2013年4月30日火曜日

スルメイカの漁況の見通し(予報期間:5月~7月)

日本海沿岸
 石川県水産総合センター・富山県水産研究所・日本海区水産研究所は4月に日本海でトロール調査を行い、漁獲加入前のスルメイカ(主に外套長2~10cm)の分布量を調べました。5~7月に漁獲サイズに成長する外套長5cm以上の個体の調査点当たりの平均採集個体数は8.0尾で、前年(32.4尾)および過去5年平均(16.0尾)を下回りました。しかし、昨年秋の孵化幼生の平均分布密度は1.1尾/網と過去5年平均並みであり、今期漁獲されるイカの孵化量は近年並みであったと考えられます。また、鳥取県境港の今年4月上中旬の水揚量は、昨年および過去5年平均を上回っています。以上から、今期の日本海沿岸の来遊量は近年平均並みになると予想されます。

石川県沿岸
 能登半島北東沖(右図A)と佐渡北沖(右図B)の5月中旬の50m深水温の差が大きい年は、5~7月の県内水揚量が多い傾向がみられます。水温差が大きいとイカの北上が妨げられて、本県沿岸にイカが滞留するためと考えられます。今年5月中旬の水温差は小さいと予想されており、水温差と水揚量の関係から、今期の本県の水揚量は2千トン前後と見込まれ、前年および過去5年平均を下回ると予想されます。4~6月の対馬暖流域の表面水温は「平年並み」から「やや高め」と予想されているため、漁期の開始は近年並みと予想されます。

沿岸・港内の海水温 (期間:4月21日~25日)

沿岸観測ブイの水温
 今期の水温は11.1~13.3℃で、4月中旬から約0.7℃上昇しました。前年同時期との温度差は-0.4℃~-0.9℃、過去3年平均との温度差は-0.8℃~+0.4℃でした。

港内の水温
 今期の水温は11.4~12.7℃で、前年同時期との温度差は-0.4~-2.7℃でした。

沿岸の海面水温
 4月25日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は11~12℃台で、過去5年平均並みとなっています。

石川県主要港の水揚状況 (期間:4月11日~20日)

定置網 マイワシは蛸島港・宇出津港・七尾地区で前年を上回りましたが、4月以降は減少傾向で、過去5年平均に近づきつつあります。カワハギ・フグ類は前年を上回り、スルメイカ・マアジ・カタクチイワシ・マサバは前年を下回りました。

まき網 マサバ・マアジは蛸島港・七尾地区を中心に前年を上回りました。

底びき網・ごち網 ハタハタは4月上旬以降、減少傾向です。1月上旬から4月中旬の累計は232トンで、過去5年平均(678トン)を下回っています。フグ類(主にマフグ)は前年を上回り、ニギス・アカガレイ・ハタハタは前年を下回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 ヤナギバチメ・ガンドは前年を下回りました。


2013年4月22日月曜日

石川県主要港の水揚状況 (期間:4月1日~10日)

定置網
 マイワシは蛸島港・宇出津港・七尾地区で引き続き好漁でした。1月上旬から4月上旬の累計は3,020トンで、過去5年平均(787トン)を大幅に上回っています。スルメイカ・カタクチイワシは前年並み、マサバ・サワラ・マアジ・ウルメイワシは前年を上回りました。

まき網
 マアジ・マイワシ・カタクチイワシ・マサバは蛸島港を中心に前年を上回りました。

底びき網・ごち網
 アカガレイは橋立港を中心に前年を上回りました。1月上旬から4月上旬の累計は381トンで、過去5年平均(325トン)を上回っています。アマエビ・マダラは前年を上回りました。ハタハタは前年を下回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 ヤナギバチメ・フクラギ・ミズダコは前年を上回りましたが、ブリは前年を下回りました。春を代表するサヨリの船曳網の漁期が中盤にさしかかっています。3月上旬から4月上旬の水揚量の累計は5.3トンで、前年(6.5トン)の83%、過去5年平均(9.7トン)の55%となっています。春漁期(3~5月)の県内主要港のサヨリ水揚量は1998年には70トンありました。近年、出漁回数の減少とともに水揚量も減少し、2012年はわずか11トンでした。


石川県周辺海域の海面水温 (日付:4月17日)

 本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は912℃程度です。能登半島北西沖から佐渡沖では、冷水が張り出しており、水温は9℃以下となっています。過去5年間の同時期の平均水温と比較すると、本県周辺の水温は平年並み、能登半島北西沖から佐渡沖は平年より低くなっています。

沿岸・港内の海水温 (期間:4月12日~16日)

沿岸観測ブイの水温
 今期の水温は10.512.7℃で、4月上旬から約0.5℃上昇しました。前年同時期に比べて0.7℃低め~0.2℃高め、過去3年平均に比べて0.2℃低め~0.2℃高めとなっています。能登町小浦沿岸の水温は4月に入って上昇傾向となっており、4月中旬は前年並みで推移しています。

港内の水温
 今期の水温は10.712.2℃で、前年同時期に比べて0.30.8℃低めでした。

2013年4月10日水曜日

沿岸・港内の海水温 (期間:4月1日~5日)

沿岸観測ブイの水温
 今期の平均水温は10.2~11.4℃で、前年・過去3年の同時期に比べて、内浦海域では0.5℃高め、猿山沖では沖合からの冷水域の張り出しにより2.2~2.7℃低めとなりました。能登町小浦沖の水温は3月下旬以降、前年・過去3年平均に比べて高めで推移しています。


港内の水温
 今期の平均水温は10.6~11.9℃で、前年・過去3年の同時期に比べて0.7~2.0℃高めとなりました。



石川県周辺海域の海面水温 (日付:4月5日)

 本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は911℃程度ですが、能登半島北西沖から佐渡沖に冷水が強く張り出しており、水温は8℃以下となっています。過去5年間の同時期の平均水温と比較すると、本県周辺の水温は平年並みですが、能登半島北西沖から佐渡沖は平年より低くなっています。


石川県主要港の水揚状況 (期間:3月21日~31日)

定置網
 マイワシは蛸島港・宇出津港・七尾地区で引き続き好漁でした。1~3月の累計は2,729トンで、過去5年平均(224トン)を大幅に上回っています。スルメイカは七尾地区を主体に前年を上回り、1~3月の累計は498トンで、過去5年平均(363トン)を上回りました。 カタクチイワシ・マアジ・マサバは前年を下回りました。

まき網
 マイワシ・マサバ・マアジ・カタクチイワシは蛸島港・七尾地区で前年を上回りました。ガンド・ブリは前年を下回りました。

底びき網・ごち網
 ハタハタは3月上旬以降、増加傾向であるものの1~3月の累計は193トンで、過去5年平均(507トン)を下回っています。アカガレイ・ニギス・アマエビ・マダラは前年を上回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 ヤナギバチメ・ブリ・フクラギ・ミズダコは前年を上回りましたが、ガンドは前年を下回りました。