石川県では、季節を代表する水産物を「石川の四季のさかな」としており、春の魚としてサヨリを選定しています。サヨリは2隻の船で網を曳く船曳網漁業により主に3~5月に漁獲されます。
県内主要港の3~5月の船曳網によるサヨリの水揚量は減少傾向にあり、1998年に69.5トンあった水揚量は2013年にはわずか8.1トンに減少しています。水揚量が減少した主な理由として操業隻数の減少があげられますが、春先の沿岸水温も水揚量に影響しています。
2003年以降の船曳網による3~5月の水揚量と2月下旬~3月上旬の宇出津港の水温の推移をみると、水温が低い年には水揚量が少ないことが分かります。近年、宇出津港の水温は低く、このことが水揚量の低迷に関係しているものと考えられます。
今年2月下旬~3月上旬の宇出津港の水温は9.8℃でした。この値を水温と水揚量の関係に当てはめると、今年3~5月の主要港の船曳網による水揚量は10.4トンと見積もられ、前年(8.1トン)を上回るものの過去10年平均(18.7トン)を下回ると予想されます。
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