2014年6月30日月曜日

調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:6月19日~26日)

スルメイカの資源状況を調べるため、現在、日本海側道県研究機関と独立行政法人水産総合研究センターの試験船が共同してスルメイカ漁場一斉調査を行っています。石川県水産総合センターの調査船白山丸は6月19日から26日に能登半島沖~大和堆周辺海域の定点でイカ釣り調査を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)の平均値は、大和堆周辺海域で43.0尾と高く、昨年(23.7尾)および過去5年平均(22.6尾)を大きく上回り、大和堆周辺海域にスルメイカが多く分布していることが明らかになりました。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は22.0cmであり、昨年(21.1cm)および過去5年平均(21.0cm)を上回りました。7月下旬に水産総合研究センターから漁場一斉調査の全体結果と8~12月の漁況の見通しをまとめた「日本海スルメイカ長期予報」が公表されます。本情報でもその概要をお知らせする予定です。

ホシセミホウボウが獲れました!


6月25日に能登町の定置網で奇妙な姿の魚が漁獲されました。翼のように大きな胸鰭、尖った鱗で覆われた体、棘のあるヘルメットをかぶったような固く鋭い頭、アンテナのように長い背鰭棘、飛行機を連想させる姿です。この魚はセミホウボウ科のホシセミホウボウです。南日本・東シナ海・南アフリカの大陸棚の砂泥底に生息し、主に甲殻類を餌としています。日本海でも稀に採捕されることがあり、山口県や新潟県でも採捕された記録があります。石川県では、2000年11月21日(能都町市場)、2002年10月4日(能登町赤崎沖)にそれぞれ1個体採捕されています(のと海洋ふれあいセンター標本記録より)。南方系の魚であり、日本海に迷い込んだものが稀に漁獲されるものと考えられます。
 

石川県周辺海域の水温 (期間:6月21日~25日)

沿岸観測ブイの今期の水温(深度10m)は19.5~21.3℃で、前年同時期との差は-2.5~-0.6℃、過去3年平均との差は-0.9~+1.2℃でした。本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は19~21℃程度であり、過去5年平均との差は-1.0~+0.5℃程度です。






 

石川県主要港の水揚状況 (期間:6月1日~15日)

定置網 フクラギは前年を上回りましたが、サワラ・サゴシ・フグ類・トビウオ・マアジ・スルメイカ・サバ・ガンド・ブリ・マイワシは前年を下回りました。

まき網 マイワシは837トン水揚げされ、前年を上回りました。マアジ・フクラギも前年を上回りましたが、カタクチイワシ・ウルメイワシは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 マダラは前年を上回りましたが、ニギス・アカガレイなどは前年を下回りました。

刺し網・釣り・小型いか釣り・その他 ベニズワイガニは前年並みでしたが、サザエ・カワハギ・ガンドなどは前年を下回りました。スルメイカの30尾入りと40尾以上入りは前年を上回りましたが、20尾入りと25尾入りは前年を下回り、全体としては前年を下回りました。

2014年6月13日金曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:6月6日~10日)

沿岸の海面水温 6月10日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は17~19℃台であり、過去5年平均との差は-0.5~+1.0℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は17.8~19.4℃で、5月下旬から約2.2℃上昇しました。前年同時期との差は-0.9~+0.5℃、過去3年平均との差は-0.3~+0.8℃でした。

港内の水温 今期の水温は19.9~23.1℃で、前年同時期との差は-0.3~+1.4℃、過去3年平均との差は+1.2~+1.5℃でした。

小型いか釣りのスルメイカ水揚状況 (期間:5月1日~6月9日)

小型いか釣り漁船によるスルメイカの水揚げも中盤になっています。漁期開始の5月上旬には水揚げが少なく、魚体も小型であり、漁模様が心配されましたが、その後、順調な水揚げが続いています。

5月1日から6月9日の県内水揚量は1,554トンであり、前年同時期(1,992トン)を下回っているものの過去5年平均(1,450トン)をやや上回っています。また、6月以降の水揚量は前年をやや上回っています。

5月中旬まで主な漁場は富来沖であり、スルメイカの大部分が西海港と門前港に水揚げされていました。5月下旬以降、漁場は猿山岬沖から金沢沖に広がり、金沢港への水揚げも増加しています。

5月上旬に水揚げされたスルメイカの大部分は40尾以上入りでしたが、5月中旬以降、30尾入りと25尾入りの水揚げが増加し、魚体は徐々に大きくなっています。しかしながら、6月以降も過去5年平均に比べて40尾以上入りと30尾入りの割合がやや高く、魚体
の小さい状況が続いています。

石川県主要港の水揚状況 (期間:5月16日~31日)

定置網 フクラギは566トン水揚げされました。5月上旬からの累計は861トンであり、前年(114トン)および過去5年平均(137トン)を上回っています。ガンド・マダイは前年を上回りましたが、サバ・フグ類・マイワシ・ブリ・スルメイカは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 アマエビは55トン水揚げされました。3月上旬からの累計は198トンであり、前年(158トン)および過去5年平均(145トン)を上回っています。マダラは前年を上回り、アカガレイは前年並み、ニギス・ハタハタは前年を下回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) ヤナギバチメ・カワハギは前年を上回り、ベニズワイガニ・マダイ・ガンドは前年並み、イワガキ・サザエは前年を下回りました。