みの漁獲量でした。
最も多く漁獲されたのはウスメバル(やなぎばちめ)の81トンで、輪島港主体に
平年をかなり上回りました。ガンドは41トンで平年をやや上回りました。ブリは1
0ンで平年をかなり上回りました。
○ 釣 り
釣りの主要10港合計は21トンで、平年をやや下回る漁獲量でした。
最も多く漁獲されたのはブリの6トンで、平年並みでした。

5月の水温の状況(5月定線観測結果)

○本県周辺の水深50m水温は10〜12℃台で、加賀沖では"やや低め"(0〜
1℃低め)、能登半島外浦沖では"平年並み"、富山湾では"かなり低め"(1〜
2℃低め)の水温分布を示しています。
○表面水温は11〜14℃台で、加賀沖では"かなり低め"(1〜2℃低め)、能登
半島外浦沖では"平年並み"、富山湾では"かなり低め"(1〜2℃低め)の水温分
布を示しています。
○佐渡島沖の冷水域は、平年に比べて禄剛埼に近づいて分布しています。