2.日本海における分布と魚体サイズ
一斉調査時の分布状況は図1のとおりでした。道央・道南の沿岸海域と大和堆付近の沖合域でCPUEが20尾以上の分布密度の高い操業点がみられました。今年は昨年および過去5ヵ年平均に比べて魚体サイズが大きく(図3)、例年、小型個体が多い北海道沿岸にも外套長21㎝以上の大型個体が多く分布していました。
3.太平洋側の資源状況
太平洋側に分布するスルメイカは10月以降、宗谷海峡および津軽海峡を経由して日本海に来遊します。このため、太平洋側のスルメイカの資源状況は10月以降の日本海の漁況に深く関係します。平成24年度第1回太平洋スルメイカ長期漁況予報によると、太平洋側の来遊量は漁獲量の多かった昨年を下回ると予測されています。
以上のように、今年の資源量は昨年および過去5ヵ年平均をやや上回り、漁場一斉調査時には魚体サイズが大きかったことから、今年8~12月の日本海における漁獲量は、昨年および過去5ヵ年平均を上回ると予想されます。海域別の漁況は下記のように予想されます。
・道北・道央(小型いか釣り):8月を中心に昨年および過去5ヵ年平均を上回る。
・道南・津軽(小型いか釣り):9~10月に漁獲量は減少するが、昨年および過去5ヵ年平均並み。
・本州北部日本海(小型いか釣り):活発な漁場形成はなく、昨年並みで過去5ヵ年平均を下回る。
・西部日本海(小型いか釣り):漁場形成は10月以降で、昨年を上回り、過去5ヵ年平均並み。
・沖合域(中型いか釣り):主な漁場は北海道沖で漁期の経過は昨年より早い。過去5ヵ年平均並み。
※ 本予報の詳細については下記URLの資料をご覧ください。
日本海スルメイカ長期漁況予報: http://abchan.job.affrc.go.jp/gk24/20120720_n.pdf
太平洋スルメイカ長期漁況予報: http://abchan.job.affrc.go.jp/gk24/20120720_t.pdf