2024年4月30日火曜日

石川県沿岸のスルメイカ漁況の見通し(予報期間:5月~7月)

■ 石川県沿岸の5~7月の小型イカ釣りによるスルメイカの水揚量は海にいるイカの量と水温の影響を受けて増減していると考えられます。5月中旬の50m深水温が佐渡島沖で低いほど、水揚量が多くなる傾向がみられます。これは、春以降の水温上昇とともに能登半島周辺まで北上したスルメイカが佐渡島沖の冷水に進路を阻まれて滞留することで、本県沿岸に漁場が長期間形成されるためと考えられます。

■ 海況数値モデルによると、今年5月中旬の佐渡島沖の50m深水温は過去5年平均より低くなると予測されています。また、水産研究・教育機構が昨年実施した孵化幼生の分布量調査によると、今年漁獲対象となるスルメイカの発生量は過去5年平均を下回ったとされています。発生量および水温と水揚量の関係式からは、今期の小型イカ釣りによる水揚量は2022年並みになると予想されました。しかしながら、今期は震災の影響で石川県沿岸で操業する小型イカ釣漁船の隻数が減少すると見込まれており、実際の水揚量はこの予想を下回ることが見込まれます。

寒ブリ漁およびフクラギ漁のまとめ

■ 今期(2023年11月~2024年3月)の定置網による寒ブリの水揚量は1,508トンで、前年(573トン ) および 過 去 10 年平均( 451 ト ン ) を 上 回り、1995年以降で最も多くなりました。今期は12月初旬から豊漁が続き、2月初旬までまとまった水揚げがみられました。漁海況情報533号では、今期の水揚量は545トンで、過去10年平均を上回ると予想しましたが、予想をさらに上回る水揚量でした。好漁になった要因として、日本海北部沿岸の水温が高く、寒ブリが能登半島沿岸に来遊しやすい海況であったことが考えられます。

■ 今期(2023年10月~2024年3月)の定置網によるフクラギの水揚量は511トンで、前年(236トン)および過去5年平均(292トン)を上回りました。今期の水揚量は、漁海況情報531号では10~11月は129トン、同534号では12~3月は88トン、合計217トンと予想しましたが、それを上回る水揚量でした。







冬期のスルメイカ漁のまとめ (期間:2024年1月~3月)

 ■ 今期の定置網による水揚量は90トンで、前年 (162トン)および過去5年 平均(338トン)を下回りました。漁期を通じて水揚げが振るわず、1995年以降で最も少ない水揚げでした。

■ 漁海況情報535号では、今期の水揚量は前年を上回り、過去5年平均並みになると予想していましたが、予想を下回る水揚量でした。



ズワイガニ漁のまとめ (期間:2023年11月~2024年3月)

 ■ 2023年漁期(昨年11月~今年3月)の底びき網漁船による県内主要港(橋立港・金沢港・富来港・輪島港・蛸島港・鵜飼港)におけるズワイガニの水揚状況は以下のとおりでした。

■ ズワイガニ雄(加能ガニ)の水揚量は 152 ト ン で 、 前 年 ( 154 ト ン ) の99%、過去5年平均(160トン)の95%でした。ズワイガニ雌(香箱ガニ)の水揚量 は 200 ト ン で 、 前 年 ( 134 ト ン ) の149 % 、過 去 5 年 平 均 ( 97 ト ン ) の206%でした。

■ 出漁隻日あたりの水揚量は、ズワイガニ雄が142キログラムで、過去5年平均(113キログラム)の125%、ズワイガニ雌が275キログラムで、過去5年平均(126キログラム)の218%でした。

■ ズワイガニ雄のキログラム単価は6,197円で、前年(7,042円)を下回っ

たものの過去5年平均(6,236円)並みとなりました。ズワイガニ雌の単価は1,871円で、前年(3,269円)及び過去5年平均(3,468円)を下回りました。

■ 総水揚金額は13.2億円であり、前年(15.2億円)を下回り、過去5年平均(13.0億円)並みでした。

■ 本県の底びき網漁業者は持続的な水揚げに向け、ズワイガニ雌の漁期短縮やミズガニの自主禁漁など資源管理に積極的に取り組んでいます。



石川県周辺海域の水温 (期間:4月6日~10日)

■ 沿岸の海面水温 4月10日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は10~12℃台で、過去5年平均との差は-1.0~±0.0℃程度でした。

■ 沿岸観測ブイの水温 今期の水温は11.3~11.5℃で、3月下旬から0.8℃上昇しました。過去5年平均との差は-0.9~-0.1℃でした。

■ 港内の水温 今期の水温は12.7~14.0℃で、前年同時期との差は-0.7~-0.5℃、過去5年平均との差は-0.4~+0.6℃でした。