石川県のマイワシの水揚量は長く低迷していました。しかし、近年、増減は大きいものの、水揚量が10,000トンを超える年もみられるようになっています。
日本周辺海域で漁獲されるマイワシには対馬暖流系群と太平洋系群の2つがあり、日本海では主に対馬暖流系群が漁獲されます。対馬暖流系群の資源量は1970年代以降急増し、1988年にピークに達しました。その後、資源量は急速に減少し、2001~2003年には低水準で推移していましたが、2004年以降、増加する傾向にあります。本県のマイワシの水揚量は資源量と同様に増減しており、近年は増加する傾向にありますが、年々の変動が大きいことが特徴です。
そこで、石川県と島根県の水揚量を比較してみました。水揚量は、2017年には石川県で減少、島根県で増加し、逆に、2018年には石川県で増加、島根県で減少しています。これは、マイワシの分布が両年で異なっており、2017年には山陰沖、2018年には能登半島沖に偏って分布していたためと考えられます。また、2014年は両県ともに水揚量が少なく、マイワシは沖合に分布し、沿岸への来遊が少なかったと考えられています。
今年は3月23日からマイワシの漁獲が本格化しています。昨年より9日早く、豊漁であった2018年より43日遅い漁期入りとなりました。今年は1月から太平洋側や山陰沿岸でも好漁となっています。今後も漁況を注視していきます。(白石宏己)
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