2010年8月25日水曜日

コゾクラ(2010年生まれ)の漁獲状況

コゾクラ(2010年生まれ)の漁獲状況
 県内主要港における7月1日〜8月20日までのコゾクラ(ブリのうち500gサ
イズ以下の銘柄)漁獲量は78トンで、前年および過去5か年平均を下回る水準で推
移しています。(前年比72%・過去5か年平均比41%)。

 (社)全国海水養魚協会発行のモジャコ情報によると、西日本におけるモジャコの採
捕状況は、九州西岸(鹿児島県、熊本県、佐賀県、長崎県)では「堅調」でしたが、
日本海沿岸(山口県、兵庫県)では「低調」に終わりました。

 県内の漁況および西日本のモジャコの採捕状況から、コゾクラの来遊はやや遅れて
いるものと考えられますが、石川県沿岸では初漁期(7月)の漁獲量が少ない年は、盛
漁期(10月以降)の漁獲量が多くなる傾向がみられます。今年7月のコゾクラ漁獲
量は3トンで、過去の漁獲量から計算した相関関係から、10月以降のフクラギ漁獲
量は過去5か年平均を上回ることが予想されます。

沿岸観測ブイの水温(8月23日)

○各観測点の水温は、8月12日に台風4号が能登半島沖を通過した後、一時的に低
下しましたが、現在は台風通過前の水温へ戻り、かなり高めで推移しています。
○8月23日の沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、加賀沿岸・能登半島外浦沿岸で
27.7℃〜28.3℃で、過去3年の平均水温に比べ1.0〜1.5℃高めとなり
ました。内浦海域では28.5℃〜28.9℃で、過去3年の平均水温に比べ2.6
〜2.9℃程度高めとなりました。
○港内水温(水深1.5m)は、いずれの観測点も29℃以上で、過去3年の平均水
温に比べ2.2〜2.5℃高めとなりました。

石川県周辺海域の表面水温(8月23日)

石川県周辺海域の表面水温(8月23日)
○加賀沖から能登半島外浦沖の海域では26℃〜27℃の水域が広がっており、8月
中旬に比べ1℃程度低下しました。過去5カ年の平均水温と比較すると、加賀沖と禄
剛埼沖では高め、能登半島北方沖では過去平均並みとなっています。
○内浦海域では26.5℃以上の水域が広がっており、過去5カ年の平均水温と比較
すると、高めとなっています。

石川県内主要港の水揚げ状況(8月11日〜20日)

石川県内主要港の水揚げ状況(8月11日〜20日)

○定置網 コゾクラは、8月上旬まで低調に推移していましたが、中旬は七尾地区で
まとまった水揚げがあり前年をかなり上回りました。マアジは引き続き低調で、前年
をかなり下回りました。
○まき網 ブリは金沢港でまとまった水揚げがあり前年をかなり上回りました。富来
港・輪島港ではガンド・フクラギの水揚げがありました。
○その他 刺し網ではサザエが前年を下回り、釣りではタチウオが前年を上回りまし
た。

2010年8月13日金曜日

台風4号による急潮の発生状況

 12日午前に能登沖を通過した台風4号による急潮の観測状況(13日午前9時現在)
 各地で観測された最大流速は直前の予想(急潮情報3号)を下回り、幸いにも2ノット
に達するような猛烈な急潮は観測されませんでした。台風4号は12日午前に、能登沖
約140km付近を中心気圧992hPa,最大風速23m/sの勢力で通過し、舳倉島では08時25分
に最大風速(南の風23m/s)が観測されました。しかし、南西風は18m/s前後にとどま
り、猛烈な急潮の発生基準となる20m/sに達しなかったため、流れが弱まったと考え
られます。
 水産総合センターが11日に行った聞き取り調査では、本台風の接近に際して、操業
中のほぼすべての定置網で、落網や箱網を撤去するなどの防災対策が実施されたこと
を確認しています。今夏は、日本海で表層水温の高い状態が続いており、強い急潮が
発生しやすい環境条件が整っています。今後とも急潮に対する厳重な警戒と早めの対
策をお願いします。(海洋資源部 大慶則之)

石川県周辺海域の表面水温(8月12日)

