2015年7月27日月曜日

日本海スルメイカ長期予報 (予報期間:8月~12月)

資源状況 スルメイカ漁場一斉調査が6月下旬から7月上旬に行われました。石川県の調査船白山丸の他、北海道から鳥取県の7道県と日本海区水産研究所の調査船が合計49定点でイカ釣り操業を行い、スルメイカの分布状況や魚体サイズ(外套長)を調べました。全調査点の釣機1台1時間当たりの釣獲尾数(CPUE)の平均値が資源量の指標になります。今年の平均CPUEは14.6尾であり、前年(28.8尾)および過去5年平均(18.3尾)を下回りました。この結果から、今年の資源量は前年および過去5年平均を下回っていると判断されます。

分布状況と魚体サイズ 本州沖合や北海道沿岸ではCPUEが50尾以上の分布密度の高い調査点がありました。本州沖合では外套長19 cm以上の個体、北海道沿岸では同19cm未満の個体が多く分布していました。全体では(次頁図)、外套長20cm未満の個体が前年および過去5年平均より少ないことが分かりました。

太平洋側の資源状況 太平洋側に分布するスルメイカは10月以降、宗谷海峡および津軽海峡を経由して日本海に来遊します。このため、太平洋側のスルメイカの分布状況は10月以降の日本海の漁況に影響します。太平洋スルメイカ長期漁況予報によると、8~9月の来遊量は道東太平洋海域では前年を下回り、他の海域では前年並みと予想されています。

漁況の見込み 以上より、日本海全体では今期の来遊量(漁獲量)は前年および過去5年平均を下回ると予想されます。海域別のいか釣り漁業の漁況は以下のように予想されます。

道北・道央:来遊量は漁期を通じて前年・過去5年平均を下回る。
道南・津軽:来遊量は漁期前半は前年・過去5年平均を下回り、後半は過去5年平均並みとなる。
本州北部日本海:来遊量は前年・過去5年平均を下回り、活発な漁場形成はない。
西部日本海:来遊量は前年・過去5年平均を下回り、活発な漁場形成はない。
沖合域:来遊量は前年・過去5年平均を下回る。10月まで道北沖、11月から大和堆付近が漁場となる。

本予報の詳細については下記URLの資料をご覧ください。
日本海スルメイカ長期漁況予報 : http://abchan.job.affrc.go.jp/gk27/20150727_n.pdf
太平洋スルメイカ長期漁況予報 : http://abchan.job.affrc.go.jp/gk27/20150727_t.pdf

石川県周辺海域の海面水温 (期間:7月18日~22日)

本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は23.0~24.5℃程度であり、過去5年平均との差は-1.5~-1.0℃程度でした。今期の沿岸観測ブイの水温(深度10m)は22.4~23.5℃であり、前年同時期との差は-2.4~-0.7℃、過去3年平均との差は-2.1~-1.0℃でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:7月1日~15日)

定置網 サワラ・サゴシはサゴシを主体として263トン水揚げされました。4月上旬から7月中旬までの累計は365トンであり、前年(116トン)および過去5年平均(280トン)を上回りました。
まき網 マイワシ主体の水揚げで、前年を上回りました。
刺網・釣り・その他 ベニズワイガニは前年を上回り、サザエ・マダコは前年を下回りました。
小型いか釣り スルメイカは前年を下回りました。5月1日から7月15日の県内水揚量は1,503トンであり、前年(2,257トン)および過去5年平均(2,586トン)を下回りました。

2015年7月23日木曜日

急潮情報(台風12号)

■本日6時45分発表の気象庁台風情報によれば、台風12号は、27日(月)03時には九州西岸から日本海に入り、28日(火)には、能登半島北西沖に達すると進路予想されています。
■一方、勢力は先の台風11号と比べてやや弱く、気象庁の数値予報(GPV-GSM)でも、能登半島周辺で20m/sを超える風は予想されていません。
■本県沿岸で1ノット以上の急潮が発生する可能性は低いと思われます。
■しかしながら、予報コースは、これまでも大きな被害をもたらせた最も警戒が必要なコースであり、今後、勢力予想が強まれば、急潮が発生する可能性は十分考えられます
■今後の気象情報・急潮情報等に十分注意して、被害防止のため、急潮対策の検討および準備をお願いします。

2015年7月15日水曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:7月6日~10日)

沿岸の海面水温 7月10日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は21~22℃台で、過去5年平均との差は-1.5~-1.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は20.5~21.9℃で、6月下旬から約0.8℃上昇しました。前年同時期との差は-2.4~-0.5℃、過去3年平均との差は-1.7~-0.8℃でした。
港内の水温 今期の水温は21.9~23.9℃で、前年同時期との差は-0.8~-2.0℃、過去3年平均との差は-1.1~-0.5℃でした。

