2011年10月28日金曜日

ヨコシマサワラが水揚げされました


 10月に入り石川県沿岸の海水温は低下傾向が続き、これからの時期は南の海を主な生息域とする珍しい魚種をみかけることが多くなります。

 先日、県漁協能都支所(宇出津港)に、めずらしいサワラが水揚げされていました。体型はサワラとほぼ同じにみえますが、体側に横縞模様がはっきりと確認できました。これは、サワラの仲間でヨコシマサワラという魚です。側線が第2背びれの後ろで急に下へ曲がっていることもサワラと見分ける特徴の一つです。 

 サワラよりも南方系の魚で、主にインド洋・西太平洋の温帯から熱帯域に分布しており、石川県ではまれに水揚げされます。肉は白くて脂肪が多く美味のようです。

 その他、石川県沿岸でみられるサワラの仲間といえば、カマスサワラがあります。本県では「てっぽう」または「てっぽうさわら」と呼ばれています。本種も南方系の魚で、世界中の温・熱帯地域に分布しています。肉質は、サワラ・ヨコシマサワラに劣ります。  (海洋資源部 奥野充一)


沿岸観測ブイの水温(10月22日~26日の平均)



 沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、10月中旬に比べ約0.2℃低下しました。10月22日~26日の平均水温は21.1℃~21.5℃で、前年と比較すると、いずれの観測点も低めでした。


 港内水温(水深1.5m)は、10月上旬に比べ約0.4℃低下しました。10月22日~26日の平均水温は20.6℃~21.5℃で、橋立港・石崎港では前年並みでした。

石川県主要港の水揚げ状況(10月11日~20日)


・定置網
 マサバは富来港・輪島港主体に前年を上回りました。ケンサキイカ(あかいか)は、富来港・輪島港に加え宇出津港・七尾地区でもまとまった水揚げがあり、前年を上回りました。フクラギ・カマスは前年を下回り、マアジ・サワラ(サゴシを含む)は前年並みでした。


・まき網
 ブリ・ガンドは金沢港・七尾港主体に前年を上回り、マサバ・マイワシ・ウルメイワシは富来港・輪島港主体に前年を上回りました。

・底びき網・ごち網
 ニギス・アマエビ・アンコウは前年並み、ハタハタ・アカガレイは前年を下回りました。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 ウスメバル(やなぎばちめ)・ケンサキイカ(あかいか)は前年を上回り、ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を下回りました。

2011年10月20日木曜日

大型くらげ情報


・県内沿岸の出現情報

10月11日、珠洲市禄剛埼沖(水深450m)で底びき網に2個体(破片)の大型クラゲが入網しました。

・白山丸による分布調査の結果
10月3日から5日に、図に示す加賀沖~輪島沖の8調査点で、大型クラゲ採集網による調査を実施するとともに、目視調査を実施しましたが、大型クラゲは確認されませんでした。

・県外の出現情報(漁業情報サービスセンター)
10月5日に京都府、兵庫県の定置網でそれぞれ1個体の入網が確認されました。
10月に入ってから、対馬沖の底びき網で少量の入網が確認されています。

・10月下旬の出現予測について
(水産総合研究センターの大型クラゲ情報第4報)
現時点での大型クラゲ出現量は、黄海・東シナ海・対馬海峡で非常に少ない状況にあり、10月下旬の日本海沿岸では散発的に出現する程度で、大量出現する可能性は低いと予想されています。

沿岸観測ブイの水温(10月14日~18日の平均)



・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、10月上旬に比べ約0.2℃低下しました。10月14日~18日の平均水温は21.4℃~21.8℃で、過去3年平均と比較すると、いずれの観測点も低めでした。


・港内水温(水深1.5m)は、10月上旬に比べ約0.2℃低下しました。10月14日~18日の平均水温は21.6℃で、過去3年平均と比較すると、宇出津港では低め、石崎港では平均並みでした。

石川県主要港の水揚げ状況(10月1日~10日)


・定置網
 マサバ・マアジ・フクラギ・ケンサキイカ(あかいか)は前年を上回り、カマスは前年並み、ウルメイワシ・サワラ(サゴシを含む)・シイラ・アオリイカは前年を下回りました。ケンサキイカ(あかいか)は9月中旬以降、増加傾向が続き、6月上旬から10月上旬までの累計は37トン(過去5年平均の3倍)で好調に推移しています。


・まき網
 マサバ・マイワシは富来港・輪島港主体に前年を上回り、ブリは金沢港主体に前年を上回りました。

・底びき網・ごち網
 ニギス・アマエビは前年を下回り、アンコウ・ムシガレイ(すがれい)・アカガレイは前年並みでした。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 ウスメバル(やなぎばちめ)・ケンサキイカ(あかいか)は前年を上回り、ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を下回りました。

