2014年7月22日火曜日

日本海スルメイカ長期予報 (予報期間:8月~12月)

資源状況 スルメイカ漁場一斉調査が6月下旬から7月上旬に行われました。石川県の調査船白山丸の他、北海道から鳥取県の7道県と日本海区水産研究所の調査船が合計56定点でイカ釣り操業を行い、スルメイカの分布状況や魚体サイズ(外套長)を調べました。全調査点の釣機1台1時間当たりの釣獲尾数(CPUE)の平均値が資源量の指標になります。今年の平均CPUEは29.3尾であり、前年(14.1尾)および過去5年平均(16.2尾)を大きく上回りました。この結果から、今年の資源量は前年および過去5年平均を上回っていると判断されます。

分布状況と魚体サイズ 北海道周辺海域や大和堆周辺海域ではCPUEが50尾以上の分布密度の高い調査点が多数ありました。北海道周辺海域では外套長21cm未満の小型個体が多く、大和堆周辺海域では同21cm以上の大型個体が多く、全体としては(次頁図:外套長別の平均CPUE)、外套長17cm以上の個体が前年および過去5年平均よりも多く分布していました。

太平洋側の資源状況 太平洋側に分布するスルメイカは10月以降、宗谷海峡および津軽海峡を経由して日本海に来遊します。このため、太平洋側のスルメイカの資源状況は10月以降の日本海の漁況に影響します。太平洋スルメイカ長期漁況予報によると、今年の資源量は前年並みと予測されています。

漁況の見込み 以上より、日本海全体では今期の来遊量(漁獲量)は前年および過去5年平均を上回ると予想されます。海域別のいか釣り漁業の漁況は以下のように予想されます。

道北・道央:来遊量は前年・過去5年平均を上回る。8・9月には高水温の影響で沖合寄りに漁場形成。

道南・津軽:来遊量は前年・過去5年平均を上回る。8・9月には高水温の影響で沖合寄りに漁場形成。

本州北部日本海:来遊量は前年・過去5年平均を上回るが、活発な漁場形成はない。

西部日本海:来遊量は前年・過去5年平均を上回るが、活発な漁場形成はない。

沖合域:来遊量は前年・過去5年平均を上回る。8月には大和堆周辺、9・10月には北海道沖に漁場形成。

本予報の詳細については下記URLの資料をご覧ください。
日本海スルメイカ長期漁況予報 : http://abchan.job.affrc.go.jp/gk26/20140718_n.pdf
太平洋スルメイカ長期漁況予報 : http://abchan.job.affrc.go.jp/gk26/20140718_t.pdf


石川県周辺海域の海面水温 (期間:7月13日~17日)

今期の沿岸観測ブイの水温(深度10m)および港内水温(深度1.5m)は23.8~24.9℃であり、前年同時期との温度差は-1.9~+0.3℃でした。本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は24~25℃程度であり、過去5年平均との差は+0.25~+0.75℃でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:7月1日~15日)

定置網 フクラギ・サワラ・サゴシ・フグ類は前年を上回り、マアジ・スルメイカは前年並み、トビウオ・サバ・カタクチイワシは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 沖合底びき網(大和堆周辺海域で操業)のアマエビは前年を上回りました。

刺網・釣り・その他 アカガレイなどは前年を上回り、ベニズワイガニなどは前年を下回りました。

小型いか釣り スルメイカは前年を下回りました。5月1日から7月15日の県内水揚量は2,162トンであり、前年(2,891トン)および過去5年平均(2,488トン)を下回りました。

2014年7月14日月曜日

石川県周辺海域の水温 (期間:7月6日~10日)

沿岸の海面水温 7月10日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は23~24℃台であり、過去5年平均との差は+0.25~+0.75℃程度でした。

沿岸観測ブイの水温 今期の水温は22.0~23.2℃で、6月下旬から約1.7℃上昇しました。前年同時期との差は-1.1~-0.5℃、過去3年平均との差は-0.3~+2.6℃でした。

港内の水温 今期の水温は22.6~25.8℃で、前年同時期との差は-0.5~+1.5℃、過去3年平均との差は-0.0~+1.9℃でした。

大型クラゲ情報 (期間:6月21日~25日)


独立行政法人水産総合研究センターが7月3日に発表した大型クラゲに関する情報は次のとおりです。

日本海 7月3日現在、対馬海峡を含む日本沿岸での出現は確認されていません。

東シナ海 水産総合研究センターの調査船陽光丸は6月22~25日に東シナ海で目視調査を行い、東シナ海西部(上海沖)で大型クラゲの分布を確認しました。東シナ海西部の分布密度は0.05個体/100m2であり、前年同時期(0.33個体/100m2)を下回りました。

黄海 広島大学は6月21~25日に下関・青島間の国際フェリーで目視調査を行い、青島沖で少数の大型クラゲを視認しました。黄海全域の分布密度は0.0005個体/100m2であり、前年同時期(0.0002個体/100m2)と同程度でした。大型クラゲが大量発生した2009年の分布密度(0.71個体/100m2)を大きく下回っています。

以上の結果から、大型クラゲの分布水準は前年同時期を下回っていると判断されます。水産総合センターでは今後も大型クラゲの出現情報を収集・提供してまいります。大型クラゲの目視情報がありましたら、水産総合センターまでお知らせください。

石川県主要港の水揚状況 (期間:6月16日~30日)

定置網 トビウオは56トン水揚げされました。5月上旬から6月下旬の累計は94トンであり、前年および過去5年平均を下回りました。フクラギ・フグ類は前年を上回り、マアジ・サバ・カタクチイワシなどは前年を下回りました。

まき網 マアジ・ウルメイワシは前年を上回り、マイワシは前年を下回りました。

底びき網・ごち網 アマエビは70トン水揚げされました。3月上旬から6月下旬の累計は318トンであり、前年および過去5年平均を上回りました。マダラは前年を上回り、ニギス・アカガレイ・ハタハタは前年を下回りました。

刺し網・釣り・小型いか釣り・その他 ヤナギバチメは前年を上回り、ベニズワイガニ・イワガキ・アカラバチメは前年並み、サザエ・スルメイカは前年を下回りました。