2019年3月29日金曜日

伝統的な発酵食品「いしる」の魅力

能登の「いしる」は、秋田県の「しょっつる」、香川県の「いかなご醤油」と並ぶ日本三大魚醤油の一つとして知られています。平成27年度の生産量は257トンで、自然食品への関心の高まりや業務用調味料としての需要拡大などにより生産量は過去20年間で3倍に増加しています。
「いしる」の原料は魚介類と食塩のみで添加物は使用しません。約1~3年をかけて自然発酵させることでうま味を作り出しており、うま味の指標となるアミノ酸が大豆こいくち醤油の特級クラス以上に多く含まれています。
また、他の魚醤油に比べ、疲労回復に効果のあるタウリンや、活性酸素の働きを阻止する物質、血圧上昇を抑制する酵素なども多く含まれています。
「いしる」は、能登の気候風土に適した伝統的な製法を守り製造されています。しかし、需要の増加や販路の多様化に伴い生産拡大や品質の安定化など新たな課題への対応も求められています。
当センターではこれまでにも新たな原料を用いた製造技術の開発や、残滓を有効利用するための調味料の開発などに取り組んできました。今後もさらなる研究に取組み生産者を応援していきます。

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