2019年12月26日木曜日
石川県周辺海域の海面水温 (期間:12月14日~18日)
沿岸の海面水温 12月18日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は15~16℃台であり、過去5年平均との差は±0.0~+0.5℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は15.4~16.1℃で、12月上旬から約0.8℃低下しました。前年同時期との差は-1.1~-0.6℃、過去3年平均との差は-0.1~+0.1℃でした。
港内の水温 今期の水温は11.5~15.6℃で、前年同時期との差は-1.0~+0.4℃、過去3年平均との差は+0.0~+0.6℃でした。
石川県主要港の水揚状況 (期間:12月1日~15日)
まき網 ブリは前年を上回りました。
底びき網・ごち網 アマエビ・ニギス・アカガレイは前年を上回りました。ズワイガニは19トン、コウバコは8トン水揚げされました。11月前半から12月前半までの累計はズワイガニが88トン、コウバコが72トンで、ズワイガニは前年(101トン)および過去5年平均(109トン)を下回り、コウバコは前年(94トン)および過去5年平均(126トン)を下回りました。
刺網・釣り・その他 ベニズワイガニ・スルメイカは前年を上回り、マダラは前年を下回りました。マダラは輪島を中心に25トン水揚げされました。11月前半から12月前半までの累計は172トンで、前年(176トン)並みで過去5年平均(155トン)を上回りました。
珍しい魚が獲れました !!
今年、石川県で採集された珍しい魚を紹介します。
まずは能登町沖で採集された「トクビレ」について紹介します。この魚は北海道など北の地域では一般的な魚で、ハッカクやサチなどの地方名で親しまれています。体には鱗がなく、硬い皮で覆われており、オスは写真のような大きく綺麗なヒレを持っています。トクビレの身は白身で脂がのり、刺身や塩焼きなどどんな料理にしても美味しく、高級魚として知られています。石川県では刺網で稀に漁獲されますが、市場には滅多に出回らない魚です。もし売られているのを見かけましたらぜひ食べてみてください。
次に、七尾市沖で採集されたハモの仲間である「スズハモ」です。この魚は写真を見てわかるようにかなり大きく成長することが知られており、写真の個体は2mを超えていました。一般に知られているハモとよく似ていますが、肛門より前の背びれの棘の数が60本以下であることや背骨の数が142個以下であることなどで見分けられます。これだけ大きいので食べ応えがありそうですが、体中に細く硬い骨が散在しており、ハモで馴染みのあるかば焼きでは食べにくかったです。しかし、すり身にして蒲鉾や薩摩揚げにするととても美味しく食べられました。今回の個体は全部食べ切るのに1週間以上かかりました。
最後に、金沢市沖で採集された「ミナミクルマダイ」です。この魚の日本海側での採捕報告はなく、初めての記録になりました。石川県でよく獲られるチカメキントキと似ていますが、体が全体的に丸いこと、体に横縞があること、ヒレの縁が黒いことで見分けられます。この種は太平洋や南シナ海などで稀にしか見つからず、その生態はよくわかっていません。写真の個体は金沢の底びき網によって漁獲されました。市場で見かけた時はそれほど珍しい魚だと思わず、写真しか撮りませんでした。しかし、その後で貴重な魚だと気づいた時にはすでに見つからず、標本として採集できなかったことを後悔することになりました。
ミナミクルマダイのような珍しい魚は毎年見つかっており、石川県では過去に新種も発見されています。もし、初めて見た魚、いつもと模様や形が違う魚を発見されましたら、ぜひ水産総合センターまでご連絡ください。
(川畑 達)
(川畑 達)
2019年12月17日火曜日
スルメイカの漁況の見通し (予報期間:来年1月~3月)
スルメイカには秋生まれ群と冬生まれ群があり、冬に定置網で漁獲されるスルメイカは主に冬生まれ群です。定置網による水揚量は年変動が大きく、これには海水温が関係しています。過去17年間の1~3月の水揚量と1月の50m深水温の関係を調べたところ、能登半島北沖と秋田県西沖の平均水温が低いほど、水揚量が多い傾向がみられました。また、近年、冬生まれ群の資源量が減少しており、これにともない水揚量も減少する可能性があります。
