■ 国立研究開発法人水産研究・教育機構が8月4日に、一般社団法人漁業情報サービスセンターが8月6日までに発表した大型クラゲに関する情報は次のとおりです。
① 日本海 8月1・2日に大和堆の底びき網に2個体(傘径70~100cm)が入網しました。また、8月3日に壱岐島沿岸の小型定置網に1個体(傘径100cm)が入網しました。
② 対馬海峡 水産研究・教育機構は7月26日に博多・釜山間の国際フェリーで目視調査を行い、対馬海峡東水道で1個体、対馬海峡西水道で397個体の大型クラゲを視認しました。対馬海峡西水道の分布密度は0.049個体/100m2で、前回調査時(0.097個体/100m2)からほぼ半減しました。
③ 東シナ海 7月13~20日の東シナ海西部における分布密度は0.0015個体/100m2であり、前回調査時(6月25~28日)の0.40個体/100m2から大きく減少しました。
④ 黄海 広島大学は7月25~29日に仁川・連雲港間の国際フェリーで目視調査を行い、黄海全域で傘径15~100cmの大型クラゲを視認しました。分布密度は0.07個体/100m2であり、前回調査時(7月11~15日)の0.39個体/100m2から大きく減少しました。観測域が異なるため単純に比較はできないものの、前年同時期の0.36個体/100m2を下回りました。
対馬海峡から日本海への大型クラゲの流入は昨年よりもかなり早く始まり、対馬海峡西水道の分布密度は平成19年とほぼ同程度です。但し、黄海・東シナ海の分布密度は既に低下し、対馬海峡から日本海への流入も減少傾向にあります。一方、既に一定量の大型クラゲが日本海に流入していると考えられ、移動予測計算の結果から、今後は主に沖合域を北上し9月上旬に津軽海峡に到達する見込みです。
■ 今後石川県周辺海域への接近も懸念されることから、十分な注意が必要です。水産総合センターでは今後も大型クラゲの出現情報を収集・提供してまいります。大型クラゲの目視・入網情報等がありましたら、水産総合センターまでお知らせください。