2020年7月31日金曜日

日本海スルメイカ長期予報 (予報期間:8月~12月)


来遊状況 スルメイカ漁場一斉調査が6月中旬から7月上旬に行われました。石川県の調査船白山丸の他、北海道から鳥取県の7道県と水産研究教育機構の調査船が合計56定点でイカ釣り操業を行い、スルメイカの分布や魚体サイズ(外套長)を調べました。全調査点の釣機11時間当たりの釣獲尾数(CPUE)の平均値が来遊量の指標になります。今年の平均CPUE14.50尾であり、前年(7.40尾)および過去5年平均(11.02尾)を上回りました。ただし、CPUEが極めて高い定点の影響が大きく、広く分布が見られた2018年以前の状況と異なることから、今年の日本海全体の来遊量は前年を上回るものの、過去5年平均を下回っていると考えられます。

分布状況と魚体サイズ 隠岐諸島から北海道の沿岸ではCPUEは低く、本州北部沖合および北海道沖合では、CPUEが極めて高い定点が数点見られました。例年、比較的小型の個体の多い北海道西沖で18cm以上の大きめの個体が多かったものの、全体としては16cm未満の個体が多く、今年は魚体が過去5年平均に比べ小さいことが分かりました。

太平洋側の分布状況 太平洋側に分布するスルメイカは10月以降、宗谷海峡および津軽海峡を経由して日本海に来遊するため、太平洋側の分布状況は10月以降の日本海の漁況に影響します。太平洋スルメイカ長期漁況予報によると、89月の来遊量は道東太平洋海域、津軽海峡~道南太平洋海域、常磐~三陸海域の全域で前年を上回ると予想されています。

漁況の見込み 以上より、日本海全体では今期の来遊量(漁獲量)は前年を上回り、過去5年平均を下回ると予想されます。海域別の来遊量の予想は以下のとおりです。

道北・道央前年を上回り、過去5年平均を下回る。

道南・津軽前年および過去5年平均を上回る。
 
     本州北部日本海前年同様、夏季に漁場が形成される。

西部日本海近年同様、漁場は形成されにくい。

沖合域前年を上回り、過去5年平均を下回る。11月まで道西沖、それ以降は大和堆付近が漁場となる。

 
      本予報の詳細については下記URLの資料をご覧ください。
      日本海スルメイカ長期漁況予報 http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr2020/20200729_n/
       太平洋スルメイカ長期漁況予報 http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr2020/20200729_t/



 

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