スルメイカには秋生まれ群と冬生まれ群があり、冬に定置網で漁獲されるスルメイカは主に冬生まれ群です。定置網による水揚量は年変動が大きく、これには海水温が関係しています。過去16年間の1~3月の水揚量と1月の50m深水温の関係を調べたところ、能登半島北沖と秋田県西沖の平均水温が低いほど、水揚量が多い傾向がみられました。また、近年、冬生まれ群の資源量が減少しており、これにともない水揚量も減少する可能性があります。
拡張版日本海海況予測システム(日本海区水産研究所)によると、来年1月の能登・秋田県沖の50m深平均水温は過去5年平均並みになると予測されています。しかし、今年の冬生まれ群の資源量は過去5年平均を大きく下回っています。この水温と資源量に基づいて、来年1~3月の定置網による水揚量を予測したところ、315トンと見積もられました。従って、今期の定置網による水揚量は2018年(373トン)および過去5年平均(460トン)を下回ると予想されます。
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