スルメイカには秋生まれ群と冬生まれ群があり、冬季の本県沿岸では冬生まれ群が漁獲されます。近年、冬生まれ群の資源水準は中位~高位で比較的安定していますが、冬季に定置網で漁獲されるスルメイカの漁獲量には大きな変動がみられます。これには沿岸水温が関係しており、冬季(1月)の本県以北沿岸(北緯41度以南・東経137度以東の日本海)の50m深水温が低い年ほど冬季の本県定置網による漁獲量が多くなる傾向がみられます。つまり、水温が低いとスルメイカの分布域が沿岸寄りになるため漁獲量が増えるものと考えられ、厳冬であった2006年には1208トンの好漁となりました。
日本海海況予測システム(JADE)による計算では、2012年1月の50m深平均水温は過去3年平均並みの10.7℃と予測されています。この予測水温を漁獲量と50m深水温の関係に当てはめたところ、2012年1~3月の定置網によるスルメイカの漁獲量は421トンで、昨年(543トン)を下回り、過去3年平均(384トン)並みと予想されました。
(海洋資源部 四方崇文)
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