来遊状況 スルメイカ漁場一斉調査が6月中旬から7月上旬に行われました。石川県の調査船白山丸の他、北海道から鳥取県の7道県と日本海区水産研究所の調査船が合計48定点でイカ釣り操業を行い、スルメイカの分布状況や魚体サイズ(外套長)を調べました。全調査点の釣機1台1時間当たりの釣獲尾数(CPUE)の平均値が来遊量の指標になります。今年の平均CPUEは11.1尾であり、前年(14.6尾)および過去5年平均(18.3尾)を下回りました。この結果から、今年の来遊量は前年および過去5年平均を下回っていると判断されます。
分布状況と魚体サイズ 本州沖合から北海道渡島半島のやや沖合ではCPUEは高く、外套長19cm以上の個体が多く分布していました。本州沿岸ではCPUEは低く、外套長19cm未満の小型個体が主に分布していました。全体では、外套長22cm未満の個体が前年および過去5年平均より少ないことが分かりました。
太平洋側の分布状況 太平洋側に分布するスルメイカは10月以降、宗谷海峡および津軽海峡を経由して日本海に来遊します。このため、太平洋側のスルメイカの分布状況は10月以降の日本海の漁況に影響します。太平洋スルメイカ長期漁況予報によると、8~9月の分布量は常磐~道南海域では前年並み、道東海域では前年を下回ると予想されています。
漁況の見込み 以上より、日本海全体では今期の来遊量(漁獲量)は前年および過去5年平均を下回ると予想されます。海域別のイカ釣り漁業の漁況は以下のように予想されます。
道北・道央:漁期前半の来遊量は前年並みで、過去5年平均を下回る。
道南・津軽:来遊量は前年を上回り、過去5年平均を下回る。
本州北部日本海:来遊量は前年・過去5年平均を下回る。近年同様、好漁場は形成されにくい。
西部日本海:来遊量は前年・過去5年平均を下回る。近年同様、好漁場は形成されにくい。
沖合域:来遊量は前年・過去5年平均を下回る。11月まで道北沖、11月以降は大和堆付近が漁場となる。
本予報の詳細については下記URLの資料をご覧ください。
日本海スルメイカ長期漁況予報 : http://abchan.fra.go.jp/gk28/20160721_n.pdf
太平洋スルメイカ長期漁況予報 : http://abchan.fra.go.jp/gk28/20160721_t.pdf
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