2017年9月29日金曜日

調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:9月20日~27日)

■ 調査船白山丸は9月20日から27日に日本海中央部(大和堆付近)でイカ釣り操業を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は2.5~62.7尾であり、大和堆の北東付近にスルメイカが多く分布していました。本調査の平均CPUEは25.7尾であり、前年同時期平均(22.9尾)並みで、過去5年同時期平均(44.6尾)を下回りました。定点調査ではないため厳密に比較できませんが、今年9月の日本海沖合のスルメイカの分布量は前年並みと考えられます。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は22.3cmであり、魚体は前年(22.1cm)並みで、過去5年平均(23.4cm)より小型でした。

アオリイカの漁況の見通し (予報期間:9月~12月)

■ アオリイカは日本海側では青森県以南の沿岸域に分布し、水温の季節変動にあわせて、春に北上し、秋に南下します。石川県では南下期の個体が漁獲対象となっており、9~12月に主に定置網によって漁獲されます。
■ 定置網による水揚量は年変動が大きく、これには水温が関係しています。9~12月の水揚量と9月上旬の宇出津港の水温との関係を調べたところ、水温が高い年ほど水揚量が多い傾向がみられます。今年の水温は26.4℃であり、過去5年平均(26.7℃)と同程度でした。この値を水温と水揚量の関係式に当てはめると、今年9~12月の定置網による水揚量は140トン程度と推定され、前年(128トン)をやや上回り、過去5年平均(138トン)並みになると予想されます。

石川県周辺海域の水温 (期間:9月22日~26日)

沿岸の海面水温 9月26日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は23℃台で、過去5年平均との差は-1.5~-0.5℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は23.8~24.5℃で、9月中旬から約0.9℃低下しました。前年同時期との差は-0.5~+2.3℃、過去3年平均との差は-0.5~+2.3℃でした。
港内の水温 今期の水温は24.2~24.4℃で、前年同時期との差は-0.5~+2.2℃、過去3年平均との差は-0.2~+1.3℃でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:9月1日~15日)

定置網 カマス・マアジは前年を上回り、フクラギ・コゾクラ・シイラ・サバは前年並み、サワラ・サゴシは前年を下回りました。
まき網 ガンド・サバは前年を上回り、フクラギ・コゾクラ・ブリは前年を下回りました。
底びき網・ごち網 ハタハタは前年を上回り、アマエビ・アカガレイ・マダラは前年並み、ニギスは前年を下回りました。
刺網・釣り・その他 ベニズワイガニ・アカラバチメは前年を上回り、サザエは前年を下回りました。

2017年9月16日土曜日

急潮情報2017-4-3(台風18号)



■本日03時50分気象庁発表の台風情報によれば、03時現在、東シナ海上に位置する大型で非常に強い台風18号は、17日午前には九州に上陸し、18日未明には強い勢力(中心気圧970hpa,最大風速35m/s)で能登半島に最接近すると予想されています。

■台風18号の接近に伴い、能登半島沿岸海域では18日の朝方にかけて20~30m/sの強風が予想されており、大きな時化が見込まれます。

■予測される気象条件を基に、急潮が最も強まる時刻と強さを予測した結果は以下の通りです。
・外浦海域
  18日6~9時頃  下り潮 1.0~1.5ノット前後
・内浦海域北部(小木以北)
  18日6~9時頃  下り潮 1.0~1.5ノット
  18日18~20時頃 上り潮 1.5ノット前後
・内浦海域南部(小木以南)
  18日6~9時頃  下り潮 1.0~1.5ノット
  18日20~22時頃 上り潮 1.0~1.5ノット
※台風の進路が、現在の予報円中心線より北側(日本海沖合側)を通過した場合は、急潮はさらに強まると予想されます。

■急潮の他、波浪による警戒も必要です。今後、気象情報・急潮情報等に注意して、小型定置網も含め、迅速かつ適切な急潮対策(網抜き等)を講じるようお願いします。

2017年9月14日木曜日

急潮情報(台風18号)2017-4-2

■ 本日15時45分気象庁発表の台風情報によれば、15時現在、東シナ海上に位置する非常に強い台風18号は、17日未明には九州に上陸し、夜半には能登半島に最接近すると予想されています。
■ この台風の今後の進路および勢力は、大きな被害を発生させた2004年の台風16号と類似しています。現在の予報円の北寄り(日本海上)を通過した場合には、台風通過後に1.5ノット以上の大きな急潮の発生する可能性が高くなります。
■ 今後の気象情報・急潮情報等に注意して天候の急変に十分な警戒を払い、適時・適切な急潮対策(網抜き等)を講じるようお願いします。

石川県周辺海域の水温 (期間:9月6日~10日)

沿岸の海面水温 9月10日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は25℃台で、過去5年平均との差は-0.5~±0.0℃程度でした。
沿岸観測ブイの水温 今期の水温は24.9~26.4℃で、8月下旬から約1.5℃低下しました。前年同時期との差は-0.5~+0.6℃、過去3年平均との差は-0.5~+1.3℃でした。
港内の水温 今期の水温は24.9~26.4℃で、前年同時期との差は-1.7~+0.1℃、過去3年平均との差は-0.9~+0.7℃でした。

調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:8月19日~27日)

調査船白山丸は8月19日から27日に日本海中央部(大和堆北東付近)から渡島半島西沖でイカ釣り操業を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は3.2~33.5尾であり、スルメイカは広く分布しているものの漁獲は振るいませんでした。本調査の平均CPUEは15.8尾であり、前年同時期平均(31.6尾)および過去5年同時期平均(29.0尾)を下回りました。定点調査ではないため厳密に比較できませんが、今年8月の日本海沖合のスルメイカの分布量は前年および過去5年平均を下回っていると考えられます。本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は21.7cmであり、魚体は前年(21.5cm)並みで、過去5年平均(22.2cm)より小型でした。

石川県主要港の水揚状況 (期間:8月16日~31日)

定置網 カタクチイワシ・フクラギは前年を上回り、シイラ・マアジ・サバは前年を下回りました。
まき網 ガンド・ブリは前年並み、フクラギは前年を下回りました。サバは110トン水揚げされました。8月前半から後半までの累計は171トンで、前年(18トン)および過去5年平均(137トン)を上回りました。
底びき網・ごち網 沖合底びき網のアマエビは前年を上回りました。
刺網・釣り・その他 サザエ・ベニズワイガニ・カワハギは前年を上回りました。アカイカは2トン水揚げされました。7月前半から8月後半までの累計は5トンで、前年(9トン)を下回り、過去5年平均(6トン)並みでした。

2017年9月13日水曜日

急潮情報2017-4-1(台風18号)

 ■本日05時45分気象庁発表の台風情報によれば、5時現在、宮古島の南東約170㎞に位置する強い台風18号は、勢力を拡大しながら、週末には九州に接近すると予想されています。

■台風通過に伴い、大きな時化が予想されます。また、進路が予報円の北寄りの日本海上をとった場合、大きな急潮が発生する可能性も高くなります。

■今後の気象情報・急潮情報等に十分注意するとともに、漁具の点検・管理に努め、いつでも迅速な急潮対策が講じられるよう準備をお願いします。