2011年4月28日木曜日

日本海沿岸のスルメイカ漁況の見通し


 
 日本海では昨年の秋に生まれたスルメイカが今年の春から漁獲され始めます。昨年秋に行われた孵化直後の幼生(外套長1~3㎜)の分布量調査では、調査点当たりの平均採集個体数は1.25尾でした。1990年代以降の高い孵化水準が維持されているため、今年、漁獲対象資源が大きく減少することはないと判断されます。

 一方、今年4月に行われた漁獲加入前個体(外套長2~10㎝)の分布量調査によると、5~7月に漁獲対象に成長する個体の調査点当たりの平均採集個体数は2.3尾であり、近年平均(16.2尾)を下回り、昨年(2.0尾)並みでした。

 以上の結果から、今年5~7月の日本海におけるスルメイカの来遊量は近年平均を下回り、昨年並みと予想されます。なお、本予想の詳細は水産庁のホームページをご覧ください。
(http://abchan.job.affrc.go.jp/

また、石川県沿岸の漁況の見通しについては、本漁海況情報197号をご覧ください。

沿岸観測ブイの水温(4月22日~26日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、4月中旬に比べ約0.5℃上昇しました。4月22日~26日の平均水温は10.7℃~11.0℃で、前年より高めでしたが、過去3カ年平均と比較すると、いずれの観測点も低めで推移しています。


・港内水温(水深1.5m)は、4月中旬に比べ約0.6℃上昇しました。4月22日~26日の平均水温は11.2℃~13.3℃で、前年に比べ橋立港では0.6℃高め、宇出津港では0.3℃高め、石崎港では0.6℃高めでした。


石川県主要港の水揚げ状況(4月11日~20日)












・定置網
 マイワシは、蛸島港・宇出津港・七尾地区主体に、3月下旬以降、前年をかなり上回って推移しています。サワラ・サゴシは宇出津港・七尾地区主体に前年をかなり上回りました。スルメイカ・マアジは前年を上回りました。
・まき網
 金沢港・七尾港ではブリ・ガンド主体に水揚げがありました。

・底びき網
 ハタハタは、富来港・蛸島港主体に前年を上回りました。ニギス・アカガレイ・アマエビは前年並みでした。

・その他
 刺網では、フクラギ・ガンド・ウスメバル(やなぎばちめ)主体に水揚げがありました。

2011年4月19日火曜日

石川県沿岸のスルメイカ漁況の見通し(5月~7月)

 春季の日本海ではスルメイカの分布域が広い範囲に広がらず、能登から山陰の沿岸寄りにある年に石川県沿岸で好漁になります。
 分布域(※)全体に占める能登~山陰沿岸の分布域の割合が高いほど、石川県の5~7月の生鮮スルメイカの水揚量は多い関係が認められています。
 この関係と日本海海況予測システム(JADE)による予測水温に基づいて推定した5~7月の水揚量は4,259トンであり、昨年(3,730トン)および過去5カ年平均(3,593トン)を上回ると予想されます。


沿岸観測ブイの水温(4月13日~17日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、4月上旬に比べ約0.5℃上昇しました。4月13日~17日の平均水温は10.2℃~10.8℃で、前年並みでした。過去3カ年平均と比較すると、いずれの観測点も低めで推移しています。


・港内水温(水深1.5m)は、4月上旬に比べ約1.2℃上昇しました。4月13日~17日の平均水温は10.4℃~12.5℃で、前年に比べ橋立港では1.3℃高め、宇出津港では0.1℃低め、石崎港では2.1℃高めでした。


石川県主要港の水揚げ状況(4月1日~10日)

・定置網
 マイワシは、蛸島港・宇出津港・七尾地区主体に前年をかなり上回りました。2月以降、好漁が続いており、1月からの累計は519トンで過去10年平均の8.5倍となりました。スルメイカ・マアジ・サワラ(サゴシを含む。)は前年を下回りました。


・まき網
 金沢港・七尾港ではブリ・ガンド主体に水揚げがありました。

・底びき網
 ハタハタは、富来港・蛸島港主体に前年を上回りました。3月中旬まで低調に推移していましたが、3月下旬以降、過去10年平均並みで推移しています。ニギス・アカガレイは前年を下回り、アマエビは前年並みでした。。

・その他
 刺網では、フクラギ・ガンド・ウスメバル(やなぎばちめ)主体に水揚げがありました。


2011年4月11日月曜日

沿岸観測ブイの水温(4月2日~6日の平均)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、3月下旬に比べ約0.2℃上昇しました。4月2日~6日の平均水温は9.8℃~9.9℃で、前年に比べ0.0℃~0.2℃高めでした。過去3カ年平均と比較すると、昨年11月中旬以降、いずれの観測点も低めで推移しています。


・港内水温(水深1.5m)は、3月下旬に比べ約0.6℃上昇しました。4月2日~6日の平均水温は10.0℃~11.2℃で、前年に比べ橋立港では0.3℃低め、宇出津港では0.1℃高め、石崎港では0.9℃高めでした。


能登半島北西海域の中層水温(4月5日・6日観測結果)

調査船白山丸は、4月5日・6日に能登半島北西沖の海域で海洋観測を行いました。


・沿岸から50マイル以内の海域の平均水温は、過去10年平均に比べ200mを除く各層で低めとなり、特に50mではかなり低めでした。
・50マイル~100マイルの海域の平均水温は、過去10年平均に比べ表面と50mで平年並み、100mから300mでかなり高めでした。




石川県主要港の水揚げ状況(3月21日~31日)

・定置網 スルメイカは、七尾地区主体に前年を上回りました。2月中旬以降、好漁が続いており、1月からの累計は546トンで過去10年平均の129%となりました。マイワシ・サワラ(サゴシを含む。)は前年を上回り、カタクチイワシ・マアジ・ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を下回りました。


・まき網 金沢港・七尾港ではブリ主体に水揚げがありました。

・底びき網 ハタハタは、蛸島港主体に前年並みでした。3月中旬まで低調に推移していたことから、1月からの累計は211トンで、過去10年平均の38%となりました。ニギスは前年並み、アカガレイ・アマエビは前年を上回りました。

・その他 刺網では、フクラギ・ガンド・ウスメバル(やなぎばちめ)主体に水揚げがありました。