2013年8月30日金曜日

大型クラゲ情報(8月30日)

石川県沿岸で大型クラゲの来遊が確認されました。

8月28日に羽咋・高松沖でまき網に4個体が入網しました。また、舳倉島では1個体(80cm)が目視されました。これらは、石川県沿岸での今季の初確認情報です。

29日には志賀沖でまき網に3個体、高松沖でごち網に2個体(50cm)、門前定置で1個体(60cm)の入網が確認されました。

23日には京都府(伊根の定置網で2個体)、26日には福井県(南越前町の定置網で1個体)で出現が確認されており、沿岸での分布域の東端は現在石川県付近にあると考えられます。

一方、最近2週間の出現動向をみると、対馬の定置網で1~6個体(100cm前後)、対馬東方海域の底びき網で曳網あたり最大17個体(50~100cm)、島根、鳥取、京都、福井の一部の定置網で1~4個体(30~80cm)の入網が報告されています。

大和堆で操業した沖底船で大型クラゲの入網が報告されたことや、鳥取県が21日に隠岐諸島で実施したトロール調査で、曳網あたり最大8個体(50~80cm)が入網したことなどから、沖合域にも一定量のクラゲの分布があると推測され、底びき網の解禁とともに沖合漁場での大型クラゲの入網が見込まれます。

引き続き大型クラゲの動向に十分に注意願います。

急潮情報(台風15号)

8月30日06時の気象庁情報によれば、東シナ海にある台風15号は今後東向きに進路を変え、九州から山陰沖に向かい温帯低気圧に変わる予想です。

台風が予報円の中心を通過した場合には、9月2日(月曜日)未明に能登半島沖に達すると予想されます(下図実線)。

台風15号の進路や勢力は、平成22年8月の台風4号と類似しています(下図点線)。

台風4号のケースでは、舳倉島で20m/sを超える強い南から西南西の風が吹き、外浦沿岸では最大風速の観測から6時間以内に0.6~1.4ノットの下り潮、内浦沿岸では、9~20時間後に0.5~1.2ノットの上り潮が発生しました。

台風が予想の経路をたどり、能登半島沖の日本海に進んだ場合には、強い南西風が吹き、最大1ノット前後の急潮が発生する可能性があります。

今後の風予報・台風情報に十分注意して早めの防災対策を心がけてください。


2013年8月28日水曜日

石川県主要港の水揚状況 (期間:8月11日~20日)

定置網 マイワシは七尾地区を中心に54トン水揚げされ、前年を大きく上回りました。アカイカ(ケンサキイカ)・カワハギなどは前年を上回り、フクラギは前年並み、マアジ・ヒラマサ・マサバなどは前年を下回りました。
 
まき網 ブリは205トン水揚げされ、前年を上回りました。ガンドは前年を上回り、フクラギは前年並み、マイワシは前年を下回りました。
 
その他(刺し網・釣り・採介藻など) アカイカ(ケンサキイカ)は主に釣り漁業により5トン水揚げされました。7月上旬から8月中旬の累計は13トンで、前年(1.2トン)および過去5年平均(1.2トン)を上回っています。アカイカについては、夏と秋(10~11月)の水揚量に相関関係はなく、秋以降も好漁が続くかどうか明らかでありません。サザエ・ハタハタ・ベニズワイガニなどは前年を下回りました。
 
 

石川県周辺海域の海面水温 (期間:8月22日~26日)

沿岸の海面水温 8月26日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は27~28℃台で、過去5年平均に比べて0.5~1.5℃程度高めとなっています。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は28.3~28.8℃で、8月中旬から約0.3℃上昇しました。前年同時期との温度差は-0.4℃~+0.4℃、過去3年平均との温度差は+0.1~+0.5℃でした。

港内の水温 今期の水温は28.2~29.8℃で、前年同時期との温度差は-2.0~-0.6℃、過去3年平均との温度差は-0.02~+0.04℃でした。

 

大型クラゲ情報 (期間:8月3日~22日)

独立行政法人水産総合研究センターが8月20日に発表した情報、並びに漁業情報サービスセンターが8月12~22日に取りまとめた情報は下記のとおりです。
 
国際フェリーによる目視調査 下関・青島航路で8月3~6日に実施した調査では、黄海の出現量(平均密度)は0.04個体/100m2であり、前回(7月20~23日)の0.32個体/100m2、前年同期の0.20個体/100m2を下回りました。博多・釜山航路で8月15日に実施した調査では、対馬海峡西水道の出現量は0.0015個体/100m2であり、前回(7月30日)の0.0068個体/100m2を下回り、前年同期(0.0023個体/100m2)と同水準でした。
 
漁業操業時の確認情報 長崎県と島根県の定置網では8月8~14日に1~10個体(傘径30~60cm)が入網しました。兵庫県浜坂の定置網では8月18日に1個体が入網しており、沿岸域の分布の東端は兵庫県付近にあると考えられます。沖合域の大和堆の底曳網(福井県三国沖合底曳網漁船)では8月19日に4~5回の曳網で15~16個体の入網が確認されています。
 
大型クラゲの漂流予測 対馬海峡の7月中下旬の調査結果に基づく予測によると、対馬海峡西水道を通過した大型クラゲの多くは朝鮮半島沿いを北上した後、大和堆付近に向かい、その一部が南下して隠岐諸島周辺から沿岸を移動し、8月下旬から9月上旬に丹後~能登の沿岸に達する見込みです。
 
