■ 石川県沿岸の5~7月の小型イカ釣りによるスルメイカの水揚量は海にいるイカの量と水温の影響を受けて増減していると考えられます。5月中旬の50m深水温が佐渡島沖で低いほど、水揚量が多くなる傾向がみられます。これは、春以降の水温上昇とともに能登半島周辺まで北上したスルメイカが佐渡島沖の冷水に進路を阻まれて滞留することで、本県沿岸に漁場が長期間形成されるためと考えられます。
■ 海況数値モデルによると、今年5月中旬の佐渡島沖の50m深水温は過去5年平均より低くなると予測されています。また、水産研究・教育機構が昨年実施した孵化幼生の分布量調査によると、今年漁獲対象となるスルメイカの発生量は過去5年平均を下回ったとされています。発生量および水温と水揚量の関係式からは、今期の小型イカ釣りによる水揚量は2022年並みになると予想されました。しかしながら、今期は震災の影響で石川県沿岸で操業する小型イカ釣漁船の隻数が減少すると見込まれており、実際の水揚量はこの予想を下回ることが見込まれます。
0 件のコメント:
コメントを投稿