2011年8月30日火曜日

沿岸観測ブイの水温(8月24日~28日の平均)



・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、8月中旬に比べ約0.8℃低下しました。8月24日~28日の平均水温は25.9℃~27.1℃で、猛暑であった前年と比較すると、いずれの観測点もかなり低めですが、概ね過去3年平均並みでした。


・港内水温(水深1.5m)は、8月中旬に比べ約0.8℃低下しました。8月24日~28日の平均水温は、27.0℃~28.1℃で、過去3年平均と比較すると、橋立港では高め、宇出津港では平均並みでした。

石川県周辺海域の表面水温図(8月29日)



表面水温は加賀沖・能登沖とも26℃台の水域が広がっており、過去5年の平均水温と比較すると、能登半島北西沖で0.5℃~1.0℃低めとなっています。

石川県主要港の水揚げ状況(8月11日~20日)



・定置網
 コゾクラは、七尾地区主体に前年を下回りました。6月から8月中旬までの累計は87トンで、過去5年平均並みでした。フクラギ・マアジは前年を上回り、シイラは前年を下回りました。


・まき網
 フクラギは、富来港・輪島港主体に前年を上回りました。富来港のマイワシはほぼ終漁となりました。4月から8月中旬までの累計は2,505トンで、過去5年平均をかなり上回りました。

・底びき網・ごち網
 金沢港では、大和堆周辺海域で操業する沖合底びき網のアマエビ主体に水揚げがありました。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 サザエは前年を下回り、フクラギ・ガンドは前年を上回りました。

2011年8月19日金曜日

白山丸の調査予定

第3次スルメイカ釣り試験操業・沖合海洋観測  8月18日~31日(能登半島沖~日本海沖合)


潮流観測  9月5日~7日(輪島沖)

調査船白山丸によるホッコクアカエビ(甘えび)分布量調査結果



 調査船白山丸は8月2日から4日に金沢沖の水深400~500mの海域でホッコクアカエビ(甘えび)の分布調査を行いました。本調査は2008年から実施しており、縦150㎝×横220㎝のソリ付きの金属枠に長さ10m・網目16節(20.2mm)の袋網を取り付けた漁具を30分間曳網し、稚エビの分布を調べています。


 2009年8月に頭胸甲長11mm付近にみられた2008年生まれの卓越年級群(発生量の多い群れ)は、本調査では頭胸甲長19mm付近の漁獲サイズにまで成長していることが確認されました。今回の調査では頭胸甲長10mm付近に2010年生まれの卓越年級群が新たに確認されました。この卓越年級群は、2008年生まれの卓越年級群に比べて分布密度が約10倍も高いことから、これが漁獲サイズにまで順調に成長すれば、2013年の秋以降、漁獲量の増加に寄与するものと予想されます。

 卓越年級群をうまく利用して、漁獲量や漁獲金額の増加につなげるには漁獲サイズ未満の稚エビを保護することが大切です。漁業者の皆様には、小型個体が多く入網する海域での操業をひかえるか網目拡大して資源の有効利用に努めていただきますようお願いします。

沿岸観測ブイの水温(8月13日~17日の平均)



・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、8月上旬に比べ約1.8℃上昇しました。8月13日~17日の平均水温は27.3℃~28.2℃で、過去3年平均と比較すると、いずれの海域でも高めでした。


・港内水温(水深1.5m)は、8月上旬に比べ約1.2℃上昇しました。8月13日~17日の平均水温は宇出津港が27.3℃、橋立港が29.5℃で、過去3年平均と比較するといずれの港も高めでした。橋立港では8月11日まで30℃台で推移していましたが、その後はゆるやかに低下しています。

石川県主要港の水揚げ状況(8月1日~10日)


・定置網
 マアジは、七尾地区でまとまった水揚げがあり前年を上回りました。コゾクラは、漁期が遅れた前年を上回り過去10年平均並みでした。フクラギ・ガンドは前年を上回りました。


・まき網
 マイワシは、富来港主体に前年をかなり上回りました。フクラギは富来港・輪島港主体に前年をかなり上回りました。

・底びき網・ごち網
 大和堆周辺海域で操業する沖合底びき網のアマエビは前年を下回りました。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 サザエは前年並み、ウスメバル(やなぎばちめ)・フクラギ・ウマヅラハギ(かわはぎ)は前年を上回りました。

2011年8月10日水曜日

巻貝の卵塊?

 石川県漁協すず支所から、ハタハタの卵塊を大きくしたようなものが地びき網で獲れたので調べてほしいとの連絡をいただきました。
 下の写真はこの塊を2つに切った断面です。直径は23cmで、薄茶色の管が網目状に中心までびっしりと詰まっています。水槽に入れていたところ、中から貝の幼生がたくさん出てきましたので、巻き貝の卵塊だと思われます。貝の種類等詳しいことがわかりましたらお知らせしたいと思います。

 この卵塊が獲れた時の様子は、石川県漁協すず支所参事さんのブログに掲載されていますので、こちらもご覧いただければと思います。(海洋資源部 木本昭紀)
http://osakana-suzu.blogspot.com/2011/08/blog-post_10.html







大型くらげ情報(独立行政法人 水産総合研究センター)



独立行政法人水産総合研究センターが発表した大型クラゲの出現に関する現在までの情報は以下のとおりです。


1 大型クラゲの出現状況(上図参照)

・7月17日と19日の目視調査では、中国・青島沖の黄海中央海域で少数の大型クラゲが確認されました。
・7月15~25日の分布調査では、済州島の南で3個体の大型クラゲが確認されました。
・対馬近海~山陰西部海域では、現在までのところ、大型クラゲは確認されていません。

 以上のように、現時点での大型クラゲの出現量は、黄海では出現量の少なかった平成20年と同程度ですが、東シナ海や日本海では非常に少ない状況です。

2 大型クラゲ出現予測について(8月下旬)

 黄海中央部の大型クラゲ群は8月末まで黄海内部に滞留し、日本周辺水域への大量出現の可能性は低いと思われます。

沿岸観測ブイの水温(8月4日~8日の平均)





・沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、7月下旬に比べ約1.7℃上昇しました。8月4日~8日の平均水温は25.1℃~26.4℃で、過去3年平均と比較すると、いずれの海域でも低めでした。


・港内水温(水深1.5m)は、7月下旬に比べ約1.9℃上昇しました。8月4日~8日の平均水温は26.4℃~29.6℃で、過去3年平均と比較すると橋立港・石崎港では高め、宇出津港では低めでした。7月22日に台風が通過した後、4~5℃低下しましたが、現在は台風通過前の水温へ戻っています。

石川県主要港の水揚げ状況(7月21日~31日)


・定置網
 マアジは、県内全域で水揚げの主体となっており前年並みでした。コゾクラは、漁期が遅れた前年を上回り過去10年平均並みでした。フクラギ・マサバは前年を上回りました。


・まき網
 マイワシは、富来港主体に前年をかなり上回りました。6月中旬以降、過去10年平均を上回る水揚げが続いています。マサバ・マアジ・ウルメイワシは前年を上回りました。

・底びき網・ごち網
 大和堆周辺海域で操業する沖合底びき網のアマエビは前年並みでした。

・小型いか釣り
 スルメイカは、蛸島港・宇出津港で水揚げがみられましたが、ほぼ終漁となりました。

・その他(刺し網・釣り・採介藻など)
 サザエ・ウスメバル(やなぎばちめ)・ウマヅラハギ(かわはぎ)・マダコ主体の水揚げとなっています。