2021年7月15日木曜日

調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:6月14日~21日)

 ■ 調査船白山丸は6月14日から21日に能登半島沖~大和堆周辺海域(日本海中央部)の定点でイカ釣り調査を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は0.02~0.15尾でした。全調査点の平均CPUEは0.06尾と、前年(1.1尾)および過去5年平均(11.9尾)を下回っており、今年6月の日本海中央部におけるスルメイカの分布量は低い水準であったと考えられます。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は18.1cmで、魚体は前年(16.6cm)より大きく、過去5年平均(17.9cm)並みでした。

■ 白山丸の6月調査ではスルメイカの分布密度が低く、沿岸についても6月まで漁獲量は前年を下回って推移しました(漁海況情報477号)。ただし、昨年・一昨年の調査では、夏以降に沖合で分布密度が上昇したことが確認されています。一方、沿岸については、近年、漁期が長く続くようになり、7~8月の漁獲量が大きく増加しており、また、本年も6月下旬には底びき網でもスルメイカが多く漁獲されました。これらのことから、近年、スルメイカの分布・回遊が大きく変化しているものと考えられます。




大型クラゲ情報 (期間:6月14日~7月7日)

■ 水産研究教育機構と漁業情報サービスセンターが7月6日までに発表した大型クラゲに関する情報は以下のとおりです。

日本海 長崎県(主に対馬)の定置網では、6月15日以降、大型クラゲの入網が続いています。入網個体数は、当初、1日当たり数個体(傘径20~40cm)程度でしたが、6月26日以降、1日当たり数個体~300個体(傘径20~80cm)に増加しています。

東シナ海 水産研究教育機構が6月14~20日に行った調査船陽光丸による調査では、大型クラゲ

が目視により58個体(傘径10~60cm)確認されました。

対馬海峡 水産研究教育機構が6月22~23日に行ったフェリーによる目視調査では、博多・対馬間で大型クラゲは確認されませんでした。

■ 今年は長崎県の定置網で早い時期からまとまった入網が見られ、出現個体数が増加傾向にあることから、今後の動向に注意が必要です。水産総合センターでは、大型クラゲの出現情報を収集しています。県内で大型クラゲを見つけたときは当センターにお知らせください。

石川県周辺海域の水温 (期間:7月1日~7月5日)

 ■ 沿岸の海面水温 7月5日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は22.0℃台で、過去5年平均との差は-0.5~+0.5℃程度でした。

■ 沿岸観測ブイの水温 今期の水温は21.8~23.0℃で、6月下旬から1.8℃上昇しました。過去5年平均との差は-0.4~+1.4℃でした。

■ 港内の水温 今期の水温は23.1~27.5℃で、前年同時期との差は+1.2~+4.0℃、過去5年平均との差は+1.2~+3.9℃でした。



石川県主要港の水揚状況 (期間:6月16日~30日)

■ 定置網 マアジ・サバは前年を上回り、トビウオは前年並み、フクラギ・コゾクラ・サワ

ラ・サゴシ・マイワシは前年を下回りました。トビウオは59トン水揚げされました。5月から6

月までの累計は116トンで、前年(85トン)を上回り過去5年平均(132トン)並みでした。

■ まき網 マイワシは前年並みでした。

■ 底びき網・ごち網 スルメイカ・ニギスは前年を上回り、アマエビ・ハタハタは前年並みでした。

■ 刺し網・釣り・その他 サザエ・フグ類は前年を上回り、ベニズワイガニは前年並みでした。

■ 小型いか釣り 30尾入りが主体で、前年を下回りました。 



2021年7月1日木曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:6月16日~20日)

 ■ 沿岸の海面水温 

6月20日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は20~22℃台で、過去5年平均との差は±0.0~+0.5℃程度でした。

■ 沿岸観測ブイの水温 

今期の水温は20.0~20.6℃で、6月上旬から約1.9℃上昇しました。過去5年平均との差は±0.0~+0.6℃でした。

■ 港内の水温 

今期の水温は20.6~23.8℃で、前年同時期との差は+0.0~+1.1℃、過去5年平均との差は+0.3~+1.1℃でした。




小型いか釣りのスルメイカ水揚状況 (期間:5月1日~6月22日)

 ■ 小型いか釣り漁船によるスルメイカ漁は後半に入っています。5月1日から6月22日の県内水揚量は666トンであり、前年(2,475トン)および過去5年平均(1,563トン)を下回って推移しています。

■ 銘柄(1箱当たりの入り尾数)別の箱数割合をみると、今年は20尾入りと25尾入りの割合が28%で、魚体の大きさは前年および過去5年平均よりもやや小さめとなっています。

■ 5月1日から6月20日までの延べ入港隻数は、今年は2,296隻であり、前年(3,242隻)および過去5年平均(3,048隻)を下回っています。同期間の入港1隻当たりの水揚量は、今年は266kgで、前年(731kg)および過去5年平均(435kg)を下回っています。従って、今年の県沿岸へのスルメイカの来遊量は前年および過去5年平均を下回っていると考えられます。6月22日現在、漁場は富来・門前沖にあり、輪島沖や佐渡以北ではまだ本格的な漁場は形成されていない模様です。



石川県主要港の水揚状況 (期間:6月1日~15日)

 ■ 定置網 マアジ・カタクチイワシ・トビウオ・フグ類は前年を上回り、ブリ・サバ・スルメイカは前年を下回りました。マアジは157トン水揚げされました。マアジの4月から6月前半までの累計は403トンで、前年(221トン)を上回り、過去5年平均(422トン)並みでした。

■ まき網 マイワシ・サバ・ウルメイワシは前年を下回りました。

■ 底びき網・ごち網 アマエビ・ニギス・ハタハタは前年を上回り、スルメイカ・マダラは前年を下回りました。ハタハタは40トン水揚げされました。ハタハタの2月から6月前半までの累計は178トンで、過去5年平均(246トン)を下回りました。

■ 刺網・釣り・その他 ベニズワイガニは前年を上回り、ヤナギバチメは前年を下回りました。