2021年6月1日火曜日

小型いか釣りのスルメイカ水揚状況 (期間:5月1日~20日)

 ■ 本県沿岸では5月から県外小型いか釣り漁船の操業が始まりました。5月1日~20日の県内水揚量は71トンであり、前年の157トン、過去5年平均の257トンを下回っています。5月20日現在、漁場は主に金沢・西海沖にあり、門前・輪島沖では本格的な漁場は形成されていません。<br>

■ 5月1日~20日の延べ入港隻数を集計したところ、今年の延べ入港隻数は370隻で、前年(652隻)および過去5年平均(733隻)を下回っています。<br>

■ 銘柄(1箱当たりの入り尾数)別の箱数割合をみると、今年は30尾入りと40尾以上入りの割合が前年および過去5年平均よりも低く、日本海を北上する成長途上の群れの来遊が遅れているものと考えられます。


調査船白山丸のスルメイカ調査結果 (期間:5月11日~15日)

 ■ 調査船白山丸は5月11日~15日に能登半島沿岸から日本海沖合(大和堆含む)でイカ釣り調査を行いました。スルメイカの分布密度の指標であるCPUE(釣機1台1時間当たりの漁獲尾数)は、大和堆南西付近(北緯38度9分・東経133度39分、北緯38度37分・東経133度54分)の操業点で33.6尾~45.9尾と高く、これらの海域にスルメイカが多く分布していました。<br>

■ 本調査における北緯38度以北の日本海沖合では、平均CPUEは19.9尾であり、前年同時期平

均(9.8尾)および過去5年の同時期平均(13.8尾)を上回りました。定点調査ではないため厳密には比較できませんが、今年5月の日本海沖合のスルメイカの分布量は前年および過去5年平均を上回っていると考えられます。<br>

■ 本調査で漁獲したスルメイカの外套長(魚体サイズの指標)の平均値は18.7cmであり、魚体は前年(17.6cm)および過去5年平均(17.5cm)よりやや大きめでした。<br>


石川県周辺海域の水温 (期間:5月16日~20日)

 ■ 沿岸の海面水温 5月20日の本県周辺(海岸線より30海里程度)の海面水温は15~17℃台で、過去5年平均との差は±0.0~+1.0℃程度でした。<br>

■ 沿岸観測ブイの水温 今期の水温は15.0~16.7℃で、5月上旬から約2.7℃上昇しました。前年同時期との差は-0.3~+0.8℃、過去5年平均との差は-0.7~+0.1℃でした。<br>

■ 港内の水温 今期の水温は17.8℃で、前年同時期との差は+0.2℃、過去5年平均との差は-0.3℃でした。<br>



石川県主要港の水揚状況 (期間:5月1日~15日)

 ■ 定置網 カタクチイワシ・ガンド・マアジは前年を上回り、フクラギ・コゾクラは前年並み、マイワシ・サバは前年を下回りました。マイワシは1,121トン水揚げされ、2月から5月前半の累計は9,793トンで、前年(8,697トン)および過去5年平均(7,155トン)を上回りました。<br>

■ まき網 マイワシは前年を上回り、サバは前年を下回りました。<br>

■ 底びき網・ごち網 アマエビ・ニギス・ハタハタは前年並み、フグ類・アカガレイは前年を下回りました。<br>

■ 刺網・釣り・その他 ヤナギバチメは前年並み、ベニズワイガニは前年を下回りました。