2012年9月28日金曜日

急潮情報(台風17号)


・9月28日06時の気象庁情報によれば、大型で非常に強い勢力の台風17号は石垣島の南の海上をゆっくり北上しています。
・台風は今後、東寄りに進路を変え、沖縄本島付近を経て、10月1日未明には本州に接近するおそれがあります(下図実線)。
・台風17号の勢力や進路は、2004年10月に大きな被害をもたらした台風23号と類似しています。
・台風23号は強い勢力で四国に上陸し、東海から関東に進みました(下図点線)。舳倉島では15m/sを超える強い北東風が11時間にわたって連吹し、最大風速は23m/sを記録しました。この結果、能登半島東岸では大しけとその後発生した急潮(下り潮で最大1.6ノット)によって、多くの網に被害が発生しました。
・台風が本県の南側を通過して、20m/s前後の強い北東風が吹いた場合には、最大1.5ノット程度の急潮(内浦で下り潮、外浦で上り潮)の発生が見込まれます。
・台風が仮に能登半島沖の日本海に進んだ場合には、強い南西風が吹き、台風が内陸部を進んだ場合と比べて、より強い勢力の急潮が発生する可能性があります。

・今後の台風情報に十分注意し、早めの防災対策を心がけてください。
(海洋資源部 大慶則之)

2012年9月26日水曜日

平成24年度大型クラゲ情報 第4号

 漁業情報サービスセンターが9月19日現在で集計した、最近2週間の1日あたりの入網、目視数の分布を下図に示しました。
 対馬海峡から能登半島にかけての広い範囲で入網が継続しています。9月中旬には能登半島の北東沖にまで分布域が拡大しました。入網は沖合漁場が主体で、入網数は、中西部日本海の底びき網や本県沖合の底びき網で数個~最大約20個体となっています。若狭湾では定置網への入網がみられていますが、本県沿岸では、この期間に定置網への入網はみられませんでした。

 9月19日に独立行政法人水産総合研究センターがとりまとめた大型クラゲの出現と予測に関する情報は以下のとおりです。

・黄海には依然として多くの大型クラゲが分布している模様ですが、対馬海峡での出現量は少なく、隠岐~能登沖で行ったトロール調査の結果でも、大型クラゲはほとんど採集されませんでした。
・海況予測モデルを使った移動予測では、黄海に分布している大型クラゲは、9月下旬以降も、引き続き黄海内部に滞留する可能性が示されました。

※今年の出現パターンは、出現時期が遅れた2007年に似ており、現在の出現量は少ないものの、今後沖合でまとまって出現する可能性があります。引き続き大型クラゲの動向にご注意ください。

 皆さまから寄せられた入網情報は、漁業情報サービスセンターで他県の情報と併せて集約されています。この結果は、携帯用ホームページで閲覧できますので、ご利用ください。  http://www.jafic.or.jp/kurage/index.html



沿岸観測ブイの水温(9月16日~20日の平均)


・沿岸観測ブイの水温(水深10m)

9月16日~20日の平均水温は27.2℃~28.6℃で、9月上旬に比べ0.3℃低下しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。

・港内水温(水深1.5m)
9月16日~20日の平均水温は28.5℃~29.5℃で、9月上旬に比べ0.4℃低下しましたが、過去30年間で最も高い値を記録しました。

石川県主要港の水揚げ状況(9月1日~10日)

・定置網

 シイラ・コゾクラ・カマス・サワラ(サゴシを含む。)・アオリイカは前年を上回り、マアジは前年を下回りました。
・まき網
 マアジは前年を上回り、ブリ・ガンド・フクラギマサバは前年を下回りました。
・底びき網
 アマエビは金沢港主体に前年を上回りました。アカガレイ・アンコウは前年を上回り、ニギス・ハタハタは前年を下回りました。

2012年9月14日金曜日

沿岸観測ブイの水温(9月4日~9日の平均)




・沿岸観測ブイの水温(水深10m)

9月4日~9日の平均水温は27.3℃~28.7℃で、8月下旬に比べ0.2℃低下しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。

・港内水温(水深1.5m)
9月4日~9日の平均水温は28.6℃~30.27℃で、8月下旬に比べ約1.2℃低下しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。
石崎港内の水温は8月上旬以降、過去3年平均を上回って推移しており、9月上旬は平均に比べ2℃高めとなっています。

アオリイカの水揚げ状況

 石川県沿岸の定置網では、9月に入りアオリイカの水揚げが徐々に増えており、9月上旬までの水揚げ量は7トンで好調なスタートとなっています(図3)。

 過去の水揚げ状況をみると、今年のように猛暑などの影響で9月の沿岸水温が高めで推移する年は水揚げ量が多くなる傾向が見られます。宇出津港の平均水温(9月上旬)と初漁期の水揚げ量(9月上旬まで)を用いた関係式で推定した12月下旬までの水揚げ量(図4)は約290トンで、平成7年以降で最も水揚げの多かった平成22年並みの水準になると見込まれました。漁期中の海況条件(水温等)により変動するものの、今後も過去5年平均(12月下旬までの累計161トン)を上回って推移すると思われます。


