2012年8月23日木曜日

沿岸観測ブイの水温(8月15日~19日の平均)



・沿岸観測ブイの水温(水深10m)
  8月15日~19日の平均水温は26.7℃~28.0℃で、8月上旬に比べ0.3℃上昇しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。


・港内水温(水深1.5m)
  8月15日~19日の平均水温は27.3℃~29.7℃で、8月上旬に比べ約1.3℃低下しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。
 石崎港内の水温は8月上旬をピークに低下傾向にありますが、引き続き過去3年平均を上回って推移しています。

石川県周辺海域の水温分布(水深200m)



 平成24年8月上旬の水温分布図(水深200m)では、能登半島沖・加賀沖とも前年に比べ低めとなっています。猿山岬西方沖と佐渡島北方沖には水温の高い海域が見られます。

石川県主要港の水揚げ状況(8月1日~10日)



・定置網
 マアジ・マサバは前年並み、サワラ(サゴシを含む。)・フクラギ・コゾクラは前年を下回りました。8月に入りコゾクラの盛漁期となりましたが、来遊が遅れ過去5年平均をかなり下回って推移しています。

・まき網
 マイワシは富来港主体に好漁が続きました。6月から8月上旬までの累計は3,000トンで、好漁だった前年をさらに上回りました。ウルメイワシ・マサバは前年を上回り、フクラギ・マアジ・クロマグロは前年を下回りました。
・底びき網・ごち網
 大和堆周辺海域で操業する沖合底びき網のアマエビは前年を上回りました。

2012年8月10日金曜日

調査船白山丸によるホッコクアカエビ(甘えび)分布量調査結果

 調査船白山丸は7月24日から26日に金沢沖の水深400~500mの海域でホッコクアカエビ(アマエビ)の分布量調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150㎝×横220㎝のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、稚エビの分布を調べています。

 2011年8月に頭胸甲長10mm付近にみられた2010年生まれの卓越年級群(発生量の多い群れ)は、本調査では同15mm付近に成長していることが分かりました。さらに、今回新たに頭胸甲長10mm付近に2011年生まれの卓越年級群の発生が確認されました。2010年生まれ群の分布量は2006年以降に生まれた群の中で最も多く、さらに2011年生まれ群の分布量は2010年生まれ群に匹敵する水準でした。従って、これらの卓越年級群が漁獲サイズに成長する2014年以降、漁獲量は増加すると予想されます。

 卓越年級群をうまく利用して、漁獲量や漁獲金額の増加につなげるには、漁獲サイズ未満の稚エビを保護するとともに小型エビの漁獲をひかえることが大切です。漁業者の皆様には、小型個体が多く入網する海域での操業をひかえるか網目拡大して資源の有効利用に努めていただきますようお願いします。
(海洋資源部 四方崇文)

平成24年度 大型クラゲ情報 第2号

 8月6日までに、独立行政法人水産総合研究センターがとりまとめた大型クラゲの出現と予測に関する情報は次のとおりです。


(出現状況)
・本年の出現量は、昨年度および一昨年度より多いものの、大量出現があった平成21年度と比べて少ない状況です(黄海における出現密度は大量出現があった平成21年度の約1/5)。

・7月下旬に行われた日中フェリーでの目視調査では、黄海中央部から済州島南沖のほぼ全域で出現が認められ、済州島付近に高密度の分布域を確認しました。

・対馬海峡では7月18日に日韓フェリーの目視調査で初確認がありました。その後は、主に対馬西水道で出現が継続しています。

・7月末以降、対馬各地の定置で数個~最大46個の入網がみられています。

・7月下旬に山口県、島根県、鳥取県の調査船が、対馬東方から隠岐島西方海域で行った分布調査では出現が確認されませんでした。8月6日現在、山陰海域では出現が確認されていません。

