2013年12月27日金曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:12月20日~24日)

沿岸の海面水温 12月24日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は14℃台で、過去5年平均との差は-0.75~+0.25℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は14.9~15.2℃で、12月中旬から約0.8℃低下しました。前年同時期との差は+0.5~+1.2℃、過去3年平均との差は-0.3~+0.2℃でした。

港内の水温 今期の水温は11.8~15.2℃で、前年同時期との差は+0.8~+1.6℃、過去3年平均との差は-1.1~+0.3℃でした。



寒ブリ漁の現況と今後の見通し

寒ブリ漁は11月中旬から好調に始まり、11月としては1995年以降で最高の126トンを記録しました。12月も好調に推移しており、12月中旬までの累計は405トン(速報値)と過去10年平均(134トン)を大きく上回っています。水揚げされたもののほとんどが体重7kg以上の「大ブリ」です。11月には体重8kg台のブリが多く水揚げされましたが、12月には体重10kg以上のブリが多くなっています。

本県の定置網による寒ブリの 水揚量は、12月の佐渡島北沖の200m深水温が高く、能登半島北沖の200m深水温が低いと多くなる傾向があります。11月12日発表の漁海況情報289号では、12月の水温条件が良好と見込まれたことから、寒ブリ漁は豊漁になると予想しました。12月の水温条件は11月12日時点の見込みよりもさらに良くなっています。この水温に基づいて寒ブリの水揚量を予測したところ、今期(今年11月から来年3月)の水揚量は1,181トンと見積もられました。今後、体重4~6kg台の「中ブリ」の水揚げも加わり、最終的には大漁であった2010年・2012年並みの水揚量になると考えられます。

石川県主要港の水揚状況 (期間:12月11日~20日)

定置網 フクラギは七尾地区を中心に28トン水揚げされました。10月上旬から12月中旬の累計は696トンであり、前年(393トン)および過去5年平均(463トン)を上回っています。シイラ・マサバ・サワラ・サゴシは前年を上回り、ブリ・ソウダガツオ・アオリイカ・カワハギは前年並みでした。

まき網 フクラギは前年を上回りましたが、ガンド・ブリは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 ズワイガニは16トン、コウバコは16トン水揚げされました。11月上旬から12月中旬の累計は、ズワイガニ:137トン、コウバコ:170トンであり、いずれも前年並み(ズワイガニ:136トン、コウバコ:170トン)で推移しています。ニギス・アカガレイ・マダラなどは前年を下回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) マダラは輪島港を中心に20トン水揚げされました。11月上旬から12月中旬の累計は151トンであり、前年(115トン)・過去5年平均(126トン)を上回っています。フクラギは前年を上回り、ベニズワイガニは前年並み、マダコなどは前年を下回りました。

2013年12月20日金曜日

アカヤガラが獲れています!

丸くて細長く赤い体、長くて硬い口、なんとも珍しい形の魚ですが、本名(標準和名)をアカヤガラと言います。世界中の暖かい海に分布しており、太平洋では比較的よく見られ、最大で2mにまで達します。白身で淡白でありながら味わいがあり、高級魚として、刺身、塩焼、干物、吸い物等、様々な調理法で楽しまれています。
石川県では、以前は数年に1回しか獲れない珍しい魚でしたが、2000年頃から冬季の定置網に少ない(年間50~400kg程度)ながらも水揚げされるようになりました。今年は秋以降、体長1mの大型のものを中心に毎日のように漁獲され、1網で数10尾漁獲されることも珍しくありません。年間水揚量は12月16日現在で2.5トンと過去10年平均の25倍以上に達しています。夏の高水温と最近の大時化が珍客を呼んだのかもしれません。

石川県周辺海域の水温 (期間:12月12日~16日)

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は15.5~16.0℃で、12月上旬から約0.8℃低下しました。過去3年平均との差は-0.4~+0.6℃でした。

港内の水温 今期の水温は12.1~16.0℃で、前年同時期との差は+0.8~+2.2℃、過去3年平均との差は±0.0~+0.2℃でした。

沿岸の海面水温 12月6日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は15~16℃台で、過去5年平均との差は-0.5~+0.5℃程度で
した。

石川県主要港の水揚状況 (期間:12月1日~10日)

定置網 ブリは宇出津港・七尾地区を中心に97トン水揚げされました。11月上旬から12月上旬の累計は216トンであり、前年(77トン)および過去5年平均(54トン)を上回っています。フクラギ・シイラ・マアジ・ヒラマサは前年を上回り、アオリイカ・マサバは前年並み、ソウダガツオは前年を下回りました。

まき網 フクラギ・マアジは前年を上回りましたが、ガンドは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 ズワイガニは35トン、コウバコは31トン水揚げされました。11月上旬から12月上旬の累計は、ズワイガニ:113トン、コウバコ:150トンであり、いずれも前年並み(ズワイガニ:112トン、コウバコ:145トン)で推移しています。ニギス・アカガレイ・マダラなどは前年を上回りました。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) マダラは66トン水揚げされました。11月上旬から12月上旬の累計は128トンであり、前年(75トン)・過去5年平均(106トン)を上回っています。ベニズワイガニ・フクラギなどは前年を上回りました。

