2019年5月31日金曜日

調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:5月8日~16日)

調査船白山丸は5月8日から16日に能登半島沖から日本海中央部(大和堆付近とその南方)でイカ釣り操業を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は日本海中央部では0.0~12.0尾と低く、能登半島沿岸では5.7~155.9尾と比較的高かったことから、調査時点においては、スルメイカの来遊は沖合では少なく、能登半島沿岸では比較的良好と考えられます。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は16.3cmであり、魚体は前年(17.1cm)および過去5年平均(18.4cm)より小さめでした。

小型いか釣りのスルメイカ水揚状況 (期間:5月1日~20日)

本県沿岸の小型いか釣漁船によるスルメイカの水揚げは中盤にさしかかってます。5月1日から5月20日の県内水揚量は260トンで、前年の71トンを上回り、過去5年平均の338トンを下回っています。水揚げは5月上旬は低調でしたが、5月12日以降、上向いてきました。5月21日現在、主な漁場は西海・門前・輪島沖にあります。
 銘柄(1箱当たりの入り尾数)別の箱数割合をみると、今年は30尾入りと40尾以上入りが全体の89%を占めており、前年および過去5年平均に比べて魚体は小さめです。


沿岸の海面水温 5月21日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は16~17℃台で、過去5年平均との差は+0.5~+1.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は15.8~17.6℃で、5月上旬から約1.8℃上昇しました。前年同時期との差は-0.5~+0.7℃、過去3年平均との差は-0.4~+0.7℃でした。
港内の水温 今期の水温は17.0~21.0℃で、前年同時期との差は+0.7~+4.9℃、過去3年平均との差は+0.6~+3.2℃でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:5月1日~15日)

定置網 マイワシ・ガンド・カタクチイワシ・スルメイカは前年を上回り、フグ類は前年並み、ブリ・フクラギ・マアジは前年を下回りました。マダイは16トン水揚げされました。4月前半から5月前半までの累計は33トンで、前年(43トン)および過去5年平均(72トン)を下回りました。
まき網 サバ・マアジ・マダイ等がわずかに水揚げされました。
底びき網・ごち網 ニギス・アマエビは前年を上回り、ハタハタ・アカガレイは前年並みでした。
刺し網・釣り・その他 ベニズワイガニ・サザエ・ガンドは前年並みでした。

リュウグウノツカイではありません・・・

 
5月10日に能登町の定置網から水産総合センターに最近話題になっているリュウグウノツカイに似た魚が獲れたとの報告がありました。そこで、水産総合センターで詳しく調べてみると残念ながらリュウグウノツカイの仲間であるサケガシラ属の幼魚だとわかりました。日本周辺のサケガシラ属にはサケガシラとテンガイハタの2種が存在しますが、幼魚は外見での判別が難しいため、今回はサケガシラ属の1種としました。
 サケガシラ属の仲間とリュウグウノツカイはよく似ていますが、成魚で比べるとリュウグウノツカイは腹びれや頭近くの背びれが大きいことや成魚の大きさが最大で11mと大きくなることなどで容易に見分けられます。しかし、サケガシラ属の仲間の幼魚も背びれや腹びれが大きく、リュウグウノツカイと似た形をしています。そのため、リュウグウノツカイでは?と思われたのかもしれません。(川畑 達)

GWの人気者 シマフグ

 
改元GWでは、当センターに併設する「うみとさかなの科学館」も多くの来館者で賑わいました。来館者に意外と人気があったのが、右の写真の“ふぐ”です。派手な縞模様にふぐ独特の愛らしい泳ぎ方が人気の理由かもしれません。この“ふぐ”その名(標準和名)をシマフグといいます。シマフグは、南の暖かい海域に分布しており、石川県周辺では定置網にごく稀に入網する程度の魚でした。ところが、昨年あたりから急激に数が増えてきて、1日に数百尾以上入網することもたびたび見られます。他の“ふぐ”に比べてまだまだ市場価値は低いですが、ふぐ王国“いしかわ”の新たなメンバーとなるかもしれません。
 「うみとさかなの科学館」(入館料:無料)では、シマフグ水槽を6月限定で展示しております。愛らしく泳ぐ姿を是非ご覧になってくだい。(辻 俊宏)

2019年5月17日金曜日

石川県周辺海域の水温(期間:5月8日~12日)

沿岸の海面水温 5月12日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は14~16℃台で、過去5年平均との差は-0.5~±0.0℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は13.9~15.8℃で、4月中旬から約2.0℃上昇しました。前年同期との差は-0.7~+0.6℃、過去3年平均との差は-0.5~+0.2℃でした。

港内の水温 今期の水温は14.0~16.9℃で、前年同時期との差はー0.7~+0.8℃、過去3年平均との差はー0.3~+0.7℃でした。

小型いか釣りのスルメイカ水揚状況 (期間:5月1日~13日)

県沿岸では今月から県外小型いか釣り漁船の操業が始まりました。5月1~13日の県内のスルメイカ水揚量は65トンであり、前年同時期(18トン)を上回り、過去5年平均(129トン)を下回っています。前年を上回っているものの低調な滑り出しとなっています。漁場は金沢・西海・門前沖で、金沢と西海への水揚げが多く、門前への水揚げは少なめです。
銘柄(1箱当たりの入り尾数)別箱数割合をみると、30尾入りと40尾以上入りが全体の85%を占めており、前年および過去5年平均に比べて魚体は小さめです。

石川県主要港の水揚状況 (期間:4月16日~30日)

定置網 ガンドは前年を上回り、マアジ・マダイは前年並み、ブリ・カワハギ・サバ・フグ類は前年を下回りました。マイワシは1,098トン水揚げされました。2月前半から4月後半の累計は3,064トンで、前年(14,380トン)および過去5年平均(5,266トン)を下回りました。カタクチイワシは235トン水揚げされました。1月前半から4月後半の累計は1,267トンで、前年(103トン)および過去5年平均(330トン)を上回りました。
まき網 水揚げはほとんどな く、マダイがわずかに水揚げされました。
底びき網・ごち網 マダラは前年を上回り、アマエビ・ハタハタ・ニギスは前年並み、アカガレイ・フグ類・ソウハチは前年を下回りました。
刺網・釣り・その他 フクラギ・コゾクラ・ガンドは前年を上回り、イワガキ・ナマコ・フグ類は前年並み、ベニズワイガニは前年を下回りました。ヤナギバチメは輪島を中心に29トン水揚げされました。3月前半から4月後半までの累計は53トンで、前年(88トン)および過去5年平均(71トン)を下回りました。