2016年9月30日金曜日

急潮情報(台風18号)2016-5-1


■本日1550分発表の気象庁台風予報によれば、台風18号は、315時には沖縄の南に位置し、中心気圧950hPa、中心付近の最大風速45m/sの非常に強い台風になると予想されています。その後、北東に向きを変え515時には能登半島周辺に接近すると予想されています。

■台風18号の予想進路・勢力は今後変わることが考えられますが、予想中心線より北側を進んだ場合には、南西寄りの強風が連吹し、その後急潮が発生する可能性が高くなります。また、南側を進んだ場合にも北東寄りの強風の連吹により急潮の可能性があり、十分警戒が必要です。

今後の気象情報・急潮情報等に十分注意するとともに、漁具の点検・管理に努め、適時に迅速な急潮対策が講じられるよう準備をお願います。

アオリイカの漁況の見通し (予報期間:9月~12月)

アオリイカは日本海側では青森県以南の沿岸域に分布し、水温の季節変動にあわせて、春に北上し、秋に南下します。石川県では南下期の個体が漁獲対象となっており、9~12月に主に定置網によって漁獲されます。

定置網による水揚量は年変動が大きく、これには水温が関係しています。9~12月の水揚量と9月上旬の宇出津港の水温との関係を調べたところ、水温が高い年ほど水揚量が多い傾向がみられます。今年の水温は26.2℃であり、過去5年平均(26.8℃)と同程度でした。この値を水温と水揚量の関係式に当てはめると、今年9~12月の定置網による水揚量は133トン程度と推定され、前年(89トン)を上回り、過去5年平均(154トン)を下回ると予想されます。

フクラギの漁況の見通し (予報期間:10月~来年3月)

今年生まれたブリの幼魚(0歳魚)は、本県では7月頃からボウズ(アオコ)やコゾクラ(ツバス)と呼ばれるサイズで定置網に入網し始め、9~10月にはフクラギと呼ばれるサイズにまで成長します。今年7~8月の主要10港定置網による水揚量は138トン(速報値)であり、平年(過去10年平均:118トン)とほぼ同水準でした。

盛漁期(10~11月)の水揚量は11月の富山湾における50m深水温が高いほど多く、越冬期(12~3月)の水揚量は12月における外浦沿岸から若狭湾沖における50m深水温が低いほど多くなる関係がそれぞれみられます。この関係と今期の水温予測値から、10月~来年3月の水揚量は521トン程度と推定されました。今後の海況状況により変動する可能性はあるものの、10月~来年3月のフクラギ水揚量は前年(193トン)を上回り、平年(過去10年平均:571トン)並みに推移すると予想されます。

調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:9月7日~14日)

調査船白山丸は9月7日から14日に大和堆周辺海域~北海道積丹半島西沖でイカ釣り操業を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は北緯42度以南では10.7~25.4尾、北緯42度以北(積丹半島西沖)では38.9~44.2尾であり、スルメイカは北海道西沖に多く分布していました。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は22.1cmであり、魚体は過去5年平均(23.2cm)よりやや小さめでした。

大型クラゲ情報 (期間:9月22日~26日)

■ 国立研究開発法人水産研究・教育機構が9月26日に、一般社団法人漁業情報サービスセンターが9月26日までに発表した大型クラゲに関する情報は次の通りです。
① 調査結果 水産研究・教育機構および水産業・漁村活性化推進機構は9月17~26日に、中表層トロール網および目視による大型クラゲの分布調査を行いました。鳥取沖から青森沖では、大型クラゲ計3個体が目視され、計4個体が入網しましたが、まとまった分布は確認されませんでした。また、9月中旬以降の島根・鳥取・兵庫・秋田の各県の調査でも少量の目視・入網がありました。
② 入網状況 山陰から北部日本海の広範囲で、定置網・底びき網・まき網で散発的な入網が続いています。また、9月24日に岩手県の定置網に初入網がありました。
■ 石川県内では、加賀・外浦海域の定置網で1日あたり1~30個体、底びき網で1曳網あたり1~20個体の入網が続いており、傘径100cmを超える大型個体も多く入網しています。内浦海域では現在入網情報はありませんが、十分注意してください。水産総合センターでは今後も大型クラゲの出現情報を収集・提供してまいります。大型クラゲの目視・入網情報等がありましたら、水産総合センターまでお知らせください。

石川県周辺海域の水温 (期間:9月22日~26日)

沿岸の海面水温 9月26日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は22~23℃台で、過去5年平均との差は-0.5~-1.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は22.2~24.8℃で、9月中旬から約1.2℃低下しました。前年同時期との差は-0.2~+1.3℃、過去3年平均との差は-1.7~+0.0℃でした。
港内の水温 今期の水温は21.9~24.9℃で、前年同時期との差は-1.7~+1.2℃、過去3年平均との差は-2.2~-0.0℃でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:9月1日~15日)

