2014年3月31日月曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:3月23日~27日)

沿岸の海面水温 3月27日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は8~10℃台であり、過去5年平均との差は-0.5~0.0℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は9.2~9.9℃で、3月中旬から約0.1℃上昇しました。前年同時期との差は-0.8~-0.5℃、過去3年平均との差は-0.4℃でした。

港内の水温 今期の水温は9.6~11.0℃で、前年同時期との差は-0.5~+0.1℃、過去3年平均との差は-0.2~+0.7℃でした。

ズワイガニ漁のまとめ (期間:2013年11月~2014年3月)

2013年漁期(昨年11月~今年3月)の底びき網漁船による県内主要港(橋立港・金沢港・富来港・輪島港・蛸島港・鵜飼港)へのズワイガニの水揚状況は以下のとおりでした。

2013年漁期のズワイガニの水揚量は253トンで、前年(292トン)の86%、過去5年平均(336トン)の75%でした。2011年漁期以降、ズワイガニの水揚量は減少傾向にあります。2013年漁期のコウバコの水揚量は183トンで、前年(190トン)の96%、過去5年平均(214トン)の86%でした。近年、コウバコの水揚量も減少傾向にあります。2013年漁期については、出漁回数が少なく、このことが水揚量の減少に影響したと考えられます。

2013年漁期のズワイガニのキログラム単価は3,564円で、前年(2,945円)および過去5年平均(2,583円)を上回りました。コウバコの単価は1,724円で、前年(1,493円)および過去5年平均(1,394円)を上回りました。2011年以降、ズワイガニとコウバコの単価は上昇傾向にあり、これにより総水揚金額もやや上昇する傾向にあります。

本県の底びき網漁業者は、貴重なズワイガニ資源を保護するためにコウバコの漁期短縮やミズガニの禁漁などの資源管理に積極的に取り組んでいます。このこともあって、2013年漁期は水揚量が減少しましたが、その一方で単価は上昇し、これによって総水揚金額が維持されています。資源管理と漁業経営の両立という好循環が生まれつつあるようです。

石川県主要港の水揚状況 (期間:3月11日~20日)

定置網 カタクチイワシ・サバ・マアジ・フグ類・サワラ・サゴシ・フクラギ・カワハギ・ガンド・ウルメイワシ・マダラは前年を上回りましたが、スルメイカ・マイワシは前年を下回りました。

まき網 フクラギ・マダイは前年を上回りましたが、マイワシは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 ホタルイカは前年を上回り、ハタハタ・マダラは前年並み、アカガレイ・ニギス・ズワイガニ・ミズウオ・アマエビは前年を下回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) ベニズワイガニ・マダラ・カワハギは前年を上回り、アマエビは前年並み、ガンド・バイガイは前年を下回りました。

2014年3月20日木曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:3月10日~14日)

沿岸の海面水温 3月14日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は8~9℃台であり、過去5年平均との差は-0.5~0.0℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は9.1~10.4℃で、3月上旬から約0.3℃低下しました。前年同時期との差は-0.9~0.0℃、過去3年平均との差は-0.8~0.0℃でした。

港内の水温 今期の水温は8.6~9.3℃で、前年同時期との差は-1.5~-0.9℃、過去3年平均との差は-1.1~-0.7℃でした。

サヨリの漁況の見通し (予報期間:3月~5月)

石川県では、季節を代表する水産物を「石川の四季のさかな」としており、春の魚としてサヨリを選定しています。サヨリは2隻の船で網を曳く船曳網漁業により主に3~5月に漁獲されます。

県内主要港の3~5月の船曳網によるサヨリの水揚量は減少傾向にあり、1998年に69.5トンあった水揚量は2013年にはわずか8.1トンに減少しています。水揚量が減少した主な理由として操業隻数の減少があげられますが、春先の沿岸水温も水揚量に影響しています。

2003年以降の船曳網による3~5月の水揚量と2月下旬~3月上旬の宇出津港の水温の推移をみると、水温が低い年には水揚量が少ないことが分かります。近年、宇出津港の水温は低く、このことが水揚量の低迷に関係しているものと考えられます。

