2025年6月3日火曜日

石川県沿岸のスルメイカ来遊の見通し (予報期間:5月~8月)

 ■ 石川県沿岸には58月にスルメイカが来遊します。過去の小型イカ釣り漁船の11隻当たり水揚箱数(CPUE)、水温分布、並びに前年のスルメイカ孵化幼生分布量を要素として、今年の58月の来遊状況の予測を行いました。

■ それぞれの要素について過去のデータを用いて関係を解析したところ、5月中旬の佐渡島西方沿岸と能登半島北方沖合の50m深水温が低いほどCPUEが高い傾向がみられました。これは、春以降の水温上昇とともに能登半島周辺まで北上したスルメイカが冷水に進路を阻まれて滞留することで、本県沿岸に漁場が長期間形成されるためと考えられます。また、孵化幼生分布量が極端に少ないと翌年のCPUEは低くなる傾向がみられました。

■ 今年については、海況数値モデルによると、5月中旬の50m深水温は、佐渡島西方沿岸で平年より低く、能登半島北方沖合で平年より高いと推定されています。一方、水産研究・教育機構が実施した調査によると、昨年の孵化幼生分布量は平年を下回りました。これらの状況から判断して、今期のスルメイカの来遊量は平年を下回ると考えられます。なお、今年51日から23日までのCPUEは過去20年平均を下回って推移しており、今年同期間の水揚箱数(5,974箱)も過去20年平均(128,210箱)を下回っています。

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