2010年9月23日木曜日
調査船白山丸によるスルメイカ分布量調査結果
石川県周辺海域の表面水温(9月21日)
沿岸観測ブイの水温(9月20日)
石川県内主要港の水揚げ状況(9月11日~20日)
2010年9月15日水曜日
「ヒョウモンダコ(有毒)」に注意!!
・ヒョウモンダコは、南日本の岩礁やサンゴ礁に生息する小型のタコですが、今年は長崎県壱岐市、福岡県、兵庫県、福井県など九州北部から日本海西部の海域でも報告されています。
・このタコの唾液にはフグの毒と同じテトロドトキシンという有毒物質が含まれています。咬みつかれたり、食べたりすると、しびれ、血圧低下、呼吸困難などを起こし、死亡することもあります。
・体長は10cmほどの小型のタコで、通常は茶かっ色ですが、興奮させると体全体が黄色に変化し、青いまだら模様が現れることが特徴です。
・石川県沿岸では報告されていませんが、タコ漁などで混獲された場合は不用意にさわって咬みつかれないようご注意ください。また、死んだ後にも毒が残るので、食べたり販売することはできません。
石川県内主要港の水揚げ状況(9月1日〜10日)
○定置網
フクラギは、七尾地区でまとまった水揚げがあり、前年をかなり上回りました。カマス・アオリイカは前年を上回り、マアジは前年を下回りました。
○まき網
金沢港・富来港・七尾港ではフクラギ・ガンド主体、輪島港ではマサバ・マアジ主体で水揚げがありました。
○底びき網
アマエビ・ニギスは金沢港主体、ハタハタは蛸島港主体で、いずれも前年を下回りました。台風等の影響で出漁隻数が前年を下回ったことから(延べ出漁隻数は前年比67%)、底びき網解禁後10日間の総水揚げ量は前年の80%となりました。
○その他
刺し網ではウマズラハギ(かわはぎ)が前年並み、釣りではタチウオが前年を上回りました。
沿岸観測ブイの水温(9月12日)
○各観測点の水温は、9月に入り28℃台へ低下しましたが、引き続きかなり高めで推移しています。
○9月12日の沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、加賀沿岸・能登半島外浦沿岸では27.9℃〜28.4℃で、過去3年の平均水温に比べ2.6〜3.2℃高めとなりました。内浦海域では28.5℃〜28.9℃で、過去3年の平均水温に比べ2.9〜3.2℃程度高めとなりました。
○港内水温(水深1.5m)は、いずれの観測点も9月7日まで30℃以上で推移しましたが、8日の台風9号通過後に低下し、28.3〜29.5℃となりました。過去3年の平均水温に比べ2.8〜3.3℃高めとなりました。
石川県周辺海域の表面水温(9月12日)
○加賀沖から能登半島外浦沖の海域では26℃以上の水域が広がっています。
過去5カ年の平均水温と比較すると、全域で高めとなっていますが、能登半島西方から北方沖の海域で特に高めとなっています。
○内浦海域では27℃以上の水域が広がっており、過去5カ年の平均水温と比較すると、高めとなっています。
調査船白山丸によるホッコクアカエビ(甘えび)分布量調査結果
調査船白山丸は8月3日から5日に金沢沖の水深400〜500mの海域でホッコクアカエビ(甘えび)の分布調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150�×横220�のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、商品サイズ未満(頭胸甲長20mm未満)の稚エビの分布状況を調べています。
今回の調査では、頭胸甲長16mm付近に2008年生まれの卓越年級群(資源豊度の高い発生群)が確認されました(図参照)。この年級群は2009年8月の調査では頭胸甲長11mm付近にみられ、その後、順調に成長しており、来年(2011年)秋以降に漁獲サイズに達します。従って、2011年秋以降、漁獲量の増加が期待されます。
今年9月から来年6月の底びき網操業では、この卓越年級群の一部が商品サイズ未満で入網することが予想されます。漁業者の皆様におかれましては、稚エビの入網が多い海域での操業をひかえるか網目拡大して稚エビ保護に努めていただきますようお願いします。
2010年9月3日金曜日
石川県周辺海域の表面水温(9月2日)
過去5カ年の平均水温と比較すると、全域で高めとなっていますが、能登半島西方沖
には暖水の渦があり、この海域では特に高めとなっています。
○内浦海域では27.5℃以上の水域が広がっており、過去5カ年の平均水温と比較
すると、高めとなっています。
調査船白山丸によるスルメイカ分布量調査結果
日本海沖合でイカ釣り試験操業を行いました。
スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は54.3
〜1.1尾(平均:20.3尾)でした(表参照)。昨年および一昨年の同時期調査では、
CPUEの平均はそれぞれ102.6尾および66.8尾であったことから、調査時点における日
本海中央部へのスルメイカの来遊量は少ないと判断されます。
今年は沖合(大和堆付近)への対馬暖流の張り出しが強く、試験操業海域の表面水
温(平均:26.1℃)も過去5ヵ年の同時期調査(平均:23.4℃)に比べて高いことが
特徴でした。
スルメイカは日本海沖合では冷水域側に主に分布します。従って、スルメイカの分
布域が北に偏っていると推測され、このことが日本海中央部への来遊がまだ少ない原
因と考えられます。
有毒魚「ソウシハギ」に注意
・8月下旬に石川県沿岸でソウシハギが獲れたとの報告がありました。
・この魚は肝臓や消化管にパリトキシンという有毒物質があり、間違って食べた場
合、筋肉痛、しびれ、呼吸困難、不整脈などを起こし、死亡することもあります。
・ウマヅラハギ(かわはぎ)やウスバハギ(うまづら)に似ていますが、体全体に青
いまだら模様があり、尾びれが大きく長いことから、見分けることは容易です。
・今後も、石川県沿岸全域で混獲される可能性がありますので、食べたり販売したり
することがないようご注意願います。(海洋資源部 西田剛)
沿岸観測ブイの水温(9月1日)
○9月1日の沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、加賀沿岸・能登半島外浦沿岸で2
8.4℃〜29.6℃で、過去3年の平均水温に比べ2.0〜3.6℃高めとなりま
した。内浦海域では29.4℃〜30.1℃で、過去3年の平均水温に比べ3.5〜
3.9℃程度高めとなりました。
○港内水温(水深1.5m)は、いずれの観測点も30℃以上で、過去3年の平均水
温に比べ3.3〜4.4℃高めとなりました。
石川県内主要港の水揚げ状況(8月21日〜31日)
コゾクラは、七尾地区でまとまった水揚げがあり、8月中旬に続き前年をかなり上
回りました。シイラ・カマスは前年を上回り、マアジ・フクラギは前年を下回りまし
た。
○まき網
金沢港・富来港・七尾地区ではフクラギ・ガンドの水揚げがあり、いずれも前年並
みでした。
○その他
刺し網ではサザエが前年並み、釣りではウスメバル(やなぎばちめ)が前年を上回
りました。