海況数値モデル(日本海区水産研究所)によると、来年1月の能登・秋田県沖の50m深平均水温は過去5年平均並みになると予測されています。しかし、今年の冬生まれ群の資源量は前年並みに少なく、過去5年平均を大きく下回っています。この水温と資源量に基づいて、来年1~3月の定置網による水揚量を予測したところ、270トンと見積もられました。従って、今期の定置網による水揚量は2019年(294トン)並みで、過去5年平均(416トン)を下回ると予想されます。
海況数値モデル(日本海区水産研究所)によると、来年1月の能登・秋田県沖の50m深平均水温は過去5年平均並みになると予測されています。しかし、今年の冬生まれ群の資源量は前年並みに少なく、過去5年平均を大きく下回っています。この水温と資源量に基づいて、来年1~3月の定置網による水揚量を予測したところ、270トンと見積もられました。従って、今期の定置網による水揚量は2019年(294トン)並みで、過去5年平均(416トン)を下回ると予想されます。
石川県周辺海域の海面水温 (期間:12月6日~10日)
沿岸の海面水温 12月10日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は15~17℃台であり、過去5年平均との差は―0.5~+1.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は16.2~16.6℃で、11月中旬から約2.8℃低下しました。前年同時期との差はー1.3~―1.0℃、過去3年平均との差は―0.6~+0.0℃でした。
港内の水温 今期の水温は11.9~16.3℃で、前年同時期との差は―1.1~-0.7℃、過去3年平均との差は―1.0~+0.2℃でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は16.2~16.6℃で、11月中旬から約2.8℃低下しました。前年同時期との差はー1.3~―1.0℃、過去3年平均との差は―0.6~+0.0℃でした。
港内の水温 今期の水温は11.9~16.3℃で、前年同時期との差は―1.1~-0.7℃、過去3年平均との差は―1.0~+0.2℃でした。
石川県主要港の水揚状況 (期間:11月16日~30日)
定置網 ヒラマサ・カタクチイワシは前年を上回り、サワラ・サゴシ・フクラギ・コゾクラ・ソウダガツオは前年並み、シイラ・マアジ・ブリ・カマスは前年を下回りました。カマスは9トン水揚げされました。9~11月の合計は53トンで、前年(126トン)および過去5年平均(314トン)を下回りました。アオリイカは29トン水揚げされました。11月の合計は55トンで、前年(52トン)並みで、過去5年平均(67トン)を下回りました。
まき網 ブリは前年を上回り、マアジ・フクラギ・コゾクラ・サバは下回りました。
底びき網・ごち網 アマエビ・ニギス・マダラは前年を上回り、ズワイガニ・コウバコ・アカガレイは前年を下回りました。
刺網・釣り・その他 ベニズワイガニは前年を下回りました。マダラは94トン水揚げされました。11月の合計は147トンで、前年(133トン)をやや上回り、過去5年平均(103トン)を上回りました。
まき網 ブリは前年を上回り、マアジ・フクラギ・コゾクラ・サバは下回りました。
底びき網・ごち網 アマエビ・ニギス・マダラは前年を上回り、ズワイガニ・コウバコ・アカガレイは前年を下回りました。
刺網・釣り・その他 ベニズワイガニは前年を下回りました。マダラは94トン水揚げされました。11月の合計は147トンで、前年(133トン)をやや上回り、過去5年平均(103トン)を上回りました。
2019年12月2日月曜日
ズワイガニの水揚げ状況 (期間:11月6日~24日)
11月6日にズワイガニ漁が解禁されました。橋立港・金沢港・輪島港・蛸島港の解禁後19日間の水揚量は雄ガニ(加能ガニ):58.1トン、雌ガニ(香箱):55.1トンでした。
水揚量の前年同期比は雄ガニ:81%、雌ガニ:71%であり、雄ガニ・雌ガニとも前年を下回りました。同過去5年平均比は雄ガニ:79%、雌ガニ:56%であり、雄ガニ・雌ガニとも過去5年平均を下回りました。
出漁隻日当たりの水揚量の前年同期比は雄ガニ:112%、雌ガニ:98%であり、雄ガニは前年を上回り、雌ガニは前年並みとな
りました。同過去5年平均比は雄ガニ:123%、雌ガニ:87%であり、雄ガニは過去5年平均を上回り、雌ガニは同平均を下回りました。長期的な傾向を見ると、雄ガニに関しては隻日あたりの水揚量は安定的に推移しています。