○加賀沖から能登半島外浦沖の海域では27℃〜28℃の水域が広がっており、特に
加賀沖・禄剛崎沖には水温の高い海域がみられています。過去5カ年の平均水温と比
較すると、この海域では1.5℃程度高めとなっています。
○内浦海域では27.5℃以上の水域が広がっており、過去5カ年の平均水温と比較
すると、1℃程度高めとなっています。

沿岸観測ブイの水温(8月12日)

○気温がかなり高い日が続いていることもあり、各観測点の水温はかなり高めで推移
しています。
○8月12日の沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、加賀沿岸・能登半島外浦沿岸
で27.7℃〜28.9℃で、過去3年の平均水温に比べ3℃程度高めで推移してい
ます。内浦海域では27.6℃〜28.3℃で、過去3年の平均水温に比べ3℃程度
高めで推移しています。
○港内水温(水深1.5m)は、いずれの観測点も29℃以上でした。特に石崎港で
は31℃を超えており、過去3カ年の平均水温と比較すると、4℃高めとなりまし
た。

石川県内主要港の水揚げ状況(8月1日〜10日)

石川県内主要港の水揚げ状況(8月1日〜10日)
○定置網 いずれの地区もマアジ主体の水揚げ。前年同期は七尾地区で179トンの
水揚げがありましたが、本年はいずれの地区も低調となっています。サワラ・サゴシ
も前年をかなり下回りました。
○まき網 マアジ・マサバは富来港でまとまった水揚げがあり前年をかなり上回りま
した。クロマグロ・メジはいずれの地区でも水揚げがみられませんでした。
○その他 刺し網ではサザエが前年並み、釣りではマアジが前年を上回りました。

2010年8月11日水曜日

石川県内主要港の水揚げ状況(7月21日〜31日)

○定置網 マアジは宇出津港・七尾地区主体にまとまった水揚げがありましたが、外
浦海域では低調でした。7月上旬から下旬までの累計は450トンで、好漁であった
前年を下回りましたが、過去10年平均並みの水揚げでした。サゴシは1〜1.5k
gサイズ主体で前年をかなり上回りました。
○まき網 フクラギは富来港でまとまった水揚げがあり前年をかなり上回りました。
クロマグロは蛸島港・七尾港で水揚げがありましたが、引き続き散発的な状況となっ
ています。
○底びき網・ごち網 大和堆周辺海域のアマエビは前年を下回りました。7月上旬か
ら下旬までの累計は44トンで、前年並みでした。

沿岸観測ブイの水温(8月8日)

○気温がかなり高い日が続いていることもあり、各観測点の水温はかなり高めで推移
しています。
○8月8日の沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、加賀沿岸・能登半島外浦沿岸と
も27℃〜28℃で、過去3年の平均水温に比べ2.9〜3.5℃程度高めで推移し
ています。内浦海域では28℃〜29℃で、過去3年の平均水温に比べ3.0〜3.
1℃程度高めで推移しています。
○港内水温(水深1.5m)は、石崎港で30℃を超えており、過去3カ年の平均水
温と比較すると、3.4℃高めで推移しています。

石川県周辺海域の表面水温(8月8日)

○加賀沖から能登半島外浦沖の海域では26℃〜27℃の水域が広がっていますが、
猿山岬北西沖 には水温の低い海域がみられています。過去5カ年の平均水温と比較
すると、この海域では0.5℃程度低めとなっています。
○内浦海域では26℃以上の水域が広がっており、過去5カ年の平均水温と比較する
と、0.5℃程度高めとなっています。

大型クラゲ出現予測について(8月下旬)

平成22年7月22日に、(独)水産総合研究センターが公表した「大型クラゲの出現
について(第2報)」の概要は、以下のとおりです。

・7月15日および17〜18日に東シナ海北部〜中央部において、少数の大型クラ
ゲの出現を確認。現時点では、昨年度より出現量は少ない。
・FRA-JCOPE(太平洋および我が国周辺海況予測システム)を用いて、大型クラゲの出
現予測を行った結果、8月下旬に対馬海峡付近に大型クラゲが出現する可能性はある
が、その出現量はかなり少ないと思われる。

昨年度は7月上旬に対馬で大型クラゲの大量出現が確認されていましたが、本年度は
東シナ海で少量が確認されるにとどまっています。
しかし、平成19年のように出現時期が遅れ10月下旬に石川県周辺海域で漁業被害
をもたらした例もありますので、引き続き、今後の情報にご注意ください。