以上のように、現在、黄海や対馬海峡付近の分布密度は前年と同程度か前年を下回っています。しかし、大和堆でまとまった入網が報告されていること、大和堆付近に分布する大型クラゲが8月下旬から9月上旬に丹後~能登の沿岸に達すると見込まれること、過去(2007年)には10月頃になって山陰や北陸沿岸に大量出現したケースもあることから、引き続き大型クラゲの動向に十分な注意が必要です。今後も大型クラゲの出現に関する情報が入りしだい、その内容をお知らせします。

2013年8月19日月曜日

調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:8月2日~10日)

 調査船白山丸は8月2日から10日に積丹半島西沖合から大和堆周辺海域でイカ釣り操業を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は、積丹半島西沖合では56.5尾、大和堆周辺海域では36.3~80.6尾と高く、これらの海域にスルメイカが多く分布していました。本調査の平均CPUEは38.8尾であり、前年8月調査(41.5尾)および過去5年間の8月調査平均(59.9尾)を下回りました。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は22.9cmであり、魚体サイズは前年(22.9cm)と同等で、過去5年平均(22.7cm)に比べてやや大きめでした。

ヒョウモンダコ(猛毒)に注意 !!

 ヒョウモンダコは南日本の岩礁やサンゴ礁に生息する猛毒のタコです。今年に入って、長崎県、福岡県、島根県、福井県の日本海沿岸で数個体が確認されています。このタコの唾液にはフグ毒と同じテトロドトキシンが含まれており、咬みつかれたり食べたりすると、しびれ、血圧低下、呼吸困難などを起こし、死亡することもあります。体長10cmほどの小型のタコで、通常は茶褐色ですが、興奮すると体全体が黄色くなり、青いまだら模様が現れることが特徴です。石川県沿岸では報告されていませんが、タコ漁などで混獲されたときは不用意に触って咬みつかれないよう注意してください。このタコは死んでも毒があるので、食べたり販売することはできません。

石川県周辺海域の海面水温 (期間:8月8日~12日)

 今期の沿岸観測ブイの水温(深度10m)および港内水温(深度1.5m)は27.0~28.8℃で、前年同時期との差は-2.5~+2.6℃、過去3年平均との差は-2.9~+1.1℃でした。本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は26~27℃程度で、過去5年平均との差は-0.5~+0.5℃となっています。

石川県主要港の水揚状況 (期間:8月1日~10日)

定置網
 マイワシは七尾地区を中心に142トン水揚げされました。1月上旬から8月上旬の累計は5,790トンで、前年(936トン)・過去5年平均(573トン)を大きく上回っています。アカイカは前年を上回りましたが、フクラギ・マアジ・マダイ・トビウオなどは前年を下回りました。

まき網
 マイワシは158トン水揚げされました。1月上旬から8月上旬の累計は7,167トンで、前年(3,020トン)・過去5年平均(1,351トン)を大きく上回っています。ガンド・ブリは前年を上回り、マサバは前年を下回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 スルメイカ・アカイカは前年を上回り、サザエ・マダコ・ハタハタ・イワガキ・スズキなどは前年を下回りました。

2013年8月9日金曜日

沿岸・港内の海水温 (期間:8月1日~5日)

沿岸の海面水温
 8月5日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は25~27℃台で、過去5年平均との差は0.0~+1.0℃程度です。

沿岸観測ブイの水温
 今期の水温は26.4~26.8℃で、7月下旬から約0.6℃上昇しました。前年同時期との差は-1.1℃~+1.4℃、過去3年平均との差は-0.4~+0.7℃でした。

港内の水温
 今期の水温は26.5~27.9℃で、前年同時期との差は-3.1~-1.4℃、過去3年平均との差は-1.5~-0.5℃でした。

大型クラゲ情報 (期間:7月23日~31日)

  一般社団法人漁業情報サービスセンターが集計した7月下旬の大型クラゲの出現状況は下記のとおりです。

漁業操業時の確認情報
 対馬西岸の定置網に傘径30~50cmのクラゲが10~20個体(26日・28日)入網しました。定置網では今期初めての入網です。

調査船による確認情報
 対馬西沿岸では、水中カメラ調査と魚群探知機調査により247~2,113個体が確認されました。対馬東沿岸から島根県沖では、目視調査とネット調査により1~6個体(傘径:36~80cm)が確認されました。

今後の出現予想
 独立行政法人水産総合研究センターは、7月中下旬の分布状況に基づく数値計算により、今後の大型クラゲの出現を予測しています。対馬西沿岸に分布する大型クラゲは韓国東岸を北上・離岸して東方に分布を拡げるとともに、一部は南下して8月中旬頃に隠岐諸島周辺海域に到達すると予想されています。今後、山陰沿岸では注意が必要です。


石川県主要港の水揚状況 (期間:7月20日~31日)

定置網
 マアジは七尾地区・蛸島港を中心に30トン水揚げされました。5月上旬から7月下旬の累計は934トンで、前年(1,074トン)・過去5年平均(1,112トン)をやや下回っています。トビウオは輪島港を中心に17トン水揚げされました。5月上旬から7月下旬の累計は287トンで、前年(394トン)を下回り、過去5年平均(276トン)並みで推移しています。その他、マイワシ・フクラギなどは前年を上回りました。

まき網
 マイワシは前年並み、マサバ・マアジ・フクラギは前年を上回りました。

底びき網・ごち網
 沖合底びき網のアマエビは前年を上回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 ベニズワイガニ・アカガレイは前年を上回り、サザエ・マダコは前年並みでした。小型いか釣りのスルメイカは蛸島港を中心に16トン水揚げされました。