2011年3月30日水曜日

サワラ春漁期(4~6月)の漁況見通しについて

 県内ではサワラの春漁期を迎えつつあります。サワラ銘柄(サゴシを含まない。)については、春漁期とその前年の秋漁期の漁獲量には相関関係がみられます(図1)。これは、秋に来遊した群れが本県近海で越冬し、春に再び漁獲されるためと思われます。
 この関係式によると、昨年の秋漁期の推定漁獲尾数は、6万6千尾であったことから、今春の漁期の漁獲量は、10万4千尾(およそ208トン)と見積もられ、過去5カ年平均(392トン)を下回ると予想されます。
 また、2010年12月の県内産地で水揚げされたサワラ銘柄のサイズは、2009年12月と比較すると成長の良い個体(400gほど大きい)が多くみられました。このことから、今春漁期のサワラ銘柄は、前年同期に比べてやや大型(2~2.5kg)が主体になると予想されます。



  サワラは、かつて主に東シナ海や瀬戸内海で多く漁獲されていましたが、2000年以降、日本海での漁獲量が急増しました。石川県でも2008年には1,466トンに達し、全国で3番目(9.3%)の位置を占めており(漁業養殖業生産統計年報)、石川県に春を告げる魚の代表格となっています。本県では、春漁期と秋漁期がありますが、春漁期には2㎏前後のサイズが主体となります。(海洋資源部 奥野充一)




沿岸観測ブイの水温(3月23日~27日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、3月中旬に比べ約0.4℃低下し、過去3カ年平均を下回って推移しています。3月23日~27日の平均水温は9.6℃で、前年に比べいずれの観測点も0.1℃低めでした。

・港内水温(水深1.5m)は、3月中旬に比べ約0.4℃上昇しました。3月23日~27日の平均水温は9.8℃~10.2℃で、前年に比べ橋立港では0.3℃低め、宇出津港では0.1℃低め、石崎港では0.9℃高めでした。



石川県主要港の水揚げ状況(3月11日~20日)

・定置網 スルメイカは、七尾地区主体に前年並みでした。カタクチイワシ・マアジ・ブリは前年を下回り、フクラギ・マイワシは前年を上回りました。


・まき網 金沢港・七尾港ではブリ・マダイ・マアジの水揚げがありました。

・底びき網 時化の日が多く低調に推移しました。アカガレイは前年並み、ニギス・ハタハタ・ズワイガニ・アマエビは前年を下回りました。

・その他 ウスメバル(やなぎばちめ)・マダラは前年を上回り、フクラギ・メダイは前年を下回りました。

2011年3月18日金曜日

沿岸観測ブイの水温(3月11日~15日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、3月上旬に比べ約0.1℃低下し、過去3カ年平均を下回って推移しています。3月11日~15日の平均水温は9.8℃~10.0℃で、前年に比べ小浦・鵜川沿岸では0.1℃高め、岸端沿岸では0.3℃高めでした。


・港内水温(水深1.5m)は、3月上旬に比べ約0.2℃上昇しました。3月11日~15日の平均水温は9.6℃~10.1℃で、前年に比べ橋立港・宇出津港では0.1℃高め、石崎港では0.9℃高めでした。

日本海漁場海況速報(2011年3月上旬)    日本海区水産研究所

日本海区水産研究所から、3月14日に日本海漁場海況速報が発行されました。

能登半島北西沖に冷水域の張り出しがあり、外浦沿岸にかなり近づいています(水深100m水温図)。
また、能登半島西方沖や佐渡島北方沖には暖水域がみられています(水深200m水温図)。

詳細な情報が必要な方は、日本海区水産研究所日本海海洋環境部のホームページをご確認願います。 http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/Physical/sokuho.html


石川県主要港の水揚げ状況(3月1日~10日)

・定置網 スルメイカは、七尾地区主体に前年を上回りました。2月中旬以降、好漁が続いており、1月からの累計は390トンで、過去10年平均の121%となりました。

マアジ・マダラ・フクラギは前年を上回り、ブリは前年を下回りました。

・まき網 七尾港・蛸島港ではガンド・マアジ・マサバの水揚げがありました。

・底びき網 アカガレイ・ニギスは前年を上回り、ズワイガニ・アマエビは前年並みでした。

・その他 刺し網のマダラは、宇出津港主体に前年を上回りました。ウスメバル(やなぎばちめ)は前年を上回り、メダイは前年を下回りました。

2011年3月8日火曜日

調査船白山丸によるホッコクアカエビ(甘えび)分布量調査結果

 調査船白山丸は2月16日から19日に金沢沖の水深400~500mの海域でホッコクアカエビ(アマエビ)の分布調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150㎝×横220㎝のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、稚エビの分布状況を調べています。


 2009年8月の調査で頭胸甲長11mm前後にみられた2008年生まれの卓越年級群(発生量の多い群れ)はその後、順調に成長し、今回の調査では頭胸甲長18mm付近に確認されました(図参照)。この群れが漁獲サイズに成長する今年の秋以降、漁獲量は増加すると予想されます。さらに今回の調査では、頭胸甲長14mm付近にも卓越年級群が確認されました。この群れは来年の秋以降、漁獲サイズになりますので、今後数年間はホッコクアカエビの資源状況は良好な状態で推移すると予想されます。

 なお、漁獲サイズであっても、サイズの大きいエビほど商品価値は高いので、これらの発生群が大きくなるのを待って漁獲することが漁業経営や資源の有効利用の面から重要です。漁業者の皆様には、小型個体が多く入網する海域での操業をひかえるか網目拡大して資源の有効利用に努めていただきますようお願いします。(海洋資源部 四方崇文)

沿岸観測ブイの水温(3月2日~6日の平均)

  • 沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、2月下旬に比べ約0.2℃低下し、過去3カ年平均を下回って推移しています。3月2日~6日の平均水温は9.9℃~10.1℃で、前年に比べ0.1℃~0.4℃低めでした。
  • 港内水温(水深1.5m)は、2月下旬から横ばいで推移しています。3月2日~6日の平均水温は8.9℃~10.3℃で、前年に比べ橋立港では0.8℃低め、石崎港では0.1℃低め、宇出津港では前年並みでした。


石川県主要港の水揚げ状況(2月21日~28日)

・定置網
 スルメイカは、七尾地区主体に前年を上回りました。1月は低調に推移していましたが、2月中旬以降、平年を上回り好漁が続いています。マアジ・マイワシは前年を上回り、ブリ・ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を下回りました。

・まき網
 金沢港・七尾港・蛸島港ではマアジ・マサバ・フクラギの水揚げがありました。
・底びき網
 ニギスは、金沢港主体に前年を上回りました。2月上旬以降、好漁が続いており、2月の漁獲量は1995年以降では最も多い値となりました。アカガレイ・アマエビは前年並み、ハタハタは前年を下回りました。
・その他
 刺し網・釣りのマダラは、蛸島港・宇出津港主体に豊漁であった前年並みでした。漁期は終わりに近づき、漁獲量は前旬の42%へ減少しました。