2010年7月30日金曜日

石川県内主要港の水揚げ状況(7月11日〜20日)

○定置網 マアジは宇出津港・七尾地区主体にまとまった水揚げがあり、前年に続き
好漁となりました。フクラギ・サゴシは富来港・輪島港主体に前年をかなり上回りま
した。
○まき網 ブリは七尾港でまとまった水揚げがあり前年をかなり上回りました。クロ
マグロは盛漁期を迎えていますが、昨年に続き散発的な水揚げとなっています。
○小型イカ釣り 石川県沿岸の小型スルメイカ釣りは7月上旬でほぼ終漁となり、7
月中旬の水揚げは前旬に比べかなり減少しました。今漁期(4月以降)の累計は約7
40千ケース(1箱5kg換算)で、前年の144%となりました。
○底びき網・ごち網 底びき網は休漁期のため、大和堆周辺海域で操業する沖合底び
き網、沿岸のごち網のみが水揚げを行っています。大和堆周辺海域のアマエビは16.
8トンで前年を上回りました。

沿岸観測ブイの水温(7月25日)

○7月25日の沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、加賀沿岸・能登半島外浦沿岸
とも26℃〜27℃で、前年に比べ0.5〜1℃程度高めで推移しています。内浦海
域では24℃〜25℃で、前年に比べ1℃程度高めで推移しています。
○港内水温(水深1.5m)は、橋立港・石崎港ともに27℃台で、過去3カ年の平
均水温と比較すると、橋立港では1℃程度高め、石崎港では2℃程度高めで推移して
います。

石川県周辺海域の表面水温(7月25日)

○加賀沖から能登半島外浦沖の海域では25℃〜26℃の水域が広がっていますが、
猿山岬北西沖には水温の低い海域がみられます。過去5カ年の平均水温と比較する
と、全域で1℃程度高めとなっています。
○内浦海域では25℃以上の水域が広がっており、過去5カ年の平均水温と比較する
と、1.5℃程度高めとなっています。

スルメイカの資源状況と漁況の見通し(8〜12月) その3

3.太平洋側のスルメイカの資源状況
太平洋側に分布するスルメイカは10月以降、宗谷海峡および津軽海峡を経由して日本
海に入り、それまで日本海に分布していたスルメイカとともに日本海を南下します。
このため、太平洋側のスルメイカの資源状況は10月以降の日本海の漁況に大きく影響
します。平成22年度第1回太平洋スルメイカ長期漁況予報(http://www.jfa.maff.go.
jp/j/press/sigen/100716.html)によると、太平洋側の資源量は昨年を下回ってお
り、10月以降、太平洋から日本海に入るスルメイカも少ないと考えられます。


4.日本海おける漁況の見通し
上記の調査結果から8月〜12月の日本海における来遊量(漁況)は以下のように予想
されます。
l北海道西沿岸:昨年および近年平均を下回る。
l津軽海峡付近:昨年並みで近年平均を下回る。
l秋田県〜石川県沿岸:活発な漁場形成はなく、昨年および近年平均並み。
l福井県〜長崎県沿岸:昨年並みで近年平均を下回る。
l日本海沖合:昨年並みで近年平均を下回る。(8月の大和堆周辺海域では近年平均並
み)

※本予報の詳細については、平成22年第2回日本海スルメイカ長期漁況予報
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/100721.html をご覧ください。

スルメイカの資源状況と漁況の見通し(8〜12月) その2

2.日本海におけるスルメイカの分布状況
 一斉調査時のスルメイカの分布状況は図2のとおりでした。沿岸では、島根半島
沖、能登半島沖、渡島半島沖、利尻島沖でCPUEが30尾以上の分布密度が高い操業点が
みられました。昨年は北海道沿岸でCPUEが180尾に達する操業点がありましたが、今
年はそのような操業点はありませんでした。沖合域では日本海中央部の大和堆付近で
CPUEが20〜50尾前後の分布密度の高い操業点が多くみられました。
 一斉調査時の分布状況は概ね9月まで継続し、10月以降にスルメイカは南下を始め
ます。今年は昨年に比べて分布が南寄りで、北海道西沖の分布量が少ないため、10月
以降に北海道から対馬海峡に向けて南下するスルメイカも少ないことが予想されま
す。

スルメイカの資源状況と漁況の見通し(8〜12月) その1

1.日本海におけるスルメイカの資源状況
 日本海スルメイカ漁場一斉調査が6月中旬から7月上旬に行われました。この調査は
石川県の調査船白山丸の他、鳥取県から北海道の研究機関の調査船8隻が共同してス
ルメイカの分布量を調査するもので、我が国水域の合計56点でイカ釣り調査を行いま
した。全調査点のイカ釣り機1台1時間当たりの釣獲尾数(CPUE)の平均値が資源量の
指標となります。今年の平均CPUEは14.59尾であり、昨年(18.24尾)の80%、近年平
均(16.50尾)の88%でした(図1)。従って、今年のスルメイカの資源量は昨年および
近年平均より少ないと判断されます。

2010年7月2日金曜日

5月の漁獲量(石川県主要10港)

○ 定置網
 主要10港合計は1,821トンで、平年(過去10カ年平均)並みの漁獲量で
した。
 最も多く漁獲されたのはカタクチイワシの335トンで、蛸島港・宇出津港・七
尾地区主体に平年並みでした。
 サワラは283トンで平年をかなり上回りました。今年の春漁期は、漁期が遅れ
たことから4月は平年をやや下回りましたが、5月は過去10年間で最も多い漁獲量
となりました。
 ブリは204トン、マダイは204トンで、いずれも平年をかなり上回りまし
た。

○ 底びき網
 主要10港合計は877トンで、平年をやや上回る漁獲量でした。
 最も多く漁獲されたのはハタハタの302トンで、輪島港・蛸島港主体に平年を
かなり上回りました。
 アカガレイは127トンで平年をやや上回りました。
 アマエビは85トンで平年をやや下回りました。

○ まき網
 主要10港合計は425トンで、平年をやや下回る漁獲量でした。
 最も多く漁獲されたのはウルメイワシの151トンで、富来港主体に平年をかな
り上回りました。
マサバは97トンで平年をやや上回りました。
 マイワシは87トンで平年をやや下回りました。

○ 刺 網
 主要10港合計は160トンで、平年をやや下回る漁獲量でした。
 最も多く漁獲されたのはウスメバル(やなぎばちめ)の37トンで、輪島港主体
に平年並みでした。
 ガンドは14トンで平年をかなり上回りました。
 マダイは13トンで平年並みでした。

○ 釣 り
 釣りの主要10港合計は41トンで、平年をやや下回る漁獲量でした。
 最も多く漁獲されたのはブリの12トンで、平年をやや上回りました。

 小型いか釣り(スルメイカ)の主要10港合計は688トンで、平年をやや下回る
漁獲量でした。

6月上旬の水温の状況(調査船観測結果)

(1) 本県周辺の水深50m水温は12〜14℃台で、加賀沖・能登半島外浦沖では
"平年並み"から"やや低め"(0〜1℃低め)、富山湾では"やや低め"から"か
なり低め"(1〜2℃低め)の水温分布を示しています。
(2) 表面水温は15〜18℃台で、加賀沖・能登半島外浦沖では"やや低め"から
"かなり低め"(1〜2℃低め)、富山湾では"平年並み"の水温分布を示していま
す。
(3) 能登半島西沖の冷水域は、平年に比べて岸側にかなり近づいて分布していま
す。
(4) 佐渡島沖の冷水域は、平年に比べて禄剛埼からかなり離れて分布しています。