調査船白山丸は1月12日から15日に金沢沖の水深400~500mの海域でホッコクアカエビ(甘えび)の分布調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150㎝×横220㎝のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、稚エビの分布を調べています。
2011年8月に頭胸甲長10mm付近にみられた2010年生まれの卓越年級群(発生量の多い群れ)は、本調査では頭胸甲長13mm付近に成長していることが確認されました。この卓越年級群の発生量は2006年以降に生まれた群のなかで最も多く、これが漁獲サイズにまで順調に成長すれば、2013年の秋以降、漁獲量の増加に寄与するものと予想されます。卓越年級群をうまく利用して、漁獲量や漁獲金額の増加につなげるには、漁獲サイズ未満の稚エビを保護するとともに小型エビの漁獲をひかえることが大切です。漁業者の皆様には、小型個体が多く入網する海域での操業をひかえるか網目を拡大して資源の有効利用に努めていただくようお願いします。
(海洋資源部 四方崇文・西田剛)
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