今年2月下旬~3月上旬の宇出津港の水温は9.8℃でした。この値を水温と水揚量の関係に当てはめると、今年3~5月の主要港の船曳網による水揚量は10.4トンと見積もられ、前年(8.1トン)を上回るものの過去10年平均(18.7トン)を下回ると予想されます。

石川県主要港の水揚状況 (期間:3月1日~10日)

定置網 カタクチイワシ・マアジ・フグ類・サバ・カワハギ・フクラギ・ウルメイワシなどは前年を上回りましたが、スルメイカ・マイワシは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 ノトエビは前年を上回り、ホタルイカ・アマエビ・アンコウは前年並み、アカガレイ・ニギス・ズワイガニは前年を下回りました。ハタハタの1月上旬から3月上旬の累計は77トンであり、前年(107トン)・過去5年平均(193トン)を下回っています。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) マダラは前年を上回りました。1月上旬から3月上旬の累計は360トンであり、前年(204トン)・過去5年平均(320トン)を上回って推移しています。ベニズワイガニ・アマエビは前年並み、ガンド・ブリは前年を下回りました。

2014年3月10日月曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:3月2日~6日)

沿岸の海面水温 3月6日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は9℃台であり、過去5年平均との差は-1.0~-0.5℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は9.6~9.7℃で、2月下旬から約0.2℃低下しました。前年同時期との差は-0.4~-0.2℃、過去3年平均との差は-0.3~-0.2℃でした。

港内の水温 今期の水温は9.3~9.9℃で、2月下旬とほぼ同じでした。前年同時期との差は-0.3~+0.3℃、過去3年平均との差は-0.2でした。

能登半島北西沿岸の50m深水温の長期変動

3月は1年のうちで水温が最も低くなる月です。石川県水産総合センターでは能登半島北西沖の水温を過去から継続して観測しています。能登半島北西50海里内の沿岸の観測点における50m深水温の長期変動を調べてみました。
1960年代から1980年代には、3月の50m深水温は数年周期で上昇と低下を繰り返していましたが、平年値(1965~2013年の平均)を下回ることが多く、この年代の能登半島沿岸は寒冷でした。1990年代から2000年代には、3月水温は平年値を上回るようになり、能登半島沿岸は温暖になりました。しかし、2010年以降、3月水温は平年値をやや下回って推移しています。

1960年代から2000年代には、水温が上昇し始める5月水温と前述の3月水温に類似した年変動がみられました。しかし、5月水温は2010年以降も平年値より高めで推移しています。従って、近年の特徴として、3月には水温は低めであるものの、春の水温上昇が速やかであることがあげられます。

能登半島沿岸が寒冷であった1980年代には、石川県沿岸ではサクラマスやヤリイカが多く漁獲され、ブリやマアジはあまり漁獲されませんでした。しかし、1990年代以降、能登半島沿岸が温暖となり、サクラマスやヤリイカの水揚げが減少する一方、ブリやマアジの水揚げは増加しました。水温の長期変動は複数魚種の資源量や本県沿岸への来遊に大きく影響すると考えられます。2010年以降、3月の水温は低いものの春以降の水温上昇は速やかです。このような状況がどの魚種の漁獲にどのように影響するのか、今後、注視する必要があります。

石川県主要港の水揚状況 (期間:2月21日~28日)

定置網 サバ・マアジ・フクラギ・カタクチイワシ・カワハギ・マダラなどは前年を上回りましたが、スルメイカ・マイワシは前年を下回りました。マイワシの水揚げはまだ本格的化していません。

まき網 マアジ・サバ・マダイを中心に前年を上回りました。

底びき網・ごち網 アンコウ・マダラ・ノトエビ・アマエビは前年を上回り、ニギスは前年並み、アカガレイ・ハタハタ・ズワイガニは前年を下回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) ガンド・マダラ・フクラギ・ベニズワイガニ・ブリ・ミズダコなどは前年を上回り、ナマコは前年を下回りました。