沿岸観測ブイの水温 今期の水温は14.9~15.2℃で、12月中旬から約0.8℃低下しました。前年同時期との差は+0.5~+1.2℃、過去3年平均との差は-0.3~+0.2℃でした。
港内の水温 今期の水温は11.8~15.2℃で、前年同時期との差は+0.8~+1.6℃、過去3年平均との差は-1.1~+0.3℃でした。

寒ブリ漁は11月中旬から好調に始まり、11月としては1995年以降で最高の126トンを記録しました。12月も好調に推移しており、12月中旬までの累計は405トン(速報値)と過去10年平均(134トン)を大きく上回っています。水揚げされたもののほとんどが体重7kg以上の「大ブリ」です。11月には体重8kg台のブリが多く水揚げされましたが、12月には体重10kg以上のブリが多くなっています。
丸くて細長く赤い体、長くて硬い口、なんとも珍しい形の魚ですが、本名(標準和名)をアカヤガラと言います。世界中の暖かい海に分布しており、太平洋では比較的よく見られ、最大で2mにまで達します。白身で淡白でありながら味わいがあり、高級魚として、刺身、塩焼、干物、吸い物等、様々な調理法で楽しまれています。
定置網 ブリは宇出津港・七尾地区を中心に97トン水揚げされました。11月上旬から12月上旬の累計は216トンであり、前年(77トン)および過去5年平均(54トン)を上回っています。フクラギ・シイラ・マアジ・ヒラマサは前年を上回り、アオリイカ・マサバは前年並み、ソウダガツオは前年を下回りました。
本県沿岸の定置網では12月頃からスルメイカの水揚量が徐々に増えてきます。スルメイカには秋生まれ群と冬生まれ群があり、冬季に定置網で漁獲されるスルメイカは冬生まれ群です。冬季の定置網による水揚量は年変動が大きく、これには海水温が関係しています。過去11年間の1~3月の水揚量と1月の50m深平均水温の関係を調べたところ、秋田県沖(北緯39~40度・東経138~139度の海域)の水温が低いほど、水揚量が多い傾向がみられました。
定置網 ブリは宇出津港・七尾地区を中心に72トン水揚げされました。11月上旬から11月下旬の累計は119トンであり、前年(13トン)および過去5年平均(17トン)を大きく上回っています。今期(11月~来年3月)のブリの水揚量は過去10年をかなり上回ると予想されており(本情報289号)、今後の好漁が期待されます。フクラギ・ヒラマサ・マサバは前年を上回りましたが、アオリイカ・マアジなどは前年を下回りました。
独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所がとりまとめたサバ類・マアジ・マイワシ等の長期漁況予報が発表されました。島根県から新潟県沿岸の11月から来年3月の各魚種の漁況の見通しは下記のとおりです。近年の水揚量の推移は右図のとおりです。