調査船白山丸は8月2日から4日に金沢沖の水深400~500mの海域でホッコクアカエビ(甘えび)の分布調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150㎝×横220㎝のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、稚エビの分布を調べています。
2009年8月に頭胸甲長11mm付近にみられた2008年生まれの卓越年級群(発生量の多い群れ)は、本調査では頭胸甲長19mm付近の漁獲サイズにまで成長していることが確認されました。今回の調査では頭胸甲長10mm付近に2010年生まれの卓越年級群が新たに確認されました。この卓越年級群は、2008年生まれの卓越年級群に比べて分布密度が約10倍も高いことから、これが漁獲サイズにまで順調に成長すれば、2013年の秋以降、漁獲量の増加に寄与するものと予想されます。
卓越年級群をうまく利用して、漁獲量や漁獲金額の増加につなげるには漁獲サイズ未満の稚エビを保護することが大切です。漁業者の皆様には、小型個体が多く入網する海域での操業をひかえるか網目拡大して資源の有効利用に努めていただきますようお願いします。
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