2010年12月28日火曜日

定置網の寒ブリ水揚げ状況(12月20日までの速報値)

石川県沿岸の定置網漁業では寒ブリの盛漁期を迎えています。
今漁期は12月初旬から七尾地区主体で水揚げがありました。2月中旬までの県内全体の漁獲量は118トンで、低調であった前年を上回り、過去10年平均並みで推移しています。しかし、七尾地区が好調となっている一方で、宇出津港や蛸島港などでは低調に推移しており、地区により違いがみられます。近県では、富山県の漁獲量は前年を上回り、新潟県佐渡は前年並みで推移しています。
(海洋資源部 奥野充一)

石川県主要港の水揚げ状況(12月11日~20日)

・定置網 ブリ・ソウダガツオ・シイラ・ウルメイワシは前年を上回り、マアジ・フクラギは前年を下回りました。

・まき網 ブリは金沢港・七尾港主体に前年並みでした。フクラギは富来港主体に前年を上回りました。

・底びき網 ズワイガニ・コウバコガニは、いずれも前年を上回りました。ニギスは金沢港主体に前年並み、アカガレイは前年を上回りました。

・その他 刺し網・釣りでは、フクラギ・アカガレイが前年を上回り、ベニズワイガニが前年を下回りました。

石川県周辺海域の表面水温図(12月27日)

・表面水温は14℃台の水域が広がっており、過去5年の平均水温と比較すると、能登半島西方沖で高めとなっています。

沿岸観測ブイの水温(12月26日)

・沿岸観測ブイの12月下旬の水温(水深10m)は、12月中旬に比べ約1.5℃低下しました。
12月26日の水温は14.4℃~15.1℃で、小浦・鵜川沿岸では前年に比べ0.4~0.6℃高めでした。

・港内水温(水深1.5m)は、12月中旬に比べ約2℃低下しました。12月26日の水温は11.1℃~14.5℃で、前年に比べ橋立港では0.1℃、宇出津港では0.3℃高めでした。石崎港では水温があまり下がらず、前年に比べ3.0℃高めでした。



スルメイカ漁況の見通し(漁法:定置網、期間:2011年1~3月)

石川県の1~3月の定置網によるスルメイカの漁獲量は、冬季(1月)の石川県以北沿岸(北緯40度以南・東経137度以東の日本海)の50m深平均水温が低いほど多くなる傾向があります。
これは、水温が低いほどスルメイカの分布域が沿岸寄りになるためと考えられ、厳冬であった2006年には1,208トンの好漁となりました。2007年以降は水温が高く、漁獲量は少なめに推移しています。
日本海海況予測システム(JADE)による予測計算では、2011年1月の50m深平均水温は過去3年平均並みの10.9℃であり、過去の漁獲量と50m深水温の相関関係式から、2011年1~3月の定置網によるスルメイカの漁獲量(331トン)は過去3年平均並みになると予想されます。

2010年12月17日金曜日

石川県主要港の水揚げ状況(12月1日~10日)

・定置網 ブリは、不調であった前年を上回りましたが、例年に比べ漁期が遅れ低調に推移しています。ウルメイワシ・シイラ・アオリイカは前年を上回り、マアジ・フクラギは前年を下回りました。


・まき網 ブリは金沢港・七尾港主体、フクラギは富来港主体に、いずれも前年を上回りました。ガンドは前年を下回りました。

・底びき網 ズワイガニ・コウバコガニは、いずれも前年を上回りました。金沢港・橋立港における解禁から12月10日までの延べ水揚げ隻数は前年の77%、水揚げ1回あたり重量は、ズワイガニが前年の175%、コウバコガニが前年の151%で、いずれも前年を上回りました。ニギス・アカガレイは前年を上回り、アマエビは前年を下回りました。

・その他 刺し網・釣りでは、フクラギ・アカガレイが前年を上回り、マダコ・ウマヅラハギ(かわはぎ)が前年を下回りました。

能登半島北西海域の中層水温(12月上旬)