(移動予測)
・黄海から東シナ海に出現している個体は、8月中旬以降も引き続き、主に対馬海峡西水道から日本海に流入する可能性があります。

・これらは、韓国東岸を北上した後、南下しながら分布を東方へ拡大し、その一部は8月中旬頃に丹後半島沖合に達する可能性があります。

※今後8月下旬頃には本県沿岸に大型クラゲが来遊する可能性があります。今後の情報にご注意ください。

マイワシの体重組成・脂質含量

7月31日に中型まき網で水揚げされたマイワシの体重は90g~160g台の範囲で、平均は131gでした。130g台にモードを持つ大羽(2歳以上)主体に100g台の中羽(1歳)もみられました。


 脂質含量は13.2%~16.8%の範囲で、脂の十分乗ったマイワシの水揚げが続いています。

 マイワシの測定・分析は、職場体験で当センターに来られた能登中学校2年生の生徒さん(潟渕君・新谷さん・平田さん・諸角君)に手伝いをしていただきました。また、マイワシの測定用サンプルは県漁協西海支所から提供していただきました。ありがとうございました。

石川県主要港の水揚げ状況(7月21日~31日)

・定置網
 マアジ・フクラギ・コゾクラは前年を下回り、トビウオ類は前年並みでした。
・まき網
 マイワシは、富来港・輪島港主体に好漁が続いています。
・底びき網・ごち網
 大和堆周辺海域で操業する沖合底びき網のアマエビは前年並みでした。

沿岸観測ブイの水温(8月3日~7日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)

  8月3日~7日の平均水温は25.0℃~28.2℃で、7月下旬に比べ2.2℃上昇しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。

・港内水温(水深1.5m)
 8月3日~7日の平均水温は28.3℃~31.5℃で、7月下旬に比べ約4.2℃上昇しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めで、橋立港と石崎港では過去30年間で最も高い値を記録しました。
 石崎港内の水温は、7月中旬まで過去5年平均並みでしたが、7月下旬以降、急速に昇温し、平均に比べ3℃以上高めで推移しています。

 新潟地方気象台が8月3日に発表した「高温に関する異常天候早期警戒情報(北陸地方)」によると、8月10日頃からの約1週間は気温が平年よりかなり高くなる(平年差2.2℃以上)と見込まれており、沿岸水温も引き続き高めで推移すると思われます。また、高気温により熱中症の危険が高まりますので、漁労作業時等の健康管理には十分ご注意願います。





2012年8月6日月曜日

沿岸観測ブイの水温(7月22日〜26日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)
7月22日〜26日の平均水温は22.5℃〜25.5℃で、7月中旬に比べ1.5℃上昇しまし
た。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。

・港内水温(水深1.5m)
7月22日〜26日の平均水温は24.5℃〜28.1℃で、7月中旬に比べ約1.8℃上昇しまし
た。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。
石崎港内の水温は、7月中旬まで過去5年平均並みで推移しましたが、その後は急速に
昇温し、水温がかなり高かった前年並みとなっています。

新潟地方気象台が7月27日に発表した「高温に関する異常天候早期警戒情報(北陸地
方)」によると、8月1日からの約1週間は気温が平年よりかなり高くなる(平年差2.4℃
以上)と見込まれており、沿岸水温も引き続き高めで推移すると思われます。また、
高気温により熱中症の危険が高まりますので、漁労作業時等の健康管理には十分ご注
意願います。

2012年8月1日水曜日

石川県周辺海域の表面水温(7月31日)

 石川県周辺海域の表面水温は24℃〜25℃台の水域が広がっています。過去5年平均
水温と比較すると、沿岸域は全域で高めとなっています。

「平成24年度第2回日本海海況予報」の概要

 日本海沿岸の道府県水産研究機関と水産総合研究センター日本海区水産研究所がと
りまとめた日本海海況予報が以下のとおり発表されました。

今後の見通し(平成24年7月〜9月)
(1) 対馬暖流域の表面水温は、"やや高め"〜"かなり高め"で経過する。
(2) 対馬暖流域の50m深水温は、日本 海西部及び北部とも"やや高め"で経過す
る。
(3) 能登半島西方の暖水域は、北東に移動して佐渡島西方に分布する。隠岐諸島北
西、能登半島西方に新たな暖水域が形成される。
(4) 島根沖、山陰・若狭沖、佐渡島沖の冷水域の張り出しは、平年並みで経過する。