2019年12月17日火曜日

スルメイカの漁況の見通し (予報期間:来年1月~3月)

スルメイカには秋生まれ群と冬生まれ群があり、冬に定置網で漁獲されるスルメイカは主に冬生まれ群です。定置網による水揚量は年変動が大きく、これには海水温が関係しています。過去17年間の1~3月の水揚量と1月の50m深水温の関係を調べたところ、能登半島北沖と秋田県西沖の平均水温が低いほど、水揚量が多い傾向がみられました。また、近年、冬生まれ群の資源量が減少しており、これにともない水揚量も減少する可能性があります。
海況数値モデル(日本海区水産研究所)によると、来年1月の能登・秋田県沖の50m深平均水温は過去5年平均並みになると予測されています。しかし、今年の冬生まれ群の資源量は前年並みに少なく、過去5年平均を大きく下回っています。この水温と資源量に基づいて、来年1~3月の定置網による水揚量を予測したところ、270トンと見積もられました。従って、今期の定置網による水揚量は2019年(294トン)並みで、過去5年平均(416トン)を下回ると予想されます。

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