■ 調査船白山丸は8月18~24日に日本海中央部から北海道沖でイカ釣り操業を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は0~28.2尾でした。日本海中央部の平均CPUEは19.6尾であり、前年(5.3尾)および過去5年平均(14.3尾)を上回りました。定点調査ではないため厳密に比較できませんが、今年8月調査時点の日本海中央部のスルメイカの来遊量は前年および過去5年平均を上回っていると考えられます。一方、北海道沖のスルメイカの来遊量は少ないと考えられます。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は16.7cmであり、前年(21.9cm)および過去5年平均(21.0cm)より魚体は小型でした。
2023年8月31日木曜日
大型クラゲ情報 (期間:7月24日~8月24日)
■ 水産研究・教育機構と漁業情報サービスセンターが8月24日までに発表した大型クラゲに関する情報は以下のとおりです。
日本海 7月25~26日に対馬付近で3個体(傘径:15~20cm)が目視されました。長崎県(対馬)の定置網では、8月21~22日に3個体(傘径:30~80cm)の入網がありました。
対馬海峡 水産研究・教育機構が8月22日に行ったフェリーによる博多・釜山間の目視調査では、2個体(傘径:70cm)が確認されました。
東シナ海 水産研究・教育機構が7月24~29日に行った調査船陽光丸による調査では、目視で1個体(傘径:40cm)が確認されました。
石川県周辺海域の水温 (期間:8月16日~20日)
■ 沿岸の海面水温 8月20日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は27~29℃台で、過去5年平均との差は±0.0~+3.0℃程度でした。
■ 沿岸観測ブイの水温 今期の水温は27.9~28.5℃で、8月上旬から約0.1℃上昇しました。前年同時期との差は+0.1~+0.8℃、過去5年平均との差は+1.0~+2.4℃でした。
■ 港内の水温 今期の水温は28.3~32.2℃で、前年同時期との差は+0.5~+3.6℃、過去5年平均との差は+1.4~+3.7℃でした。
調査船白山丸のアマエビ調査結果(期間:7月26日~28日)
■ 調査船白山丸は7月26~28日に金沢沖の水深375~500mの海域でアマエビ(標準和名:ホッコクアカエビ)の分布量調査を行いました。この調査は、金属枠に袋網をつけた漁具を30分間曳網し、漁獲したアマエビの量や大きさから、今後漁獲対象に成長する小型エビ(若齢エビ)の分布量を調べるもので、夏季と冬季の年2回実施しています。
■ 2歳(2021年生まれ)の1曳網当たりの採捕尾数は447尾と多く、同年級群が漁獲対象に成長する2025年以降に漁獲が上向くと予想されます。1歳(2022年生まれ)の1曳網当たりの採捕尾数も455尾と多く、2025年に続き2026年も良好な漁獲加入が期待できます。
■ 県内主要港の2023年1~7月のアマエビ水揚量は479トン(前年同期比105%)でした。
2023年8月17日木曜日
石川県周辺海域の水温 (期間:8月1日~5日)
■ 沿岸の海面水温 8月5日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は26~28℃台で、過去5年平均との差は-0.5~+0.5℃程度でした。
■ 沿岸観測ブイの水温 今期の水温は26.2~28.3℃で、7月中旬から約2.5℃上昇しました。前年同時期との差は-0.9~+0.8℃、過去5年平均との差は+0.1~+2.3℃でした。
■ 港内の水温 今期の水温は27.5~31.0℃で、前年同時期との差は+0.4~+0.7℃、過去5年平均との差は+0.6~ +1.3℃でした。
小型いか釣りのスルメイカの水揚量 (期間:5月1日~7月31日)
■ 小型いか釣り漁船によるスルメイカの水揚げは終盤を迎えています。5~7月の県内水揚量は235トンで、前年(1,588トン)および過去5年平均(2,279トン)を下回りました。漁海況情報521号では、5~7月の水揚量は過去5年平均並みになると予想しましたが、予想を下回る結果となりました。
■ 20尾入りと25尾入りの銘柄割合は合計56%で、過去5年平均の46%よりも高く、魚体サイズは漁期全体では過去5年平均よりも大きめでした。
■ 5~7月の延べ入港隻数は1,555隻であり、前年(3,322隻)および過去5年平均(4,538隻)を下回りました。今年は前年や前々年と同様に漁場の新潟以北への北上が遅く、7月に入っても本県沿岸で操業が続きましたが、漁期全体を通して入港隻数が少なかったことから、全体の水揚量は過去5年平均を下回りました。
