2013年2月22日金曜日

スルメイカ稚仔分布量調査結果 (独立行政法人水産総合研究センター)


 日本海に分布するスルメイカの多くは秋生まれであり、秋に生まれた稚仔が成長して翌年春以降に漁獲されます。独立行政法人水産総合研究センターは日本海西部から九州西岸でプランクトンネットを用いて稚仔(外套長1~3㎜程度)を採集する調査を行っており、昨年秋には合計72カ所で調査が行われました。


 昨年秋の調査点当たりの平均採集個体数は1.1尾であり、一昨年より多かったものの過去10年平均の69%と少なく、今年春以降の不漁が心配されます。但し、稚仔の生き残りが資源状況に大きく影響しますので、1998年のように稚仔が少ないにもかかわらず翌年の資源量は多いということもあります。

 資源動向については、4月の幼スルメイカ調査(外套長1~10㎝程度の個体対象)や6月の漁場一斉調査(外套長16㎝以上の個体対象)でも調べる計画であり、その結果は本漁海況情報で適時お知らせします。

マイワシの水揚げ状況(2月中旬の速報値)



 2月中旬に入り七尾地区・宇出津港・蛸島港など内浦全域の定置網でマイワシが豊漁となっています。2月10日から18日までの水揚量は1,000トン以上(未確定値)となる見込みで、2012年の年間水揚量(955トン)を上回る水準となっています。2月に1,000トンを超える水揚量を記録したのは1995年以来となります。水揚げされているマイワシのサイズは平均体重80gの中羽が主体となっています。

石川県主要港の水揚げ状況(2月1日~10日)

・定置網

 盛漁期を迎えたスルメイカは七尾地区主体に前年を上回りました。1月から2月上旬までの累計は124トンで過去5年平均(74トン)を上回って推移しています。ブリは前年を上回り、ガンド・フクラギ・マアジは前年を下回りました。



沿岸観測ブイの水温(2月14日~18日の平均)



1 沿岸観測ブイの水温(水深10m)

  2月14日~18日の平均水温は10.3℃~11.4℃で、2月上旬に比べ約0.8℃低下しました。
能登町小浦沖の日平均水温を見ると、1月までは過去3年平均を下回って推移していましたが、2月以降は平均並みからやや低めで推移しています。

2 港内水温(水深1.5m)
  2月14日~18日の平均水温は7.6℃~10.5℃で、2月上旬に比べ約1.1℃低下しました。いずれの観測点も過去3年平均に比べやや低めとなりました。

2013年2月12日火曜日

調査船白山丸によるホッコクアカエビ(甘えび)分布量調査結果


  調査船白山丸は1月19日に金沢沖の水深400~500mの海域でホッコクアカエビ(アマエビ)の分布量調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150㎝×横220㎝のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、稚エビの分布を調べています。

  2011年8月に頭胸甲長10mm付近にみられた2010年生まれの卓越年級群(発生量の多い群れ)は、本調査では同17mm付近に成長していることが分かりました。また、2012年7月に頭胸甲長10mm前後であった2011年生まれ群は同14mm付近に成長していることが確認できました。2010年生まれ群の分布量は2006年以降に生まれた群の中で最も多く、2011年生まれ群の分布量も比較的多いと考えられます。従って、これらの卓越年級群が漁獲サイズに成長する2014年以降、漁獲量は増加すると予想されます。資源をうまく利用して水揚げを増やすには、漁獲サイズ未満の稚エビを保護するとともに価格の安い小型エビの漁獲をひかえることが大切です。漁業者の皆様には、小型エビが多く入網する海域での操業をひかえるなど資源の有効利用に努めていただきますようお願いします。
(海洋資源部 四方崇文)

沿岸観測ブイの水温(2月2日~6日の平均)


1.沿岸観測ブイの水温(水深10m)
  2月2日~6日の平均水温は10.9℃~12.0℃で、1月下旬に比べ約0.4℃低下しました。内浦海域の水温は、過去3年平均に比べ引き続き低めで推移しています。
2.港内水温(水深1.5m)
  2月2日~6日の平均水温は9.1℃~11.2℃で、1月下旬に比べ約0.4℃上昇しました。2月に入り気温の高い日が続いたことから、いずれの観測点も過去3年平均に比べ高めとなりました。

