2月9日能登町の大型定置網に体長2.4mに達する大きなマンボウが入網しました。冬の富山湾の大型定置網には、しばしばマンボウが入網しますが、この個体はちょっと変わっていました。写真では少しわかり難いかもしれませんが、頭部(おでこの部分)が大きく隆起しています。実はこれは、ウシマンボウと呼ばれるマンボウとは別種の魚と思われます。日本近海に分布するマンボウ(属)は、これまで1種とされてきましたが、近年の広島大学(澤井悦郎)・東京大学(山野上祐介)のマンボウ類の分類に関する研究(DNA・形態解析)により、マンボウとウシマンボウの2種に分けられることが明らかとなりました。ウシマンボウはマンボウに比べ、確認個体数もかなり少なく、日本海では今回が初めての記録となります(ちなみに、石川県の漁業者の記憶では過去にも数例あるようです)。現在、広島大学の水圏資源生物学研究室でDNA分析等を行っているところですが、なぞの多いマンボウ類の貴重なサンプルとなりました。
(海洋資源部 辻俊宏)
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