独立行政法人水産総合研究センターが8月20日に発表した情報、並びに漁業情報サービスセンターが8月12~22日に取りまとめた情報は下記のとおりです。
国際フェリーによる目視調査 下関・青島航路で8月3~6日に実施した調査では、黄海の出現量(平均密度)は0.04個体/100m2であり、前回(7月20~23日)の0.32個体/100m2、前年同期の0.20個体/100m2を下回りました。博多・釜山航路で8月15日に実施した調査では、対馬海峡西水道の出現量は0.0015個体/100m2であり、前回(7月30日)の0.0068個体/100m2を下回り、前年同期(0.0023個体/100m2)と同水準でした。
漁業操業時の確認情報 長崎県と島根県の定置網では8月8~14日に1~10個体(傘径30~60cm)が入網しました。兵庫県浜坂の定置網では8月18日に1個体が入網しており、沿岸域の分布の東端は兵庫県付近にあると考えられます。沖合域の大和堆の底曳網(福井県三国沖合底曳網漁船)では8月19日に4~5回の曳網で15~16個体の入網が確認されています。
大型クラゲの漂流予測 対馬海峡の7月中下旬の調査結果に基づく予測によると、対馬海峡西水道を通過した大型クラゲの多くは朝鮮半島沿いを北上した後、大和堆付近に向かい、その一部が南下して隠岐諸島周辺から沿岸を移動し、8月下旬から9月上旬に丹後~能登の沿岸に達する見込みです。
以上のように、現在、黄海や対馬海峡付近の分布密度は前年と同程度か前年を下回っています。しかし、大和堆でまとまった入網が報告されていること、大和堆付近に分布する大型クラゲが8月下旬から9月上旬に丹後~能登の沿岸に達すると見込まれること、過去(2007年)には10月頃になって山陰や北陸沿岸に大量出現したケースもあることから、引き続き大型クラゲの動向に十分な注意が必要です。今後も大型クラゲの出現に関する情報が入りしだい、その内容をお知らせします。
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