(海洋資源部 木本昭紀)

カマスの水揚げ状況

 石川県沿岸の定置網では、9月から12月がカマス(アカカマス)の盛漁期となります。今年は8月下旬からまとまった水揚げが見られ、9月以降も七尾地区主体に好調に推移しています(図1)。


 過去の水揚げ状況をみると、初漁期(9月上旬まで)の水揚げ量と12月下旬までの水揚げ量との間には高い相関が見られます(図2)。今年の初漁期の水揚げ量は38トンで、平成7年以降では豊漁だった平成12年に次ぐ高い値となったことから、今後も過去5年平均(12月下旬までの累計216トン)を上回って推移すると見込まれます。


(海洋資源部 木本昭紀)

石川県主要港の水揚げ状況(8月21日~31日)

・定置網
 シイラ・カマス・ヒラマサ・アオリイカは前年を上回り、マアジ・マサバは前年並み、フクラギ・コゾクラ・サワラ(サゴシを含む。)は前年を下回りました。

・まき網
 マイワシは富来港主体に好漁が続きました。ウルメイワシは前年を上回り、マサバ・フクラギ・ガンドは前年を下回りました。


2012年9月4日火曜日

調査船白山丸によるスルメイカ分布量調査結果


 調査船白山丸は8月18日から25日に日本海中央部~渡島半島西沖合でイカ釣り試験操業を行いました。


 スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は、日本海中央部の北緯40~41度の操業点で31.0~108.6尾と高く、スルメイカが高密度に分布していました。一方、渡島半島西沖合の北緯41度以北の操業点では、CPUEは0.2~8.3尾と低く、スルメイカはあまり分布していないことが分かりました。

 魚体サイズは外套長23㎝台が最も多く、昨年(外套長22㎝台が多かった)よりやや大きかったものの、外套長18㎝未満の小型個体も混じるなどサイズのバラつきが大きい傾向にありました。
(海洋資源部 四方崇文)

平成24年度大型クラゲ情報 第3号


 漁業情報サービスセンターが8月30日現在で集計した、最近2週間の1日あたりの入網、目視数の分布を上図に示しました。

・8月中旬以降対馬および隠岐周辺で出現量が増加するとともに、九州西方の底曳漁場でも大型クラゲの出現が認められています。
・8月30日現在では、主な分布域の東端は鳥取県沖付近にありますが、8月29日に京都府伊根の定置で1個体の入網が確認されているほか、8月31日には猿山西方沖15kmで本県まき網船が1個体の入網を確認しました。なお、白山丸は8月20日に能登半島の北390kmの沖合で1個体を視認しています。

 8月30日に独立行政法人水産総合研究センターがとりまとめた大型クラゲの移動予測に関する情報は以下のとおりです。

・黄海~東シナ海で出現している大型クラゲは、9月上旬以降、対馬海峡西水道に加えて東水道からも日本海に流入する可能性が示されました。一方、8月下旬に黄海中央部~西部で確認された大型クラゲについては、今後引き続き黄海内部に滞留する可能性が示されました。

※今後、本県沿岸で大型クラゲの出現量の増加が見込まれます。引き続き今後の大型クラゲ情報にご注意ください。

石川県内の大型クラゲ出現状況(速報値)

底びき網漁の解禁に伴い、加賀沖で操業した4隻の漁船から大型クラゲの入網報告がありました(下図)。最大で曳網あたり10個体の入網が報告されています。


石川県主要港の水揚げ状況(8月11日~20日)

・定置網

 シイラ・マサバは前年を上回り、コゾクラ・マアジは前年並みでした。
・まき網
 マイワシ・ウルメイワシは、富来港主体に好漁が続きました。フクラギ・マサバは富来港・輪島港主体に前年を上回りました。
・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 サザエは前年並み、ハツメ(あからばちめ)・マダコ・ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を上回りました。


沿岸観測ブイの水温(8月25日~29日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)
8月25日~29日の平均水温は27.6℃~29.2℃で、8月中旬に比べ1.4℃上昇しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点も高めとなりました。



・港内水温(水深1.5m)

8月25日~29日の平均水温は29.5℃~32.1℃で、8月中旬に比べ約1.9℃上昇しました。過去3年平均に比べ、いずれの観測点もかなり高めで、石崎港と宇出津港では過去30年間で最も高い値を記録しました。

石崎港内の水温は、8月上旬以降、過去3年平均を上回って推移しており、8月下旬は平均に比べ3℃以上高めとなっています。