2016年4月28日木曜日

スルメイカの漁況の見通し (予報期間:5月~7月)

石川県沿岸 5月中旬の能登半島北沖(右図A)と佐渡北沖(右図B)の50m深水温の差が大きい年ほど5~7月のスルメイカの水揚量が多くなる傾向にあります。水温差が大きいとイカの北上が妨げられて本県沿岸にイカが多く留まるためと考えられます。海況モデルによる予測によると、今年5月中旬の水温差は0.36℃と大きくありません。水温差と水揚量の関係から、今期の小型イカ釣りによる水揚量は2,710トンと見積もられ、前年(1,583トン)を上回り、過去5年平均(2,169トン)並みになると予想されます。ただし、後述するようにスルメイカの分布量は少ないと考えられることから、水揚量が下振れする可能性があります。
日本海沿岸 漁獲加入前のスルメイカ(外套長2~10cm程度)の分布量を調べるため、石川県水産総合センター・富山県水産研究所・日本海区水産研究所は4月に日本海で表層トロール調査を行いました。調査時に外套長5cm以上であったイカが5~7月の漁獲対象になります。外套長5cm以上のイカの調査点当たりの平均採集尾数は5.8尾であり、前年(51.2尾)および過去5年平均(20.5尾)を下回りました。昨年秋の孵化幼生調査では、調査点当たりの平均分布密度は0.64尾であり、前年(1.49尾)および過去5年平均(1.04尾)を下回っており、今期漁獲されるイカの孵化量も少なかったと考えられます。一方、昨年5~7月の水揚量は1994年以降で最も少なくなりました。以上から、今期の日本海沿岸への来遊量は不漁であった前年並みで、過去5年平均を下回ると予想されます。また、対馬暖流の水温はやや高めになると予想されており、漁期の開始はやや早いと考えられます。日本海沿岸の予報の詳細については、水産庁の資源評価等推進委託事業のページ(http://abchan.fra.go.jp/)をご覧ください。

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