大型クラゲ情報 (期間:6月18日~29日)

国立研究開発法人水産総合研究センターが7月3日に発表した大型クラゲに関する情報は次のとおりです。
日本海 7月3日現在、対馬海峡を含む日本沿岸での出現は確認されていません。
東シナ海 水産総合研究センターの調査船陽光丸は6月26~29日に東シナ海で目視調査を行い、東シナ海西部(上海沖)で大型クラゲの分布を確認しました。東シナ海西部の分布密度は0.0092個体/100m2であり、前年同時期(0.05個体/100m2)を下回りました。
黄海 広島大学は6月18~20日に下関・青島間の国際フェリーで目視調査を行い、韓国南西沖で1個体の大型クラゲを視認しました。黄海全域の分布密度は0.00001個体/100m2であり、前年同時期(0.0005個体/100m2)を下回りました。大型クラゲが大量発生した2009年の分布密度(0.71個体/100m2)を大きく下回っています。

以上の結果から、大型クラゲの分布水準は前年同時期を下回っていると判断されます。水産総合センターでは今後も大型クラゲの出現情報を収集・提供してまいります。大型クラゲの目視情報がありましたら、水産総合センターまでお知らせください。

石川県主要港の水揚状況 (期間:6月16日~30日)

定置網 トビウオは77トン水揚げされました。5月上旬から6月下旬までの累計は197トンであり、前年(96トン)および過去5年平均(149トン)を上回りました。フクラギ・マアジ・ガンド・サワラ・サゴシは前年を上回りました。
まき網 マイワシ・カタクチイワシは前年を上回り、ウルメイワシは前年を下回りました。
底びき網・ごち網 アマエビは95トン水揚げされました。3月上旬から6月下旬までの累計は496トンであり、前年(322トン)および過去5年平均(266トン)を上回りました。ハタハタは前年を上回り、ニギスは前年並みでした。
刺し網・釣り・小型いか釣り・その他 ベニズワイガニ・イワガキ・サザエは前年並み、スルメイカは前年を下回りました。

2015年7月14日火曜日

急潮情報(台風11号-3)

■本日15時00分の気象庁気象情報によれば、台風11号は17日15時には、中心気圧975hPa、最大風速30m/s日本海に入ってくると予想されています。
■その後、北から北北東の進路で、日本海を抜けていくものと予想されています。
■一方、米軍台風情報センターによれば、気象庁より東寄りの日本海のほぼ真ん中を通過する進路予想となっていますが、台風の勢力はかなり弱まるとの予想です。
■上記のような予想どおりであれば、本県沿岸で風速20m/sを超える風や、それに伴う1ノット以上の急潮が発生する可能性は低いと思われます。
■しかしながら、今後の台風進路の急変もありますので、気象情報・急潮情報等に十分注意して、急潮対策の検討・準備を図られるようお願いします。

急潮情報(台風11号-2)

■本日6時00分の気象庁気象情報によれば、台風11号は17日03時には、中心気圧960hPa、最大風速35m/sの強い勢力で西日本に上陸すると予想されています。
■昨日より予想進路がやや西寄りとなりましたが、依然として強い勢力で発達しているため、十分な警戒が必要です。
■本台風が日本海を強い勢力で進んだ場合、外浦海域では、南西風の強まりとほぼ同時に、強い下り潮の発生が予想されます。内浦海域では、南西風のピークから約20時間遅れて、強い上り潮が発生すると予想されます。
■今後の気象情報・急潮情報等に十分注意して、被害防止のため、早めの急潮対策の実施をお願いします。

2015年7月13日月曜日

急潮情報(台風11号)

■本日6時00分の気象庁気象情報によれば、台風11号は、16日03時には四国南方沖合で中心気圧935hPa、最大風速45m/sの非常に強い台風になると予想されています。その後、さらに北上し、17日(金)には本州を上陸し、日本海に抜けると進路予想されています。

■本台風の進路と勢力は、大きな被害を発生させた2004年の台風16号、2005年の台風14号に類似しています。2005年台風14号では、七尾市鹿渡島沖で1.9ノットの上り潮が観測されています。

■本台風が日本海を進んだ場合、外浦海域では、南西風の強まりとほぼ同時に、強い下り潮の発生が予想されます。内浦海域では、南西風のピークから約20時間遅れて、強い上り潮が発生すると予想されます。

■今後の気象情報・急潮情報等に十分注意して、被害防止のため、早めの急潮対策の実施をお願いします。