2010年9月3日金曜日

調査船白山丸によるスルメイカ分布量調査結果

 調査船白山丸は8月19日から25日に日本海中央部の大和堆付近から津軽海峡西方の
日本海沖合でイカ釣り試験操業を行いました。

 スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は54.3
〜1.1尾(平均:20.3尾)でした(表参照)。昨年および一昨年の同時期調査では、
CPUEの平均はそれぞれ102.6尾および66.8尾であったことから、調査時点における日
本海中央部へのスルメイカの来遊量は少ないと判断されます。

 今年は沖合(大和堆付近)への対馬暖流の張り出しが強く、試験操業海域の表面水
温(平均:26.1℃)も過去5ヵ年の同時期調査(平均:23.4℃)に比べて高いことが
特徴でした。

 スルメイカは日本海沖合では冷水域側に主に分布します。従って、スルメイカの分
布域が北に偏っていると推測され、このことが日本海中央部への来遊がまだ少ない原
因と考えられます。

有毒魚「ソウシハギ」に注意

ソウシハギ写真
・8月下旬に石川県沿岸でソウシハギが獲れたとの報告がありました。
・この魚は肝臓や消化管にパリトキシンという有毒物質があり、間違って食べた場
合、筋肉痛、しびれ、呼吸困難、不整脈などを起こし、死亡することもあります。
・ウマヅラハギ(かわはぎ)やウスバハギ(うまづら)に似ていますが、体全体に青
いまだら模様があり、尾びれが大きく長いことから、見分けることは容易です。
・今後も、石川県沿岸全域で混獲される可能性がありますので、食べたり販売したり
することがないようご注意願います。(海洋資源部 西田剛)

沿岸観測ブイの水温(9月1日)

○各観測点の水温は、引き続きかなり高めで推移しています。
○9月1日の沿岸観測ブイの水温(水深10m)は、加賀沿岸・能登半島外浦沿岸で2
8.4℃〜29.6℃で、過去3年の平均水温に比べ2.0〜3.6℃高めとなりま
した。内浦海域では29.4℃〜30.1℃で、過去3年の平均水温に比べ3.5〜
3.9℃程度高めとなりました。
○港内水温(水深1.5m)は、いずれの観測点も30℃以上で、過去3年の平均水
温に比べ3.3〜4.4℃高めとなりました。

石川県内主要港の水揚げ状況(8月21日〜31日)

○定置網
 コゾクラは、七尾地区でまとまった水揚げがあり、8月中旬に続き前年をかなり上
回りました。シイラ・カマスは前年を上回り、マアジ・フクラギは前年を下回りまし
た。
○まき網
 金沢港・富来港・七尾地区ではフクラギ・ガンドの水揚げがあり、いずれも前年並
みでした。
○その他
 刺し網ではサザエが前年並み、釣りではウスメバル(やなぎばちめ)が前年を上回
りました。