石川県主要港の水揚状況 (期間:7月16日~31日)
■ 定置網 サバ・マアジ・トビウオは前年を上回り、マダイ・クロダイは前年並み、サワラ・サゴシ・フクラギ・コゾクラは前年を下回りました。マアジは33トン水揚げされました。5月から7月の累計は636トンで、前年(440トン)および過去5年平均(449トン)を上回りました。
■ まき網 マイワシ・ウルメイワシは前年を上回り、サバは前年並みでした。マイワシは652トン水揚げされました。5月から7月の累計は1231トンで、前年(1502トン)および過去5年平均(3269トン)を下回りました。
■ 底びき網・ごち網 沖合底びき網のアマエビは前年を上回りました。
■ 刺網・釣り・その他 ベニズワイガニ・サザエは前年を上回り、ヤナギバチメは前年並みでした。
2023年8月2日水曜日
石川県周辺海域の水温 (期間:7月16日~20日)
■ 沿岸の海面水温 7月20日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は23~24℃台で、過去5年平均との差は-2.0~-1.0℃程度でした。
■ 沿岸観測ブイの水温 今期の水温は24.5~25.1℃で、7月上旬から約1.5℃上昇しました。過去5年平均との差は+0.2~+1.0℃でした。
■ 港内の水温 今期の水温は24.6~26.5℃で、過去5年平均との差は-0.8~+0.6℃でした。
日本海スルメイカ長期予報 (予報期間:8月~12月)
■ 水産研究・教育機構、並びに本県を含む北海道から鳥取県の7道県の調査船が6月中旬から7月上旬に日本海の48定点でイカ釣り一斉調査を行い、スルメイカの分布や魚体サイズ(外套長)を調べました。水産研究・教育機構が発表した来遊量の見込みの概要は以下のとおりです。
■ 来遊状況 全調査点の釣機1台1時間当たりの漁獲尾数(CPUE)の平均値が来遊量の指標になります。今年の平均CPUEは0.49尾であり、前年(2.05尾)および過去5年平均(7.87尾)を下回りました。従って、今年の日本海の来遊量は前年および過去5年平均を下回っていると考えられます。
■ 分布状況と魚体サイズ 調査海域の全域でCPUEは低く、スルメイカが高密度に分布する海域はありませんでした。道北・道央では外套長16cm台以下、北部日本海では17~20cm台、西部日本海では21cm台以上の個体の割合が高い傾向がみられました。
■ 太平洋側の状況 10月以降の日本海の漁況に影響する太平洋側のスルメイカの分布状況は前年並みに少ない模様です。
■ 来遊量の見込み 以上の結果から、8~12月の日本海全体の来遊量(漁獲量)は前年および過去5年平均を下回ると予想されます。海域別の予想は以下のとおりです。
道北・道央: 前年および過去5年平均を下回る。
道南・津軽: 前年並みで、過去5年平均を下回る。
本州北部日本海: 前年および過去5年平均を下回る。
西部日本海:前年および過去5年平均を下回る。
沖合域:前年および過去5年平均を下回る。
大型クラゲ情報 (期間:7月4日~7月24日)
■ 水産研究・教育機構と漁業情報サービスセンターが7月24日までに発表した大型クラゲに関する情報は情報は以下のとおりです。
日本海 長崎県五島列島の定置網で7月17日に1個体(傘径:60cm)入網しました。
対馬海峡 水産研究・教育機構が7月4日と7月18日に行ったフェリーによる博多・釜山間の目視調査では、大型クラゲは確認されませんでした。
■ 今のところ大量出現の兆候はみられませんが、今後の動向には注意が必要です。水産総合センターでは、大型クラゲの出現情報を収集しています。県内で大型クラゲを見つけたときは当センターにお知らせください。
石川県主要港の水揚状況 (期間:7月1日~15日)
■ 定置網 サバ・マアジ・アカイカは前年を上回り、マダイは前年並み、トビウオ・フクラギ・コゾクラ・サワラ・サゴシは前年を下回りました。サバは486トン水揚げされました。5月から7月前半の累計は767トンで、前年(853トン)を下回り、過去5年平均(382トン)を上回りました。マアジは90トン水揚げされました。5月から7月前半の累計は601トンで、前年(414トン)および過去5年平均(406トン)を上回りました。
■ まき網 サバ・マイワシ・ウルメイワシは前年を下回りました。
■ 底びき網・ごち網 アマエビは前年を上回りました。
■ 刺し網・釣り・その他 マダコは前年並み、ベニズワイガニ・サザエは前年を下回りました。