調査船白山丸は、12月上旬に能登半島北西沖の海域で海洋観測を行いました。

沿岸から50マイル以内の海域の平均水温は、前年に比べ表面から水深200mまでの各層で低め、水深300mで高めでした。 
50マイル~100マイルの海域の平均水温は、前年に比べ表面から水深300mまでの各層で低めでした。


石川県周辺海域の表面水温図(12月15日)

・表面水温は15℃台の水域が広がっており、過去5ヵ年の平均水温と比較すると、佐渡島周辺海域で高めとなっています。

沿岸観測ブイの水温(12月14日)

 沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、12月上旬に比べ約1℃低下し、前年並みで推移しています。12月14日の水温は13.8℃~16.4℃で、小浦・鵜川沿岸では前年に比べ0.2℃低めでした。猿山岬沖では冷水域の接岸により13℃台となりました。

 港内水温(水深1.5m)は、12月上旬に比べ約1℃低下しました。12月14日の水温は12.9℃~16.1℃で、前年に比べ宇出津港では0.3℃低めでした。石崎港では水温があまり下がらず、前年に比べ0.8℃高めでした。


2010年12月8日水曜日

世界最大のウミガメ『オサガメ』が現れました!

12月4日に七尾市佐々波沖の定置網で、カメの仲間では世界最大となるオサガメが網に入りました。
(その後、無事に再放流されました。)
生息数が少なく人工飼育も難しいことから絶滅の危機に瀕しているウミガメで、国内法や国際条約により、死体であっても許可がない限り捕獲、所持、譲渡などが禁止されています。県内では過去に数例の漂着や混獲が報告されています。
混獲した場合は速やかに再放流してください
特徴は、全身が黒く、通常のカメに見られるような亀甲模様がなく甲羅は皮膚に覆われ、7本の筋状の盛りあがりがあります。遊泳能力は他のウミガメに比べて極めて高く、網の中で激しく暴れることもあります。その一方で、他のウミガメに比べて甲羅が柔らかく傷つきやすいため、再放流の際の取り扱いには注意が必要です。

昔話の『浦島太郎』に出てくるカメは本種がモデルになったと考えられています。

(株)佐々波鰤網のブログに当日の詳しい状況が書かれていますので、ご覧いただければと思います
(株)佐々波鰤網のブログはこちら→ さざなみ漁師の戯言 

石川県主要港の水揚げ状況(11月21日~30日)

・定置網 フクラギは宇出津港・七尾地区でまとまった水揚げがあり、前年をかなり上回りました。ウルメイワシ・シイラ・マサバ・マイワシは前年を上回り、マアジ・ソウダガツオは前年を下回りました。


・まき網 フクラギは富来港主体に前年を上回りました。ガンドは金沢港・輪島港・七尾港主体に前年を上回りました。

・底びき網 ズワイガニ・コウバコガニは前年を下回りましたが、11月30日までの延べ水揚げ隻数は前年の84%、水揚げ1回あたり重量は、ズワイガニが前年の129%、コウバコガニが前年の114%で、いずれも前年を上回りました。ニギス・アカガレイは前年並み、アマエビは前年を下回りました。

・その他 刺し網・釣りでは、外浦海域のマダラが、速報値では豊漁であった前年を下回るものの好調に推移しています。

石川県周辺海域の表面水温(12月6日)

表面水温は16℃台の水域が広がっており、過去5ヵ年の平均水温と比較すると、佐渡島周辺海域で高めとなっています。

沿岸観測ブイの水温(12月5日)

・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、11月下旬に比べ1℃程度低下しました。11月中旬以降、過去平均を下回って推移しています。12月5日の水温は15.0℃~17.6℃で、過去3年の平均水温に比べ0.2℃低めでした。


・港内水温(水深1.5m)は、11月下旬から横ばいで推移しています。12月5日の水温は14.2℃~17.2℃で、過去3年の平均水温に比べ宇出津港では0.1℃低めでした。石崎港では水温の低下が遅れており、過去3年の平均水温に比べ1.9℃高めでした。