2011年10月12日水曜日

沿岸観測ブイの水温(10月6日~10日の平均)



・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、9月下旬に比べ約1.5℃低下しました。10月6日~10日の平均水温は21.2℃~22.2℃で、過去3年平均と比較すると、いずれの観測点も低めでした。


・港内水温(水深1.5m)は、9月下旬に比べ約1.7℃低下しました。10月6日~10日の平均水温は21.2℃~22.5℃で、過去3年平均と比較すると、宇出津港では低め、石崎港では平均並みでした。

「平成23年度第3回日本海海況予報の概要



日本海沿岸の道府県水産研究機関と水産総合研究センター日本海区水産研究所が検討し、とり

まとめた日本海海況予報が以下のとおり発表されました。

今後の見通し(2011年10月~12月)
(1) 隠岐諸島北東の暖水域は、勢力を弱  めながらやや北上する。能登半島北方の暖水域は、北東に移動して佐渡島北西に分布する。
(2) 島根沖、山陰・若狭沖の冷水域の張り出しは、やや弱め。佐渡島沖の冷水域の張り出しは、平年並み。
(3) 対馬暖流域の表面水温は、“やや高め”~“かなり高め”で経過する。
(4) 対馬暖流域の50m深水温は、日本 海西部及び北部とも“平年並み”で経過する。

石川県主要港の水揚げ状況(9月21日~30日)



・定置網
 カマス・マアジは前年を上回り、フクラギ・シイラ・マサバ・サワラ(サゴシを含む)・アオリイカは前年を下回りました。カマスは盛漁期を迎えますが、8月下旬から9月下旬までの累計は68トン(過去5年平均の281%)で好調に推移しています。

・まき網
 ガンドは富来港・輪島港・七尾港主体に前年を上回り、フクラギは前年を下回りました。




・底びき網・ごち網
 ニギスは前年を下回りました。アマエビ・アンコウ・アカガレイは前年並みでした。アマエビの9月上旬から下旬までの累計は56トン(過去5年平均の54%)で低調に推移しています。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 サザエ・ハツメ(あからばちめ)は前年並み、ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を下回りました。

2011年10月3日月曜日

沿岸観測ブイの水温(9月25日~29日の平均)



 沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、9月中旬に比べ約3℃低下しました。9月25日~29日の平均水温は21.7℃~24.2℃で、過去3年平均と比較すると、いずれの観測点も低めでした。


 港内水温(水深1.5m)は、9月中旬に比べ約4.3℃低下しました。9月25日~29日の平均水温は22.5℃~24.4℃で、荒天となった19日頃より水温は急速に低下しており、過去3年平均と比較すると、いずれの港も低めでした。

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調査船白山丸によるスルメイカ分布量調査



 調査船白山丸は9月13日から19日に日本海中央部(能登半島北沖~大和堆の海域)でイカ釣り試験操業を行いました。


 スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は4.4~54.0尾(平均:24.5尾)でした(表参照)。昨年同時期の調査ではCPUEの平均は43.7尾であったことから、調査時点における同海域へのスルメイカの来遊量は昨年よりも少ないと判断されます。

 今年は昨年に比べて、外套長22cm未満のイカの分布割合が高く(前年の2.6倍)、魚体サイズが小さいことが特徴でした。

フクラギ漁の見通し(対象期間:10月~翌年3月 定置網漁業)


県内主要10港の定置網漁業による7・8月のコゾクラ漁獲量は183トン(前年比170%、平年比105%)で、平年並みでした。

石川県沿岸では初漁期(7月)の漁獲量が少ない年は、盛漁期(10月以降)の漁獲量が多くなる傾向がみられます。今年7月のコゾクラ漁獲量は20トンで、過去の漁獲量との相関関係から、10月以降のフクラギ漁獲量は過去10か年平均並みと予想されます。

石川県主要港の水揚げ状況(9月11日~20日)

・定置網
 マアジ・ウルメイワシ・マサバは前年を上回り、コゾクラ・フクラギ・カマス・アオリイカは前年を下回りました。アオリイカは盛漁期を迎えますが、9月上旬からの累計は2トン(過去5年平均の23%)で低調に推移しています。


・まき網
 マサバは輪島港・七尾港主体に前年を上回りました。ガンドは富来港主体に前年を上回りました。

・底びき網・ごち網
 ニギス・ハタハタ・アンコウは前年を上回りました。ハタハタの9月上旬からの累計は60トン(過去5年平均の106%)で、漁期が遅れた前年を上回り過去5年平均並みで推移しています。アマエビは金沢港主体に前年を下回りました。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 サザエ・ウスメバル(やなぎばちめ)は前年を上回り、ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を下回りました。