寒ブリの水揚げ状況(2013年1月の速報値)


 本県主要10港の定置網における1月の「寒ぶり」(体重4㎏以上)水揚量(速報値)は339トンと、平年同期(過去10年平均:196トン)の約1.7倍を記録しました。(図1)。11月からの累計は、774トンで同じく平年(同:538トン)を上回りました。
 サイズ別では、体重4~6㎏台の平成22年生まれの2歳魚が全体の64%(尾数割合)を占めました(図2)。今後は、中ぶり主体で水揚げが続くものの、シーズン終期に向かい漁獲量は減少していくものと思われます。

石川県主要港の水揚げ状況(1月21日~31日)

1 定置網
 ブリ・フクラギ・マダラ・メジマグロは前年を上回り、ガンド・マアジ・マサバ・スルメイカ・ヤリイカは前年を下回りました。
2 まき網
 ブリ・フクラギは前年を上回り、ガンドは前年を下回りました。
3 底びき網・ごち網
 荒天の日が少なく出漁隻数が多かったことから、アカガレイ・ズワイガニ・ニギス・ハタハタ・アマエビ・マダラなど主要魚種はいずれも前年を上回りました。
4 その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 マダラは輪島港・蛸島港・宇出津港主体に前年並み、ブリ・ガンドは輪島港主体に前年を上回りました。

2013年2月1日金曜日

底びき網漁業の年間水揚げ状況(平成24年のまとめ)-1

・集計期間:平成24年1月~12月
・漁業種類:沖合底びき網漁業・小型底びき網漁業
・集計対象港:橋立港・金沢港・富来港・輪島港・蛸島港・鵜飼港・松波港・宇出津港

1 水揚量と金額(図1・図2)
 石川県内主要港における平成24年の水揚量は5,586トンでした。ハタハタが低調だったことなどにより平年(過去10年平均)をやや下回りました(平年比91%・前年比99%)。

 水揚金額は35億2千万円でした。水揚金額に占める割合が最も高いズワイガニ(雄)・コウバコガニは平年を上回りましたが、アマエビ・アカガレイ・ハタハタはいずれも平年を下回り、全体では平年をやや下回りました(平年比91%・前年比95%)。

(海洋資源部 木本昭紀)

底びき網漁業の年間水揚げ状況(平成24年のまとめ)-2

2 出漁回数(図3)

 年間延べ出漁回数は11,225回で、平年の87%、前年の100%でした。近年の推移を見ると、平成20年・21年に急減した後、横ばいで推移しています。出漁1回当たりの水揚げ金額はやや上向きで推移しています。

3 産地価格(図4)
 県内産地価格(底びき網)の推移について、平成7年を100とした指数でみると、平成24年は77で前年をやや上回りました(前年比104%)。近年の推移をみると、平成18年以降はほぼ横ばいで推移しています。
(海洋資源部 木本昭紀)

沿岸観測ブイの水温(1月25日~29日の平均)

1 沿岸観測ブイの水温(水深10m)

 1月25日~29日の平均水温は11.4℃~12.5℃で、1月中旬に比べ約0.8℃低下しました。内浦海域の水温は、過去3年平均に比べ引き続き低めで推移しています。

2 港内水温(水深1.5m)
 1月25日~29日の平均水温は9.4℃~11.4℃で、1月中旬に比べ約1.1℃低下しました。宇出津港の水温は過去3年平均に比べ低めで推移しています。

石川県主要港の水揚げ状況(1月11日~20日)

1 定置網
 ブリは順調な水揚げが続いており前年を上回りました。11月から1月中旬までの累計は643トンで過去5年平均の174%でした。ウマヅラハギ(かわはぎ)・マサバは前年を上回り、スルメイカ・ヤリイカは前年並み、ガンド・フクラギ・マアジ・メジマグロは前年を下回りました。

2 まき網
 ブリは前年を上回り、ガンド・フクラギは前年を下回りました。

3 底びき網・ごち網
 アカガレイ・アマエビは前年並み、ズワイガニ・ニギス・アンコウ・マダラは前年を下回りました。

4 その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 マダラは前年を下回りました。例年であれば1月中旬頃よりまとまった水揚げがみられますが、今漁期は低調であった前年並みで推移しています。