2018年4月27日金曜日

スルメイカの漁況の見通し (予報期間:5月~7月)

石川県沿岸 5月中旬の石川県周辺海域の50m深水温が低い年ほど5~7月のスルメイカの水揚量が多くなる傾向にあります。水温が低いとイカの北上が遅くなり、本県沿岸で長期間にわたって漁場が形成されるためと考えられます。海況数値モデルでは、今年5月中旬の50m深水温は前年並みと予想されています。水温と水揚量の関係式から、今期の小型イカ釣りによる水揚量は2,373トンと見積もられ、前年(2,312トン)および過去5年平均(2,053トン)並みになると予想されます。

日本海沿岸 漁獲加入前のスルメイカ(外套長2~10cm程度)の分布量を調べるため、石川県水産総合センター・富山県水産研究所・日本海区水産研究所は4月に日本海で表層トロール調査を行いました。調査時に外套長5cm以上であったイカが5~7月の漁獲対象になります。外套長5cm以上のイカの調査点当たりの平均採集尾数は11.6尾であり、前年(8.6尾)を上回ったものの過去5年平均(16.5尾)を下回りました。昨年秋の孵化幼生調査では、調査点当たりの平均分布密度は0.12尾と前年(0.13尾)並みに低く、過去5年平均(0.84尾)を下回っており、今期漁獲されるイカの孵化量は資源が低かった1980年代の水準にまで落ち込んでいます。以上から、今期の日本海沿岸への来遊量は前年並みで、過去5年平均を下回ると予想されます。一方、対馬暖流の水温は平年並みと予想されており、主な漁期・漁場は近年同様と考えられます。日本海沿岸の漁況予報(平成30年度第1回日本海スルメイカ長期漁況予報)の詳細については、水産庁の資源評価等推進委託事業のページ(http://abchan.fra.go.jp/)をご覧ください。

石川県周辺海域の海面水温 (期間:4月19日~23日)

沿岸の海面水温 4月23日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は11~13℃台で、過去5年平均との差は±0.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は11.6~14.2℃で、4月中旬から約1.6℃上昇しました。過去3年平均との差は+0.0~+1.3℃でした。
港内の水温 今期の水温は12.3~15.1℃で、前年同時期との差は+0.4~+1.2℃、過去3年平均との差は+0.5~+1.4℃でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:4月1日~15日)

定置網 サバは前年を上回り、カワハギ・マアジ・スルメイカは前年を下回りました。マイワシは1,738トン水揚げされました。2月前半から4月前半の累計は12,261トンで、前年(7トン)および過去5年平均(2,239トン)を上回りました。
まき網 ガンドは前年を上回り、ブリは前年を下回りました。
底びき網・ごち網 ニギスは前年を上回り、アマエビは前年並み、ハタハタ・アカガレイは前年を下回りました。フグ類は110トン水揚げされました。2月前半から4月前半の累計は219トンで、過去5年平均(51トン)を上回りました。
刺網・釣り・その他 アマエビは前年並み、ヤナギバチメは前年を下回りました。

2018年4月13日金曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:4月6日~10日)

沿岸の海面水温 4月10日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は10~11℃台で、過去5年平均との差は±0.0~+0.25℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は10.5~12.3℃で、3月下旬から0.7℃上昇しました。前年同時期との差は-0.6~-0.1℃、過去3年平均との差は-0.5~-0.1℃でした。

港内の水温 今期の水温は10.9~12.2℃で、前年同時期との差は-1.1~-0.3℃、過去3年平均との差は-0.5~-0.4℃でした。

フクラギ漁および寒ブリ漁のまとめ

今期のフクラギ漁(2017年10月~2018年3月、定置網)は、12月に平年(過去10年平均、以下同じ)を上回ったほかは、平年を下回る低調な漁模様となりました。今期の合計水揚量(速報値)は498トンと、平年(568トン)をやや下回りました。

今期の寒ブリ漁(2017年11月~2018年3月、定置網)は、11月中旬から本格的に始まりましたが、期間を通じて低調に推移しました。今期の合計水揚量(速報値)は281トン(約40,000尾)と平年(583トン)の約半分となりました。サイズ別の尾数を見ると、大ブリ(7kg以上)と中ブリ(7kg未満)が概ね半々でした。しかし、体重10kgを超えるサイズのものは約1,300尾とわずかな水揚げに終わりました。

冬期のスルメイカ漁のまとめ (期間:2018年1月~3月)

今期の定置網による水揚量は373トンであり、昨年(145トン)を上回り、過去5年平均(484トン)を下回りました。漁海況情報392号では、今期の水揚量は過去5年平均を上回ると予想しましたが、予想を下回りました。1月の能登・秋田沖の50m深水温は低く、スルメイカの来遊に好適な条件でしたが、漁獲対象である冬生まれのスルメイカの資源量が低位水準となっており、このため予想を下回ったものと考えられます。

石川県主要港の水揚状況 (期間:3月16日~31日)

定置網 マアジ・サバ・スルメイカは前年を上回りました。マイワシは2,705トン水揚げされました。1月前半から3月後半までの累計は10,454トンで、前年(1トン)および過去5年平均(1,586トン)を上回りました。

まき網 ブリ主体の水揚げで、前年を下回りました。
底びき網・ごち網 フグ類は前年を上回り、ニギス・ハタハタ・アマエビは前年並み、アカガレイ・マダラは前年を下回りました。

刺網・釣り・その他 ヤナギバチメ・ブリは前年を上回り、ナマコ・アマエビは前年並み、ベニズワイガニは前年を下回りました。