定置網 シイラ・ガンドは前年を上回り、サワラ・サゴシは前年並み、フクラギ・サバ・マアジは前年を下回りました。
まき網 フクラギ・ブリは前年を上回り、ガンドは前年を下回りました。
底びき網・ごち網 ニギス・アカガレイ・マダラは前年を上回り、アマエビは前年並みでした。
刺網・釣り・その他 サザエ・ベニズワイガニは前年を上回りました。

2016年9月15日木曜日

調査船白山丸のアマエビ調査結果 (期間:8月23日~25日)

調査船白山丸は8月23~25日に金沢沖の水深375~500mの海域でアマエビ(ホッコクアカエビ)の分布量調査を行いました。本調査は2007年から冬期と夏期の年に2回実施しており、縦150cm×横220cmの金属枠に長さ10m・目合16節の袋網を付けた漁具を30分間曳網し、来年以降の漁獲に関わる若齢エビの分布を調べています。

2015年生まれである1歳エビは、1回の曳網当たり53尾採集されました。

2014年生まれである2歳エビは、1回の曳網当たり430尾採集され、2010年生まれに次いで2番目に高い水準でした。2014年生まれは、去年の夏期調査でも高水準であり、資源が多いことは確実と思われます。アマエビの県内漁獲量は、2012年から増加が続いており、今年は7月時点で、昨年と同程度の水揚げとなっています。2014年生まれが本格的に漁獲対象となる2018年以降も、引き続き好漁が見込まれます。

大型クラゲ情報 (期間:8月22日~9月12日)

■ 一般社団法人漁業情報サービスセンターが9月12日までに発表した大型クラゲに関する情報は次のとおりです。
日本海(石川県以外) 9月5日に山形県の底びき網で、9月7日に秋田県の底びき網と青森県の定置網で、また、9月3日には青森県津軽半島の定置網で、傘径80~200cmの大型クラゲ1~20個体の入網が初確認されました。また、長崎県から福井県にかけての定置網では引き続き1~30個体程度の入網が確認されているほか、底びき網でも各地で1~数十個体程度の入網が続いています。
また、各県の目視調査で分布が確認されたほか、島根県が9月2・3日に兵庫県沖で行ったトロール調査では、傘径約100cm程度の個体が20~30個体入網しました。長崎県が対馬周辺で行った航空機による目視調査では、計61個体が確認されました。

■ 石川県内においては、8月22日には門前沖の定置網で、8月30日には曽々木沖の定置網で傘径50~100cmの個体の初入網がありました。また、9月1日の沿岸域の底びき網解禁以降、加賀・外浦海域では1曳網当たり数個体の入網が続いています。内浦海域でも、十分注意してください。水産総合センターでは今後も大型クラゲの出現情報を収集・提供してまいります。大型クラゲの目視・入網情報等がありましたら、水産総合センターまでお知らせください。

石川県周辺海域の海面水温 (期間:9月8日~12日)

沿岸の海面水温 9月12日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は25℃台で、過去5年平均との差は-0.5~+0.5℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は24.6~26.1℃で、8月下旬から約1.5℃低下しました。前年同時期との差は+1.0~+2.6℃、過去3年平均との差は-0.3~+0.5℃でした。
港内の水温 今期の水温は25.9~27.0℃で、前年同時期との差は+1.6~+2.7℃、過去3年平均との差は+0.4~+0.9℃でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:8月16日~31日)

定置網 マイワシ・シイラは前年を上回り、フクラギ・サワラ・サゴシは前年並みでした。

まき網 フクラギ・ブリは前年を上回り、ガンドは前年並みでした。
刺網・釣り・その他 アカイカは1.8トン水揚げされました。7月上旬から8月下旬までの累計は8.8トンで、前年(2.0トン)および過去5年平均(4.7トン)を上回りました。サザエ・ベニズワイガニは前年を下回りました。

2016年9月5日月曜日

急潮情報(台風12号)2016-4-2

■本日6時40分発表の気象庁気象情報によれば、現在、下関市の西約70kmに位置する台風12号は、その後、ゆっくりと北東に進み、6日には日本海上で熱帯低気圧になる見込みです。

■予報通りとなれば、能登半島周辺海域への大きな影響はなく、急潮の発生もないと考えられます。

■台風12号関連の急潮情報は本号で終了します。

2016年9月2日金曜日

急潮情報(台風12号)2016-04-01


■本日7時40分発表の気象庁台風情報によれば、台風12号は、5日に九州を上陸した後、6日には日本海の能登半島北西沖合いを通過する見込みです。
■台風の勢力はやや弱いものの、予報どおりの進路を通過した場合、能登半島沖合に南西寄りの強風が連吹し、その後急潮が発生する可能性があります。
■今後の気象情報・急潮情報等に十分注意するとともに、漁具の点検・管理に努め、適時に迅速な急潮対策が講じられるよう準備をお願います。