2013年12月10日火曜日

スルメイカの漁況の見通し (予報期間:来年1月~3月)

本県沿岸の定置網では12月頃からスルメイカの水揚量が徐々に増えてきます。スルメイカには秋生まれ群と冬生まれ群があり、冬季に定置網で漁獲されるスルメイカは冬生まれ群です。冬季の定置網による水揚量は年変動が大きく、これには海水温が関係しています。過去11年間の1~3月の水揚量と1月の50m深平均水温の関係を調べたところ、秋田県沖(北緯39~40度・東経138~139度の海域)の水温が低いほど、水揚量が多い傾向がみられました。

日本海海況予測システムでは、来年1月の秋田県沖の水温は10.5℃と予想されて います。この値を水温と水揚量の関係式に当てはめると、来年1~3月の定置網によるスルメイカの水揚量は429トンと見積もられ、前年(499トン)を下回るものの過去5年平均(409トン)を上回ると予想されます。

石川県周辺海域の水温 (期間:12月2日~6日)

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は15.5~17.2℃で、11月下旬から約1.1℃低下しました。過去3年平均との差は-1.3~+0.7℃でした。

港内の水温 今期の水温は15.3~17.0℃で、前年同時期との差は+0.2~+2.5℃、過去3年平均との差は±0.0~+0.8℃でした。

沿岸の海面水温 12月6日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は15~16℃台で、過去5年平均との差は-0.5~+0.5℃程度でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:11月21日~30日)

定置網 ブリは宇出津港・七尾地区を中心に72トン水揚げされました。11月上旬から11月下旬の累計は119トンであり、前年(13トン)および過去5年平均(17トン)を大きく上回っています。今期(11月~来年3月)のブリの水揚量は過去10年をかなり上回ると予想されており(本情報289号)、今後の好漁が期待されます。フクラギ・ヒラマサ・マサバは前年を上回りましたが、アオリイカ・マアジなどは前年を下回りました。

まき網 フクラギは前年を上回りましたが、ガンド・ブリは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 ズワイガニは17.7トン、コウバコは18.6トン水揚げされました。ズワイガニの11月の累計は78トンで、前年(94トン)・過去5年平均(125トン)を下回っています。コウバコの11月の累計は119トンで、前年(130トン)・過去5年平均(153トン)を下回っています。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) フクラギは前年並みでしたが、ベニズワイガニ・マダコなどは前年を下回りました。

2013年12月2日月曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:11月21日~25日)

沿岸の海面水温 11月25日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は17~18℃台で、過去5年平均との差は±0.0~+0.5℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は16.6~18.6℃で、11月中旬から約1.2℃低下しました。前年同時期との差は-0.7~+1.2℃、過去3年平均との差は-1.2~+0.4℃でした。

港内の水温 今期の水温は15.3~18.7℃で、前年同時期との差は+0.3℃、過去3年平均との差は-0.2~+0.4℃でした。

サバ類・マアジ・マイワシ等長期漁況予報 (予報期間:11月~来年3月)

独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所がとりまとめたサバ類・マアジ・マイワシ等の長期漁況予報が発表されました。島根県から新潟県沿岸の11月から来年3月の各魚種の漁況の見通しは下記のとおりです。近年の水揚量の推移は右図のとおりです。

サバ類 例年、日本海西部海域の0~1歳魚が水揚げの主体になります。資源豊度については、0歳魚(2013年生まれ)は前年並み、1歳魚(2012年生まれ)は前年を下回り、2歳魚(2011年生まれ)は前年並みと考えられています。来遊群の主体となる0歳魚の豊度が前年並みであることから、全体の来遊量は前年並みになると予想されます。

マアジ 例年、11~3月には0~1歳魚が水揚げの主体になります。資源豊度については、0歳魚(2013年生まれ)は前年を上回り、1歳魚(2012年生まれ)と2歳魚(2011年生まれ)は前年並みと考えられています。このことから、全体の来遊量は前年を上回ると予想されます。

マイワシ 例年、11~3月には0歳魚が水揚げの主体になり、1歳魚も水揚されます。資源豊度については、0歳魚(2013年生まれ)は前年を上回り、1歳魚(2012年生まれ)は前年並みと考えられています。このことから、全体の来遊量は前年を上回ると予想されます。

石川県主要港の水揚状況 (期間:11月11日~20日)

定置網 ブリは宇出津港・七尾地区で45.9トン(暫定値)の水揚げがありました。11月上旬から11月中旬の累計は46.3トンであり、前年(4.8トン)および過去5年平均(11.1トン)を上回っており、今年の寒ブリ漁は好調な滑りだしとなっています。マアジ・カマス・マサバ・ウルメイワシも前年を上回り、アオリイカは前年並み、フクラギ・ソウダガツオは前年を下回りました。

まき網 フクラギ・ガンド・マアジ・ブリなどが前年を上回りました。

底びき網・ごち網 ズワイガニは前年並みで、コウバコは前年を下回りました。ニギスは前年を上回り、マダラ・アカガレイは前年並みでした。

その他(刺し網・釣り・採介藻など) ベニズワイガニは前年並みで、マダラは前年を上回りました。