水揚量の前年同期比は雄ガニ:81%、雌ガニ:71%であり、雄ガニ・雌ガニとも前年を下回りました。同過去5年平均比は雄ガニ:79%、雌ガニ:56%であり、雄ガニ・雌ガニとも過去5年平均を下回りました。
出漁隻日当たりの水揚量の前年同期比は雄ガニ:112%、雌ガニ:98%であり、雄ガニは前年を上回り、雌ガニは前年並みとな
りました。同過去5年平均比は雄ガニ:123%、雌ガニ:87%であり、雄ガニは過去5年平均を上回り、雌ガニは同平均を下回りました。長期的な傾向を見ると、雄ガニに関しては隻日あたりの水揚量は安定的に推移しています。
フクラギの漁況の見通し (予報期間:10月~来年3月)
2019年10月15日発行の漁海況情報436号では、10~11月のフクラギの水揚量の見通しをお知らせしました。その後、海況数値モデルの水温予測値が更新されましたので、改めて10~3月の見通しをお知らせします。
11月の富山湾の50m深水温が高いほど盛漁期(10~11月)の水揚量は多く、1月の能登半島北西沖の200m深水温が低いほど越冬期(12~3月)の水揚量は多い傾向がみられます。海況数値モデルによると、今年11月の同水温は過去5年平均並み、来年1月の同水温は過去5年平均より低めになると予想されています。水温と水揚量の関係式から、今期の水揚量は432トンと見積もられ、前年(236トン)を上回り、過去5年平均(409トン)並みになると予想されます。
11月の富山湾の50m深水温が高いほど盛漁期(10~11月)の水揚量は多く、1月の能登半島北西沖の200m深水温が低いほど越冬期(12~3月)の水揚量は多い傾向がみられます。海況数値モデルによると、今年11月の同水温は過去5年平均並み、来年1月の同水温は過去5年平均より低めになると予想されています。水温と水揚量の関係式から、今期の水揚量は432トンと見積もられ、前年(236トン)を上回り、過去5年平均(409トン)並みになると予想されます。
石川県周辺海域の海面水温 (期間:11月16日~20日)
沿岸の海面水温 11月20日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は18~19℃台で、過去5年平均との差は±0.0~+1.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は18.7~19.2℃で、11月上旬から約1.1℃低下しました。過去3年平均との差は+0.3~+1.3℃でした。
港内の水温 今期の水温は16.3~17.2℃で、前年同時期との差は-0.7~-0.1℃、過去3年平均との差は+0.3~+0.9℃でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は18.7~19.2℃で、11月上旬から約1.1℃低下しました。過去3年平均との差は+0.3~+1.3℃でした。
港内の水温 今期の水温は16.3~17.2℃で、前年同時期との差は-0.7~-0.1℃、過去3年平均との差は+0.3~+0.9℃でした。
石川県主要港の水揚状況 (期間:11月1日~15日)
定置網 フクラギ・コゾクラ・シイラ・ソウダガツオ・ヒラマサは前年を上回り、マアジ・アオリイカは前年並み、サワラ・サゴシ・サバは前年を下回りました。カマスは13トン水揚げされました。9月前半から11月前半までの累計は43トンで、前年(110トン)および過去5年平均(242トン)を下回りました。
まき網 ガンド・ブリは前年を上回り、マアジは前年並み、サバは前年を下回りました。
底びき網・ごち網 マダラは前年を上回り、ズワイガニは前年並み、コウバコ・アカガレイ・アマエビは前年を下回りました。
刺網・釣り・その他 スルメイカは前年を上回り、ベニズワイガニ・マダラは前年並み、ヤナギバチメは前年を下回った。
まき網 ガンド・ブリは前年を上回り、マアジは前年並み、サバは前年を下回りました。
底びき網・ごち網 マダラは前年を上回り、ズワイガニは前年並み、コウバコ・アカガレイ・アマエビは前年を下回りました。
刺網・釣り・その他 スルメイカは前年を上回り、ベニズワイガニ・マダラは前年並み、ヤナギバチメは前年を下回った。
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